B.ムルザバエフ騎手は上手い?国内外の成績からその実力に迫る

2024年の日本競馬界は、年明けからR(レイチェル).キング騎手を始め、5名の海外所属騎手が『短期騎手免許』にて来日し、日本の競馬を大きく盛り上げてくれました。

しかし、JRAの『同時期に短期騎手免許を取得できるのは5名まで』といったルールがある中、突如R(ルーク).モリス騎手が諸事情でイギリスに帰国します。

そこで、その空いた枠にB(バウルジャン).ムルザバエフ(以下ムルザバエフ)騎手が、2024年の2月中旬から来日。騎乗初日から2勝を挙げるなど早くも活躍をみせてくれました。

そんなムルザバエフ騎手といえば、2022年のホープフルステークス(G1)にて、14番人気だったドゥラエレーデを勝利に導き、日本での初オープンクラス以上の勝利、合わせて重賞初勝利、G1初勝利と一気に3つの快挙を成し遂げた凄腕のジョッキーです。

今ではすっかりとお馴染みとなりましたが、その当時は超大穴馬を1着に連れてきたことで競馬ファンの間では「この外国人騎手はいったい何者なんだ?」と大きな話題にもなりました。

そこで今回はムルザバエフ騎手について紹介していきます。

ドイツのリーディング・ジョッキーを何度も獲得しているムルザバエフ騎手について、知っていただければと思います。

この記事で分かること
  • B.ムルザバエフ騎手の生年月日や経歴が分かります。
  • B.ムルザバエフ騎手の海外における主な活躍が分かります。
  • B.ムルザバエフ騎手の日本における実績が分かります。

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目次

B(バウルジャン).ムルザバエフ騎手とは?

https://twitter.com/GCH_kaigai/status/1773556477480890368

ムルザバエフ騎手は、1992年9月17日生まれ、カザフスタンのアルマトイ出身の現在31歳です。日本人騎手でいえば、横山和生騎手や杉原誠人騎手らと同世代になります。

身長169センチメートル、体重54キロと、日本人騎手の平均が身長160センチ前後、体重50キロ前後と比べれば、かなり大きい騎手といえます。

そんなムルザバエフ騎手は、実家が競走馬を所有していた関係で幼い頃から競馬に興味を持っていました。

そして、15歳の時にカザフスタンのアルマトイ競馬場で見習い騎手としてデビューし、2013年には、ドイツで初めて騎乗し、2016年にはチェコ共和国のプラハに活動拠点を移します。

その後、2019年からはドイツを活動拠点の中心としながら、日本の競馬においては2022年のジャパンカップ(G1)でドイツ馬のテュネス(9着)に騎乗しました。

その翌月に初めて短期騎手免許を取得。

『競走限定免許』ではない形で日本競馬デビューを果たします。そして、冒頭でも説明したとおり、ドゥラエレーデに騎乗し多くの競馬ファンに衝撃を与えました。

また、2023年からは拠点をフランスに移して名門といわれるアンドレ・ファーブル厩舎に所属することになり、現在の活躍につながっています。

こうして、ムルザバエフ騎手は、今回(2024年2月17日〜2024年4月14日まで)の来日が、4度目の短期騎手免許取得となり、いまではすっかり日本でもお馴染みの外国人騎手となりましたね。

なお、今回も身元引受人はあのキタサンブラックを育てた栗東の清水久詞調教師で契約馬主は、有限会社シルク・ホースクラブ代表取締役の米本晃子氏です。

これまでの実績や主な勝鞍は?

日本の競馬において、ドゥラエレーデで一躍有名となったムルザバエフ騎手。続いては、これまでの実績などをみていきたいと思います。

まず、ムルザバエフ騎手といえば、2022年まで所属したドイツ競馬におけるトップジョッキーの1人です。

その実績は、2019年、2020年にドイツで2年連続のリーディングジョッキーを獲得すると、翌2021年にもリーディングジョッキーに輝きました。

2022年にはドイツダービー(独G1)をサンマルコで制覇すると、さらにはドイツの歴史あるレースの1つバイエルン大賞(独G1)をテュネスで勝利。

その年もリーディングジョッキーを獲得し、4年連続でドイツのリーディングジョッキーとなりました。

その4年間での成績は、2,041戦436勝、勝率21.4%とハイアベレージの数字を残しています。

まさにドイツでは無双状態だったムルザバエフ騎手。

しかし、2023年から活動拠点をフランスに移してのリーディングは60勝で20位でした。

ドイツとフランスの競馬レベルを考えると、ドイツで無双だったムルザバエフ騎手でも、そう簡単にフランスでは上位に食い込めなかったようです。

ただ、2024年もフランスを主戦場とする中では何とか上位にランクインする活躍を期待したいですね。

日本での実績は?

続いて日本での騎乗実績をみていきましょう。

前述しているとおり、2022年のドゥラエレーデを皮切りにこれまで2023年の東海ステークス(G2)を2番人気だったプロミストウォリアで勝利し、同年の小倉大賞典(G3)でも2番人気のヒンドゥタイムズで勝っています。

さらに2024年には、地方・船橋のダイオライト記念(jpn2)にて、断然の1番人気だったセラフィックコールを人気に応える形で1着に導きました。

こうしてみると、芝・ダート関係なく、持ち前のパワー溢れる騎乗スタイルで多くの競走馬と勝利を収めています。

また、2024年の日本でのリーディングでは2024年3月24日終了時点で17勝を挙げ、14位にランクインしていることから、その実力は日本でも通用することを証明しました。

そして、来日するたびに騎乗している相棒のドゥラエレーデとは、2023年のチャンピオンズカップ(G1)で9番人気ながらもレモンポップの3着に持ってくる実績を残し、翌月の地方・大井競馬場で開催された東京大賞典(jpn1)でもウシュバテソーロの3着でした。

ただ、2024年のフェブラリーステークス(G1)では、3番人気ながらも直線で失速する形で12着と不本意な結果に終わってしまっています。

その後、2024年3月末日に行われたドバイワールドカップデー。そのメインレースとなったドバイワールドカップ(首G1)でもドゥラエレーデの手綱を任されたムルザバエフ騎手は、8番人気ながらも4着だったウィルソンテソーロと僅差の5着に入線し、改めてダート適性での能力を示してくれました。

レース後、ムルザバエフ騎手は「内側のポジションからとてもいい走りをしてくれたと思います」とコメントしているように、どんな場所でもどんな相手でも前で粘って根性を見せるドゥラエレーデの相棒として、非常に相性が良いと感じます。

あとは、ドゥラエレーデ自身、身体も頑丈ですし、血統的にも真骨頂はここからだと思いますので、ムルザバエフ騎手ともう1つビックタイトルを獲得してほしいと思いますね。

まとめ

今回は、ムルザバエフ騎手について紹介しました。

前述の通り、ムルザバエフ騎手は競馬大国ではないカザフスタン出身です。その中でドイツやフランスといった競馬大国で活躍し、短期騎手免許で来日した際も何か手土産を持って帰るところはさすがです。

ちなみにムルザバエフ騎手の2024年3月24日までの成績は、勝利率が14.4%で連対率26.3%、複勝率になると36.4%とかなり高い数字を残しています。

このような実力から、今回の短期騎手免許期間内で開催される皐月賞(G1)では、きさらぎ賞(G3)を強烈な末脚で制し、上位人気が予想されるビザンチンドリームに騎乗予定です。

なお、ビザンチンドリームは2023年12月の新馬戦をムルザバエフ騎手の手綱で2着に3馬身差を付けて勝利していますので、相性も良さそうです。

また、桜花賞(G1)ではドバイで落馬したC.ルメール騎手のお手馬であるチェルヴィニア編騎乗が決まりました。

有力馬の一角なのでどのような競馬を見せてくれるか楽しみです。

今後もムルザバエフ騎手の活躍に目が離せませんね。

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