J.モレイラ騎手は上手い?引退話は本当?モレイラ騎手の活躍を紹介!

香港やヨーロッパを中心に世界を股にかけるJ.(ジョアン)モレイラ(以下モレイラ)騎手は、ここ数年、日本の競馬においてもお馴染みの騎手となりました。

とにかく、モレイラ騎手が騎乗する競走馬が次々と勝利することから「モレイラさえ買っておけば馬券は当たる」「JRAに移籍したら年間300勝はするのではないか」などと評価されるだけあって、さすがは世界のトップジョッキーの1人です。

そこで今回は、そんなモレイラ騎手について紹介します。

さらに、これまでの日本での実績や引退するとの噂なども詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご堪能ください。

この記事で分かること
  • モレイラ騎手の基本的な生い立ちや若い頃の活躍
  • モレイラ騎手の実績や勝ち鞍
  • モレイラ騎手の日本における活躍
  • モレイラ騎手の周囲で囁かれた引退話の真相

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目次

J.(ジョアン)モレイラ騎手とは?

モレイラ騎手は1983年9月26日にブラジルのパラナ州クリチバで生まれ、2024年時点で40歳です。日本人騎手でいえば田辺裕信騎手らと同世代になります。

身長165センチメートル、体重53キロと日本人騎手の平均と比べれば少し大きいくらいです。

そんなモレイラ騎手は、14歳の時に騎手学校に入校し2001年にブラジルで見習い騎手としてデビューしました。

その後、2003年に見習いからプロデビューを果たし、ブラジルや南アフリカを中心に1,000勝以上を記録しました。

そして、2009年からは、シンガポールに活動拠点を移し大活躍をみせると、2013年10月からは香港に活動拠点を移しました。

なお、2013年9月6日には、シンガポールにて行われた全9レースのうち騎乗した8レース全てに勝利する離れ業をみせたことで現地から「マジック・モレイラ」と称賛を受けます。

これが『マジックマン』の異名を持つ発端となりました。

なお、今回の短期騎手免許取得期間は、2024年4月4日から6月5日までの約2か月間。身元引受人は、栗東の池江泰寿調教師で契約馬主は『サトノ』の冠名でお馴染み里見治氏です。

これまでの実績や主な勝鞍は?

モレイラ騎手の実績といえば、とにかくリーディングジョッキーを多く獲得していることです。

まずは、前述の通りシンガポールに活動拠点を移した後、2010年から4シーズンに渡ってリーディングジョッキーとなりました。

また、2012年には、年間勝利数206を記録。これは、シンガポール競馬において年間最多勝利記録となっています。

さらに2013年に香港に活動拠点を移した年は、シーズン途中からの騎乗でしたが、97勝を挙げてリーディング2位に付けると、翌2014-2015年シーズンでは、これまでの年間勝利数記録を大きく塗り替える145勝を挙げて香港での初リーディングを獲得。

その後は、2016-2017年シーズンまでの3シーズンを連続でリーディングジョッキーに輝き、年間勝利数も都度更新するなど大活躍をみせました。

特に2017年3月5日には、香港での1日の最多勝利記録となる8勝を挙げ、自身が持っていた6勝の記録を更新しています。

なお、香港での約10年間(9シーズン)の成績は、以下の表のとおりです。

シーズン騎乗数勝利数勝率
2013/20144789720.3%
2014/201559514524.4%
2015/201666416825.3%
2016/201771117023.9%
2017/201866013420.3%
2018/20194959018.2%
2019/202071913819.2%
2020/202174215721.2%
2021/202269413219.0%
合計5,7581,23121.4%

※翻訳版wikipediaより抜粋

この数字を基にして、日本のトップジョッキーたちと比較しますと、C.(クリストフ).ルメール(以下ルメール)騎手や川田将雅騎手と忖度ないことが分かります。

さらに、G1競走に目を向けますと、香港カップや香港マイル、さらには香港ヴァースに香港スプリント、クイーンエリザベス2世カップ(いずれも香G1)など、日本でもお馴染み香港の主要国際レースはほぼ手中に収めています。

その他にもドバイターフやドバイゴールデンシャヒーン(いずれも首G1)など、こちらも日本ではお馴染みとなった世界的大レースも制しており、これまでのG1勝利数は35(ドバイ3、オーストラリア6、香港24、日本2※地方jpn1を含む)となっています。

日本での実績は?

まず、前述の通り、香港での勝率がトータルで21.4%とかなり高い数字でしたが、日本での通算成績(2024年4月7日終了時点)は、533戦163勝。勝率は30.6%とさらに数字が跳ね上がっています。

もちろん、数字だけをみてもモレイラ騎手の凄さは分かりますが、それ以上にモレイラ騎手は大舞台での勝負強さも光っていますね。

その結果、これまでモレイラ騎手は、JRAの重賞に45回騎乗して11勝を挙げ、勝率にすると約24.4%です。しかも11勝のうち10回はテン乗りでのものです。

テン乗り=はじめてその馬に騎乗すること。

ちなみに日本でのG1初制覇となった2018年のエリザベス女王杯(G1)で騎乗したリスグラシューもミルコ・デムーロ(以下M.デムーロ)騎手から乗り替わりでした。

そして、今回の来日では初日となる2024年4月6日に阪神競馬場で行われた阪神牝馬ステークス(G2)にて、1番人気だったマスクトディーヴァに騎乗し、ゴール前では余裕を見せる走りで見事、人気に応え勝利しています。

さらに翌日の桜花賞(G1)では、2番人気だったステレンボッシュに騎乗し、最後の直線では1番人気のアスコリピチェーノの追撃を抑えて勝利したことで、2日間連続重賞制覇といった離れ業を披露。モレイラ騎手にとっても日本のクラシック初制覇となりました。

そして、レース後には「今日は本当に強い勝ち方で、道中もすごくリラックスしてくれました。距離が伸びても問題ないと思います。これだけの能力を持っていると、これからも非常に楽しみです(netkeiba.comより抜粋)」と喜びの声を上げ、二冠目のオークス(G1)までも視野に入れたコメントも非常に心強いと感じましたね。

余談ですが、ステレンボッシュにとって二冠のかかったオークスでは、モレイラ騎手が母国ブラジルで騎乗したため、戸崎騎手が代わりに騎乗し、2着に入線しています。オークスのタイトルは惜しくも届きませんでした。

そんな凄腕のマジックマン・モレイラ騎手ですが、2018年の夏にJRAの通年騎手免許試験を受けることを表明し、受験しましたが惜しくも1次試験で不合格となりました。

合格間違いなしといわれていた中での不合格でしたので、本人も相当なショックを受けたそうです。

ただ、これにはいろいろな憶測が飛び交っています。

中でも仮にモレイラ騎手がJRAの通年騎手免許を取得していたら、日本人騎手の騎乗機会が減少、また、勝ち星を量産しすぎることで日本の若手騎手が伸びない点などから不合格に至ったのではないかなど、あくまでも憶測なので真相は定かではありません。

ただ、モレイラ騎手の実績を考えれば、その憶測はまんざらでもないといえそうですが、個人的な意見としては、モレイラ騎手には、日本での通年騎手免許を取得してほしかったと思います。

なぜなら、仮に取得していれば、確かに日本人騎手の騎乗数減少は否めないかも知れませんが、ルメール騎手やM.デムーロ騎手と同じく世界のトップジョッキーの騎乗スタイルが常に間近で見られることで日本人騎手のレベルアップにつながったと思うからです。

巷で噂されていた引退説とそれを撤回した理由

そんなモレイラ騎手ですが、2022年11月に当時所属した香港ジョッキークラブに2022-23年シーズン騎手免許を返納しました。

これは、股関節の負傷に悩まされ続けたことと、世界中に巻き起こった新型ウイルスのパンデミックにより家族とのコミュニケーションが取れず、精神的負担になったことが理由とされていました。

そして、これまで騎乗経験のある日本を始め、ヨーロッパやオーストラリアに感謝を伝えるため、約半年をかけて騎乗機会を求めました。ただ、香港ジョッキークラブ所属のままだとそれが困難なため、免許返納に至ったとのことです。

そんな一連の流れからか、2023年には引退説が囁かれましたが、モレイラ騎手自身も「そんな話はありません。今後は凱旋門賞やブリーダーズカップなどの国際レースにもチャレンジしたい。来年も短期騎手免許取得の条件はクリアできていますし、もちろん来る予定です(2023. 05. 18日刊スポーツ掲載文から抜粋)」とコメントした通り、引退説を否定し、今回の来日につながっています。

よって、あくまでも引退説は、香港での騎手免許返納、股関節の負傷から引退するのではないかとの噂や憶測が重なったものだと考えられますね。

まとめ

今回は、世界を股にかけるマジックマンことモレイラ騎手について紹介しました。

とにかく凄いの一言しか思いつかないほどの活躍をみせるモレイラ騎手ですが、実は2025年のJRA短期騎手免許を取得する条件に黄色信号が点滅しています。

それは、JRAの短期騎手免許取得の要件を満たせない可能性があるからです。

その要件とは、大きく分けて以下の3つに定められています。

  1. 各国ごとに定められたリーディング上位(過去2シーズン)であること。
  2. 当該年または過去2年で指定外国競走(英国ダービーなど60競走が該当)を2勝以上していること。
  3. 当該年または過去2年でJRAのG1競走を2勝以上していること。

モレイラ騎手は2021-2022年シーズンで香港リーディング2位でしたので、今回の来日条件はクリアしましたが、現状では前述の通り、世界各国を飛び回っているため、上記の3つを満たす成績が残せていません。

そう考えると、来年以降の短期騎手免許を取得するには、日本のG1レースを2勝することがもっとも近道といえそうです。

そして、今回の来日期間では桜花賞こそ制しましたが、その後開催された皐月賞・天皇賞(春)・NHKマイルカップ・ヴィクトリアマイル、そしてダービーは勝利していません。

モレイラ騎手の短期免許は6月5日まで有効なので、騎乗できるG1競走は安田記念のみとなりました。

安田記念では有力馬のソウルラッシュに騎乗します。

安田記念を勝利できれば、上記3に該当しますので2025年も来日可能となります。モレイラ騎手にとって正念場となることでしょう。

そんなモレイラ騎手からは、今後も目が離せません。

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