地方競馬で一攫千金を狙える夢の馬券、それがトリプル馬単 (トリプルうまたん) です。
1日のうちに指定された3レースすべてで「1着と2着の馬番」を順番通りに当てる必要があり、その難易度は中央競馬のWIN5を上回るほど。
販売は南関東4場とホッカイドウ競馬 (門別) のみで、購入できるのはインターネット投票サイト「SPAT4」限定です。
的中すれば数千万円、時には3億円に届くこともある超高配当くじとして注目を集めています。
当記事では、トリプル馬単の仕組み・買い方・キャリーオーバー・的中確率までをわかりやすく解説します。
トリプル馬単とは?
トリプル馬単 (トリプルうまたん) は、地方競馬で発売されるくじ形式の高配当馬券です。
指定された3レースすべてで1着と2着を順番通りに当てる必要があり、その難易度はWIN5を超えるとも言われます。
販売はSPAT4限定で、南関東4場とホッカイドウ競馬 (門別) のみが対象です。
ここからは、発売対象となる競馬場やレースの仕組みを詳しく見ていきましょう。
対象となる競馬場とレース
トリプル馬単は、南関東4競馬場とホッカイドウ競馬 (門別) のみで発売されている限定馬券です。
発売当初は浦和・船橋・大井の3場から始まり、その後に川崎と門別が加わりました。
現在はそれぞれの競馬場ごとに独立して販売され、1日のうち末尾3レース (最終3競走) が対象となります。
次に、各競馬場の概要と発売開始時期を整理してみましょう。
主催 | 開始日 | 対象レース |
---|---|---|
浦和競馬場 | 2014年6月1日 | 当初より発売 |
船橋競馬場 | 2014年6月1日 | 当初より発売 |
大井競馬場 | 2014年6月1日 | 当初より発売 |
川崎競馬場 | 2014年8月18日 | 途中から追加 |
ホッカイドウ競馬 (門別) | 2014年8月19日 | 北海道唯一の対象 |
購入方法と金額
トリプル馬単は、地方競馬ファンの間で人気の高いネット限定馬券です。
購入できるのはインターネット投票サービス「SPAT4」のみで、会員登録が必要となります。
パソコンやスマートフォンから簡単に買えるうえ、1票10円単位・最低50円から購入できる手軽さも魅力です。
ここからは、具体的な購入方法と選べる3つの買い方を紹介します。
購入はSPAT4限定
トリプル馬単を購入できるのは、インターネット投票サービス「SPAT4」だけです。
南関東4競馬場 (浦和・船橋・大井・川崎) およびホッカイドウ競馬 (門別) の公式販売窓口として運営されており、他のサイト (楽天競馬やオッズパークなど) では取り扱っていません。
そのため、まずはSPAT4の会員登録を行い、提携銀行口座から入金しておく必要があります。
登録後はパソコン・スマートフォン・タブレットのいずれからでもアクセス可能で、メニュー内の「SPAT4 LOTO」→「トリプル馬単」を選択すれば購入画面に進めます。
投票締切は対象となる3レースのうち最初のレース発走時刻の5分前までです。
購入単位は1票=10円で、最低5票 (50円) から購入可能。
また、10円単位で金額を増やせるため、たとえば60円や70円といった細かい買い方もできます。
少額から夢を狙える点が、SPAT4トリプル馬単の大きな魅力です。
購入方式は3種類
トリプル馬単の購入方法には、セレクト方式・一部セレクト方式・ランダム方式の3つがあります。
最も基本的なのがセレクト方式で、3つの対象レースすべての1着・2着を自分で選択する方法です。フォーメーションや流し買いも可能で、予想を細かく組み立てたい人に向いています。
一方、一部セレクト方式は自分で選ぶレースを1つ以上指定し、残りをコンピュータが自動で決定してくれるスタイルです。時間がないときや、苦手なレースを運任せにしたいときに便利です。
さらに最も手軽なのがランダム方式で、すべてのレースを自動抽出に任せるもの。
全に運試しとなりますが、意外な組み合わせで高配当を引き当てるケースもあります。
どの方式も最低購入額は50円からで、気軽に楽しめる点が魅力です。
フォーメーション購入の例
トリプル馬単を効率よく狙うなら、フォーメーション方式を活用するのがおすすめです。
これは1着または2着に軸馬を固定し、相手馬を複数選んで組み合わせる買い方です。
軸が堅いレースを見極めて絞り込めば、無駄な通り数を減らしながら高配当を狙うことができます。
ここからは、実際のフォーメーション購入例をもとに買い方を具体的に見ていきましょう。
購入例 (フォーメーション方式)
フォーメーション方式とは、1着または2着に軸となる馬を決め、相手馬を複数組み合わせて購入する方法です。
たとえば大井競馬の10R~12Rを対象に、10Rは1着3番固定で2着に5・7・9番、11Rは1着4・6番で2着8番固定、12Rは1着1・10番で2着3・5・7番を選ぶとします。
この場合、3×2×6=36通りとなり、1票10円×36通り=360円で購入できます。
軸馬がしっかり走れば効率よく的中を狙える一方、軸が崩れると一気に外れるリスクもあります。
フォーメーションは、1レースごとに絞り込みを行いながら全体のバランスを取れるため、戦略的に購入したい人に最適です。
SPAT4の画面上では「フォーメーション」ボタンを選び、1着・2着を順番に指定するだけで簡単に設定できます。

一部セレクト+ランダム購入の例
トリプル馬単には、1部のレースだけ自分で選び、残りをコンピュータに任せる一部セレクト方式もあります。
自信のあるレースは自分で予想し、苦手なレースや時間がないときは自動抽出で補うことができるのが特徴です。
運の要素も含まれますが、思わぬ組み合わせで高配当を引き当てることもあります。
ここからは、一部セレクトとランダムを併用した購入例を紹介します。
一部セレクト+ランダム購入の例
一部セレクト方式は、トリプル馬単の中でも最もバランスの取れた買い方です。
自分で予想したいレースを選び、それ以外のレースはコンピュータに自動で組み合わせを作らせる仕組みになっています。
たとえば川崎競馬の10R〜12Rを対象に、10Rだけ自分で「5→3・8」を選び、11Rと12Rをランダムで購入した場合、全体の通り数は自動抽出された組み合わせに応じて決まります。
仮に11Rが3通り、12Rが2通りなら、2×3×2=12通りで120円購入という形です。
得意なレースは自分で予想し、苦手なレースを運任せにできるのが一部セレクトの魅力です。
また、完全ランダム方式も用意されており、まったく予想せずに抽選感覚で挑戦することも可能です。
運に任せた買い方でも、思わぬ高配当を的中させた事例は多く、地方競馬ファンの間で根強い人気を誇っています。
キャリーオーバーと払戻制度
トリプル馬単には、キャリーオーバー制度と呼ばれる仕組みがあります。
これは、的中者がいない場合や払戻金が上限を超えた場合に、次回の同主催開催へ繰り越される制度です。
払戻率は70%と決まっており、1票10円に対して最大6,000万円まで受け取ることができます。
ここからは、キャリーオーバーの仕組みと具体的な払戻条件について詳しく見ていきましょう。
キャリーオーバーと払戻制度の詳細
トリプル馬単の払戻率は70%に設定されており、他の公営競技と同様に控除率 (30%) が差し引かれます。
的中者が出た場合は、1票10円あたりの配当金が発表され、当選金はSPAT4の口座に自動で振り込まれます。
1票に対する最大払戻金は6,000万円と法令で定められており、最低購入額である50円 (=5票) なら最大3億円の払い戻しが可能です。
また、的中者がいない場合や、的中金額が上限を超えた場合には、その分がキャリーオーバーとして次回の同主催開催に繰り越されます。
たとえば大井競馬でキャリーが発生した場合、その資金は次回の大井開催で上乗せされ、さらに高配当が狙える仕組みです。
このキャリー制度があることで、通常開催でも一夜にして億単位の配当が出る「夢の馬券」として注目されています。

トリプル馬単の的中確率
トリプル馬単は、地方競馬の中でも最も難易度が高い馬券のひとつです。
3レースすべてで1着と2着を順番通りに当てなければならないため、総通り数は数百万〜千万単位にのぼります。
一方で、その分だけ的中時の配当は破格で、少額投資から一気に数千万円を狙うことも可能です。
ここでは、出走頭数ごとの通り数と的中確率を具体的に見ていきましょう。
トリプル馬単の的中確率
トリプル馬単は、3レースすべてで1着と2着を順番通りに当てなければならないため、的中確率は非常に低くなります。
たとえば各レースに12頭が出走する場合、1レースの馬単通り数は12×11=132通りで、3レースでは132³=約229万通りにもなります。
14頭立てでは約603万通り、16頭立てでは驚異の約1,382万通りです。
そのため、1,000票 (1万円分) 購入しても的中確率は0.01%未満という超難関馬券となっています。
しかし、この低確率こそがトリプル馬単最大の魅力であり、少額からでも夢のような高配当を狙える要因です。
現実的には「当たらない馬券」といわれながらも、キャリーオーバー発生時には多くのファンが挑戦するロマンのある馬券です。
トリプル馬単の歴代最高配当
トリプル馬単では、これまでに数多くの高額配当が誕生しています。
なかでも2021年に記録された大井競馬での配当は、地方競馬史に残る驚異的な金額でした。
わずか10円の購入で数千万円、最低購入額の50円でも数億円に達する結果となり、多くのファンの注目を集めました。
ここからは、その歴代最高配当の詳細を紹介します。
歴代最高配当の詳細
トリプル馬単の歴代最高配当は、2021年6月10日に大井競馬場で誕生しました。
この日の払戻金は、1票 (10円) あたり45,626,033円という驚異的な金額で、最低購入額の50円 (=5票) で購入していた場合は228,130,165円もの払い戻しとなりました。
これは地方競馬全体でも前例のない高額配当であり、競馬ファンの間では「10円が2,000万円を超えた奇跡」として語り継がれています。
当日のレースはいずれも波乱決着で、3レースすべてが人気薄の組み合わせだったことが高配当の要因でした。
このように、トリプル馬単は少額投資でも夢のある馬券であり、キャリーオーバーが重なることでさらに破壊力を増します。
一夜にして人生が変わる可能性を秘めた「ロマンの馬券」として、今も多くのファンを魅了し続けています。
トリプル馬単のまとめ
トリプル馬単は、地方競馬ファンの間で“夢のくじ馬券”として知られる存在です。
対象は南関東4場とホッカイドウ競馬で、SPAT4を通じてのみ購入できるインターネット限定馬券です。
各開催日の最終3レースを対象に、1着と2着を順番通りに当てるという超高難度のルールですが、最低50円から挑戦できる手軽さも魅力です。
払戻率は70%で、キャリーオーバー制度も導入されており、運が味方すれば一夜にして3億円もの配当を得るチャンスもあります。
予想力と運の両方を試せるトリプル馬単は、地方競馬をより刺激的に楽しみたい人におすすめの馬券です。
トリプル馬単は、当てる難しさの中に無限の可能性が秘められた究極の“ロマン馬券”です。
たとえ10円でも夢を見られるのが、この馬券の最大の魅力。
次の地方開催では、あなたもその一口で奇跡の瞬間を掴んでみてはいかがでしょうか。
