H.ドイル(ホリードイル)騎手とは?夫も騎手?国内外の成績も同時解説

近年の日本競馬において、女性騎手の活躍が目立っていることは、競馬を盛り上げる1つの要素になっていると思います。

そんな女性騎手の活躍は、何も日本だけではなく海外競馬においても他なりません。

中でも2022年に短期騎手免許で初来日したホリー・ドイル騎手(以下ドイル騎手)は、イギリス競馬において、リーディング上位に位置するトップジョッキーの1人であり、その実力は、騎手デビューから約10年でイギリス・フランスにて、G1レースを6勝するなど、男顔負けのパワフルな騎乗が特徴的です

そこで今回は、ドイル騎手について紹介していきます。

2024年で3年連続JRA短期騎手免許を取得し、来日しているドイル騎手の生い立ちから数々の女性騎手としての記録を塗り替えた功績などをお伝えしますので、ぜひ最後までご高覧ください。

この記事で分かること
  • ドイル騎手の基本的な生い立ち
  • ドイル騎手の成績や勝ち鞍
  • ドイル騎手の日本での成績

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目次

H.ドイル騎手とは?

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ドイル騎手は、1996年10月11日にイギリス生まれの現在28歳です。身長149センチ、体重51キロと小柄な容姿からは想像し難い、馬を追う力は大迫力といったイメージがあります。

そんなドイル騎手は、父マーク・ドイル氏、母キャロライン・ロード氏ともに競馬の騎手だったことから、9歳でポニークラブに入会し、乗馬を始めたといいます。ちなみに母はアラブレースにも騎乗していたそうです。

その後、2014年にイギリス見習騎手免許を取得すると、3年後の2017年には、イギリス騎手免許を取得しました。

なお、直近の騎乗成績を見ますと、2022年には91勝を挙げてイギリスリーディング第2位、2023年は89勝でイギリスリーディング第6位と大活躍。さらに2024年も、11月7日現在で71勝イギリスリーディングの第7位に付けています。

そして今回の短期騎手免許期間は、2024年11月9日から12月22日までとなっており、身元引受人は美浦の田中博康調教師、契約馬主は有限会社キャロットファームです。

H.ドイル騎手のこれまでの主な成績は?夫は誰?

ドイル騎手は、2016年にリチャード・ハノン・ジュニア厩舎に所属し、年間33勝を挙げてから飛躍の一途を辿ったといわれています。

その後2019年には、ジョセフィン・ゴードン騎手が2017年に達成したイングランド女性騎手年間最多の106勝を更新する116勝を挙げ、イギリス・プロフェッショナル・ジョッキーズ・アソシエーションの年間女性騎手MVPを獲得

名実ともに女性騎手としてトップジョッキーの座を手に入れました

さらにその活躍は、翌年以降も続き、2020年7月にニューマーケット競馬場で行われたプリンセスオブウェールズステークス(英G2)にて、デイムマリオットに騎乗して1着となり、デビュー4年目で初の重賞制覇を果たします。

また翌月には、ヘイドックパーク競馬場で行われたローズオブランカスターステークス(英G3)でエクストライルーシヴに騎乗し、1番人気だったランフランコ・デットーリ騎手が騎乗したグローバルジャイアント、2番人気のライアン・ムーア騎手騎乗のザアキを寄せ付けず圧勝、世界的名手を相手に重賞2勝目を挙げました。

さらに同年の10月、アスコット競馬場で行われたブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスカップ(英G2)において、トゥルーシャンに騎乗し、女性騎手として初めてブリティッシュチャンピオンズデー開催で勝利を挙げると、同日のブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントステークス(英G1)でグレンシールに騎乗し、見事G1初制覇を達成。

これは、1997年にナンソープステークス(英G1)を制したアレックス・グリーヴス騎手、2011年のジュライカップ(英G1)を勝利したヘイリー・ターナー騎手に続く史上3人目となる女性騎手のイギリス平地G1競走制覇となりました。

なお、この年はシーズンを通して117勝を挙げ、前年にドイル騎手自身が達成したイギリス女性騎手年間最多勝利記録を再度塗り替える数字となっています。

その後2021年1月1日には、同じイギリスのトップジョッキーであるトム・マーカンド騎手との婚約を発表。さらに2月には、サウジアラビアのネオムターフカップ(首G2)にて、アイルランドのトゥルーセルフに騎乗し優勝。これは、サウジカップデーにおける女性騎手初勝利となりました。

また、翌年6月には、フランス・シャンティイ競馬場で行われたフランスオークス(仏G1)をナシュワを勝利に導いたことでドイル騎手自身、初のクラシック制覇とともに、173回の歴史を誇る同レースにおいて、初の女性騎手優勝の大記録を樹立

そして、2023年9月にマーカンド騎手が通算1,000勝をマークすると、ちょうど1年後となる2024年9月にドイル騎手もイギリスの女性騎手としては、史上2人目となる通算1,000勝をマーク。めでたく夫婦ともども1,000勝達成となりました。

H.ドイル騎手の日本での成績は?

ドイル騎手は、2022年10月26日に夫のマーカンド騎手とともに初のJRA短期騎手免許を取得すると、翌月の東京競馬場で行われた3歳以上1勝クラスをレヴールに騎乗し、JRA初勝利を成し遂げます

また、翌2023年11月にもマーカンド騎手とともに夫婦でJRAの短期騎手免許を取得。ジャパンカップ(G1)では、負傷のため途中帰国となったライアン・ムーア騎手の代役としてヴェラアズールに騎乗し、9番人気ながらも連覇を狙いましたが結果は7着でした。

また、このレースでは夫のマーカンド騎手が8着だったスタッドリーに騎乗していたため、JRAのG1レースにおいて、初となる『夫婦による同レース騎乗』が話題となりました。

さらに同レースは、フランスのマリー・ヴェロン騎手、藤田菜七子騎手と、それぞれ女性騎手が騎乗していたことでJRAのG1レースで初の複数の女性騎手の騎乗も実現しています。

なお、2022年から短期騎手免許取得で来日となったドイル騎手の日本での騎乗成績は以下の通りです。

◆日本でのこれまでの実績

年度1着(勝率)2着(連対率)3着(複勝率)4着以下
2022年2(1.9%)9(10.3%)7(16.8%)89
2023年12(11.9%)6(17.8%)9(26.7%)74
Total14(6.7%)15(13.9%)16(21.6%)163

そして、3年連続で来日となった2024年。

来日直後のインタビューでは「去年もたくさん勝たせてもらいました。今年も福島から始められて、いいステップを踏めるんじゃないかと思います」と笑顔で意気込みを語りました。

そんなドイル騎手は、今回の来日からの2日間をすべて福島競馬場でレースに臨みましたが、結果的には、15鞍に騎乗し、2着1回、3着1回と勝利までには至りませんでした。

しかし、これは来日して間もないため、時差ボケや体調面等の不調などがあったのかも知れません。ドイル騎手には次週以降の活躍に期待したいですね。

H.ドイル騎手の”2度の落馬事故”

H.ドイル騎手は2022年から2024年にかけて、3年連続日本で騎乗しています。3年間続けて来日しているので、日本の競馬ファンにも名前が知れ渡ったのではないでしょうか。

しかしながら、日本で騎乗した際は2度ほど落馬しています。

ひとつめが、2023年11月12日に福島競馬場で開催された、重賞福島記念(G3)です。この時ドイル騎手はカントルに騎乗していましたが、スタート直後に落馬してしまいました。

幸いにも大事には至らず、続く12Rにも騎乗し2着に健闘しています。

もうひとつの落馬は2024年11月17日に福島競馬場で開催された2歳新馬戦です。このレースでは、1番人気のウインファヴォリに騎乗し1着に入線しましたが、ゴール入線後、1コーナー辺りでウインファヴォリがいきなり外ラチ沿いにもたれて、そのままドイル騎手を振り落としてしまいました

ヒヤリとする出来事でしたが特に落馬の影響はなく、その後ドイル騎手はレースに騎乗しています。

短期で来日していることもあり、怪我をして騎乗できなくなるのは避けたいところです。”2年連続落馬”というハプニングはありましたが、大きな怪我なく済んで本当に良かったです。

H.ドイル騎手まとめ

今回は、ドイル騎手について紹介しました。

女性騎手として、母国イギリス競馬で多くの記録を塗り替えたドイル騎手。また、夫のマーカンド騎手とともに夫婦で活躍することは本当に素晴らしいことだと思います。

また、3年連続で来日となったことは、日本の競馬ファンにとっても大変嬉しいことですし、日本の女性騎手がドイル騎手から学べることも多くあるのではないでしょうか。

そんなドイル騎手には、今後も注目していきたいですね。

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