MENU

コンクリート馬場(コンクリ馬場)とは?特徴・好走馬の傾向・予想のコツを徹底解説

コンクリート馬場(コンクリ馬場)とは?特徴・好走馬の傾向・予想のコツを徹底解説のアイキャッチ

競馬ファンの会話やSNSで「コンクリート馬場」という言葉を耳にしたことはありませんか。

これは実際にコンクリートで作られたコースを指すわけではなく、芝が極端に硬くて速い時計が出やすい状態を揶揄した俗称です。

特に東京競馬場や京都競馬場、新潟競馬場の開幕週などでは、1,600mで1分31秒台といった異常な高速決着が見られることがあります。

この記事では「コンクリート馬場」の意味や特徴、出やすい競馬場やクッション値との関係、好走馬のタイプ、さらに予想や買い方のコツまで徹底的に解説していきます。

目次

コンクリート馬場とは?

「コンクリート馬場」とは、競馬で使われる正式な用語ではなく、ファンや関係者が俗称として使う言葉です。

意味するところは「芝が非常に硬く、馬が走るときの反発力が強いために、極端に速い時計が出やすい馬場状態」のことです。

例えば東京競馬場の開幕週や、天候に恵まれて芝の生育が良いときには、1,800m戦で1分44秒台、2,000m戦で1分57秒台といったレコード級のタイムが出ることがあります。

こうしたときに「コンクリートみたいに硬い馬場だから時計が速い」と比喩されるのです。

一方で「馬の脚元に負担がかかりやすい」という否定的なニュアンスもあり、あまり歓迎されない言葉として使われる場合もあります。

つまり、スピード能力を引き出す舞台であると同時に、故障リスクの高さを懸念される特徴的な馬場だといえるでしょう。

コンクリート馬場になりやすい競馬場

コンクリート馬場と呼ばれる状態は、どの競馬場でも起こり得ますが、特に芝コースの管理が進んでいる中央の主要競馬場で目立ちます。

とりわけ以下の競馬場は高速決着が頻発し、ファンから「コンクリート馬場」と評されやすい舞台です。

コンクリート馬場になりやすい競馬場の一例を紹介します。

東京競馬場

もっとも代表的なのが東京競馬場です。

特に春の開幕週は芝が生え揃い、直線も長いためスピードを存分に発揮できる舞台になります。

日本ダービーや安田記念では、2分22秒台のレコード決着や1分31秒台の超高速マイル戦がたびたび出ており、コンクリート馬場の象徴ともいえる存在です。

京都競馬場

京都も芝の状態が良好なときは非常に速い時計が出ます。

特に天皇賞春や秋華賞の舞台となる外回りコースでは直線が長いため、瞬発力勝負になりやすく、高速馬場が顕著になります。

改修後も最新技術で路盤が整備されており、今後も「速い馬場」が繰り返し見られるでしょう。

新潟競馬場

新潟は全面野芝を採用していることに加え、日本一長い659mの直線を誇ります。

さらに平坦コースであるため、スピードを落とさず末脚を伸ばしやすいのが特徴です。

夏開催のアイビスサマーダッシュや関屋記念では、開幕週を中心に高速決着が目立ち、「コンクリート馬場」と評される舞台になりやすいといえます。

コンクリート馬場になりやすい条件

コンクリート馬場」と呼ばれる状態にはいくつか共通する条件があります。

芝の痛み具合や気象条件、芝の種類によっても時計の出やすさは変化します。

ここでは主な要因を整理してみましょう。

開幕週は芝が痛んでいない

開催序盤の芝コースはまだ芝がしっかり生え揃っており、傷みも少ないためスピードが出やすくなります。

開幕週は芝の根付きがよく、反発力も強いので高速決着が頻発しやすいです。

特に内ラチ沿いの芝が青々としている時期は、逃げ・先行馬が楽に加速できるため時計が一気に速くなります。

東京や京都の開幕週は「時計勝負必至」と言われるのもこのためです。

快晴続きで水分が少ない馬場

雨が少なく快晴が続くと、芝は乾ききってクッション値が高くなります。

クッション値が9.5以上になると芝が硬く反発力が強くなるため、馬のスピードをそのまま記録に反映しやすくなり、レコード決着も生まれやすくなります。


このような環境下では上がり3F 32秒台といった極端な瞬発力勝負になりやすく、差し・追い込み型の瞬発力馬が有利になります。

逆にパワー型の馬は力を発揮できず苦戦する傾向です。

全面野芝コース

芝の種類によっても時計の出やすさは異なります。

新潟や夏の小倉、秋の阪神や中山のように全面野芝を使うコースは、基本的にスピードが出やすい傾向があります。

特に新潟は直線が長く平坦であることも相まって、末脚を活かした高速決着が起こりやすい舞台といえます。

一方で洋芝主体の札幌や函館は水分を含みやすく、時計のかかる馬場になりやすいのが対照的です。

この芝の違いを知っておくことで、開催場ごとの「コンクリート馬場」発生率を見極められます。

クッション値とコンクリート馬場の関係

JRAでは近年、芝コースの硬さや反発力を数値化した「クッション値」が公式に公表されるようになりました。

これは馬場状態を客観的に把握できる重要な指標であり、コンクリート馬場かどうかを判断する際の目安にもなります。

ここからはクッション値とコンクリート馬場の関係についてまとめます。

クッション値が高い(9.5以上)の場合

芝の反発力が強く、馬が地面を蹴った力が推進力として効率よく伝わります。

その結果、レース全体のラップが速くなり、1分31秒台のマイル戦や2分22秒台のダービー決着といった超高速時計が生まれやすくなります。まさに「コンクリート馬場」と呼ばれる状況です。


この環境ではディープインパクト系や米国型スピード血統の切れ味が存分に発揮され、差し・追い込み馬の瞬発力勝負になるケースが増えます。

展開予想よりも「絶対的な脚の速さ」が重要になります。

クッション値が低い(8以下)の場合

芝の根付きが甘かったり雨で水分を含んで柔らかくなった状態です。

馬の脚が沈み込みやすいためスピードにブレーキがかかり、時計はかかります。洋芝主体の札幌や函館などはこのタイプになりやすく、コンクリート馬場とは対極の存在です。


この場合はスタミナやパワーが求められるため、欧州型血統やピッチ走法の馬が台頭しやすくなります。

瞬発力勝負が苦手な馬にとっては、むしろチャンスが広がる条件といえるでしょう。

クッション値を予想に活かす

当日の馬場発表だけでなく、クッション値を確認しておくことで「今日は超高速決着になるのか」「あるいはパワー型の馬を狙うべきか」の判断がしやすくなります。

特に東京や新潟の開幕週でクッション値が9.5を超えている時は、差し馬の瞬発力勝負を想定するのがセオリーといえます。


逆に8以下で発表されていれば、時計がかかる馬場を想定し、先行馬やパワー型血統を相手に組み込むのが効果的です。

数値ひとつで馬券の組み立てが大きく変わるため、欠かさずチェックしたいデータです。

クッション値が見られるサイト

クッション値はJRA公式サイトで確認できます。具体的な確認手順は下記の通りです。

  1. JRA公式ホームページにアクセス
  2. ページ上部の【競馬メニュー】を選択
  3. ページ内にある【今週の開催情報】内にある【馬場情報】から各競馬場のクッション値が見れる

各開催日の朝に数値が発表され、馬場状態(良・稍重など)よりも詳しく芝の硬さを把握できるのが特徴です。

近年はスポーツ紙や競馬情報サイトでも取り上げられることが増えており、予想ファンの必須チェック項目となっています。

スマートフォンからも閲覧できるため、レース直前に確認して馬券検討に役立てる人が多いです。

特に重賞開催日にはX(旧Twitter)などのSNSでも「今日のクッション値」が話題になり、ファン同士の予想材料として共有されています。

予想精度を高めるうえで、もはや欠かせない情報源となっているのです。

コンクリート馬場で好走しやすいタイプの馬

コンクリート馬場では、ただ速いだけでなく「どんな適性を持つ馬か」が結果を大きく左右します。

ここでは血統・走法・脚質の3つの観点から、好走しやすいタイプを解説します。

血統的な特徴

もっとも顕著なのはディープインパクト産駒に代表されるサンデーサイレンス系です。

切れ味鋭い末脚を武器に、東京や京都の開幕週で繰り返し好走してきました。また、Storm Cat系やDanzig系といった米国型スピード血統も、高速馬場でのトップスピード勝負に強く、短距離やマイル戦で結果を残す傾向があります。

逆にステイゴールド系や欧州型血統のようにスタミナやパワー寄りの馬は、時計勝負になると切れ負けすることもあり、評価を下げざるを得ません。

走法の特徴

大きなフットワークで走るストライド走法の馬は、硬い馬場の反発力を推進力に変えることができるため非常に有利です。

東京や新潟の直線で末脚を伸ばす姿はまさに典型例で、イクイノックスやディープインパクトのような名馬に見られる走法です。

一方、ピッチ走法の馬は脚さばきが細かく、道悪や洋芝のように力を要する馬場でこそ真価を発揮します。

高速馬場では切れ味不足に陥るケースが多く、展開や馬場次第で評価を下げる必要があります。

脚質の特徴

瞬発力勝負に強い差し・追い込み馬は、コンクリート馬場で特に信頼できます。

上がり3F 32秒台を出せる馬は開幕週の東京や新潟で抜群の強さを誇り、人気に応えるケースも少なくありません。

ただし、スローペースで流れた場合は先行馬の押し切りが決まることもあります。

高速馬場に対応できるスピードを持つ逃げ・先行馬は侮れず、特に人気薄の先行馬が残って波乱を呼ぶこともあります。

コンクリート馬場で予想する際のチェックポイント

コンクリート馬場は時計が異常に速いため、通常の予想とは違った視点が求められます。

どの馬が高速決着に対応できるかを見極めることで、馬券の精度を高められます。

以下のポイントを順番に確認していきましょう。

過去の高速決着実績

まず注目すべきは、過去に高速馬場で好走した経験があるかどうかです。

東京や京都の開幕週で速い時計を出したことがある馬は信頼度が高まります。

特に「1分31秒台のマイル」「2分22秒台のダービー」といった決着に対応した馬は再現性が高いです。

高速決着は適性がハッキリ出るので、経験の有無が重要です。

上がり3Fの速さ

コンクリート馬場では最後の直線で速い上がりを使える馬が優位に立ちます。

特に上がり32〜33秒台を何度も記録している馬は、瞬発力勝負に強く軸にしやすい存在です。

逆に34秒以上かかる馬は置いていかれるリスクが高いです。

数値的な裏付けを持つことで、自信を持って差し馬を本命にできます。

クッション値の確認

JRAが発表するクッション値を必ず確認しましょう。

9.5以上ならコンクリート馬場寄り、8以下ならパワー型有利と判断できます。

この数値ひとつで狙うべき馬のタイプが大きく変わります。

直前の天候や芝の乾き具合も考慮しながら、数値を馬券戦略に取り入れるのがポイントです。

血統や走法の適性

血統ではディープインパクト系や米国型スピード血統、走法ではストライド走法の馬が有利です。

硬い馬場で反発を推進力に変えることができるため、直線での切れ味が増します。

逆に欧州型やピッチ走法は割引きが必要で、特に超高速馬場では分が悪くなります。

血統と走法をセットで確認すると、予想の精度が上がります。

レースラップの傾向

コンクリート馬場では「前半速い→後半も落ちない」展開が多く、結果的に差し馬が優勢になることが目立ちます。

ただしスローペースなら前残りの可能性もあるため、ペース予想は欠かせません。

高速馬場では展開が読みにくい部分もあるので、差し・追い込みを軸にしつつ先行馬を少し押さえるのがセオリーです。

コンクリート馬場で狙える買い方(券種戦略)

コンクリート馬場は高速決着のため、適性のある馬とそうでない馬がハッキリ分かれます。

展開次第で波乱も堅い決着も起こるため、馬券の組み立ては柔軟に考える必要があります。

ここでは効果的な券種戦略を紹介します。

差し馬を軸にした3連複・3連単

もっともオーソドックスなのは差し馬を軸にしたフォーメーションです。

高速馬場では瞬発力型が決め手を発揮しやすく、差し・追い込みが決まるケースが多くなります。

人気馬でも差し馬を本命に据えることで的中率を高められます。

相手には人気薄の差し馬を組み込むことで配当アップも狙えます。

人気薄先行馬を相手に加える

高速決着は差し有利が基本ですが、時計が速すぎると先行馬が粘り込むケースもあります。

2019年の日本ダービーのように人気薄が前残りする展開は意外と少なくありません。

3連複やワイドで差し馬と人気薄先行馬をセットにすることで、大波乱の高配当を拾える可能性が高まります。

単勝・馬連の一点集中

「この馬しか切れ味が抜けていない」と感じた時は、思い切って単勝や馬連一点買いで勝負するのも有効です。

コンクリート馬場は適性が明確に出るため、本命馬がそのまま押し切ることも少なくありません。

堅い決着になりやすいと判断した場合は、的中率を優先した買い方も戦略のひとつです。

スロー時の保険にワイドを活用

高速馬場でもスローペースになれば先行馬の押し切りが決まることもあります。

そのため差し馬だけに絞るとリスクが高くなることも。そこでワイドで「差し馬+先行馬」を押さえておけば、展開が逆になった時の保険になります。

堅い決着でも回収できる安心感があり、三連系と組み合わせて使いやすい買い方です。

枠順と立ち回りの意識

高速馬場では内の芝が良好であることが多く、内枠からロスなく立ち回れる差し馬が有利です。

外差しが決まりそうに見えても、時計が速すぎると外を回すロスが致命傷になることがあります。

そのため、枠順や位置取りを考慮した上で馬券に反映させると、的中率と回収率をさらに高められます。

まとめ|コンクリート馬場は予想の狙いどころ

コンクリート馬場とは、芝が硬く反発力が強いために異常な高速決着が出る状態を指す俗称です。

開幕週や晴天続き、クッション値の高さ、野芝コースなどが重なると発生しやすくなります。

高速馬場に適した血統や走法を持つ差し馬が中心ですが、人気薄先行馬の残り込みにも注意が必要です。

馬券戦略としては、差し軸の3連複や3連単を基本にしつつ、ワイドや馬連で保険をかけるのが効果的です。

芝状態を正しく把握できれば、波乱にも堅い決着にも対応でき、回収率アップにつながります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次