競馬でよく使われる「連軸」という言葉。予想記事や買い目解説でもよく登場しますが、その意味を正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
連軸とは、馬券を組み立てる際に「この馬は2着以内に入るはず」と信頼して中心に据える馬のことです。
特に馬連や3連複、ワイドなどの連系馬券で頻繁に使われる考え方です。
この記事では、連軸の正しい意味や活用できる券種、信頼できる軸馬の選び方、そして連軸を使った実践的な馬券戦略まで、初心者にも分かりやすく解説していきます。
連軸とは?基本の定義と注意点

馬券の中心となる「軸馬」という言葉の中でも、「連軸」とは連系馬券に特化した考え方です。
しかし、すべての券種にこの言葉が当てはまるわけではありません。
まずは連軸の意味を正しく理解し、どのような場面で使われる言葉なのかを確認しておきましょう。
連軸=連対を狙うための中心馬
連軸とは、馬連や3連複、ワイドといった連系馬券において「1着か2着(または3着以内)に入る」と信頼して軸に据える馬のことを指します。
たとえば、馬連のながしで5番の馬を軸にして、他の馬との組み合わせで買うとき、この5番が連軸になります。
馬券が的中するためには、この連軸が必ず馬券圏内に入っている必要があるため、予想の核となる存在です。
「この馬は崩れないだろう」「相手探しのレース」といった場合に活躍するのが、連軸という考え方です。

単勝・3連単には当てはまりにくい
連軸という概念は、あくまで“着順にこだわらない連対重視の馬券”で活用されます。
そのため、単勝(1着限定)や3連単(1着→2着→3着の順番指定)といった着順まで固定される券種には基本的に適用されません。
こういった券種では「1着固定」や「1着軸」「頭固定」といった表現のほうが適切です。
つまり、「連軸」という言葉は、順番にこだわらずに連対を狙う買い方に特化した考え方であることを覚えておきましょう。

連軸が活用される主な券種

連軸という考え方は、どの券種にも使えるわけではありません。
特に効果を発揮するのは、着順に縛られず複数頭の入着を狙う「連系馬券」です。
ここでは、連軸が特に有効な馬連・3連複・ワイドという3つの券種について、それぞれの特徴と連軸の活用法を解説します。
馬連:最もベーシックな連軸活用券種
馬連は「1着と2着に入る2頭」を当てる券種です。
連軸として据えた馬が1着か2着に入り、そこに相手馬のどれかが一緒に連対すれば的中となります。
たとえば5番を連軸にして2・7・10番に流せば、5番が2着以内に入り、かつ2・7・10番のいずれかが連対すれば的中です。
「この馬は堅い、あとは相手探しだ」というときに、もっとも活用しやすいのが馬連の連軸ながしです。

3連複:1頭軸や2頭軸での応用が効く
3連複は「1~3着に入る馬3頭」を順不同で当てる券種です。
1頭を連軸として固定し、相手を数頭選ぶ「1頭軸ながし」や、2頭を固定する「2頭軸ながし」などがよく使われます。
3着以内に確実に入りそうな馬を軸に据えることで、広がりのある買い目でも精度を保つことができます。
中穴狙いや高配当も狙えるため、連軸戦略の中でも特に人気の高い券種です。

ワイド:安定感重視の連軸活用にも有効
ワイドは「3着以内に入った2頭の組み合わせ」が的中となる券種です。
馬連や3連複よりも難易度が低いため、連軸を使って点数を抑えた買い方にも向いています。
1頭を連軸に固定して複数の相手馬に流せば、軸と相手のどちらか2頭が3着以内に入れば的中です。
少点数で安定したリターンを狙うなら、ワイド+連軸というスタイルは非常に有効です。

連軸を選ぶ際のポイント

連軸として機能する馬は、ただの人気馬や過去に好走した馬とは限りません。
信頼できる軸馬を見抜くには、安定した実績だけでなく、当日の馬場や展開など複数の要素を総合的に判断する必要があります。
ここでは、連軸に適した馬の特徴と、具体的にどこをチェックすれば良いかを解説します。
成績が安定していて連対率が高い馬
連軸として最も重要なのは「安定感」です。
近走で掲示板を外していない、着差が小さい、どんな展開でも大崩れしないなど、堅実に走るタイプの馬は連軸向きといえます。
特に注目したいのが「連対率」(1着+2着の回数 ÷ 出走回数)の高さです。
過去の安定感が示されていれば、馬券圏内に入る可能性も自然と高くなります。
馬場・展開・枠順などの条件に強いか
どれだけ実力があっても、条件が合わないレースでは凡走することもあります。
連軸にするなら、距離実績・コース適性・馬場状態・展開の向き不向きなど、細かいファクターも確認するべきです。
たとえば、重馬場に強い血統や、逃げ・先行有利なレースで先行脚質の馬が内枠を引いているといった条件が揃えば、連軸としての信頼度はぐっと上がります。

連軸を活かした買い方の実例

連軸の考え方を理解したら、実際の馬券の買い方にどう活かすかが次のステップです。
ここでは、連軸を軸に据えた「馬連ながし」や「3連複1頭軸ながし」といった代表的な買い方を紹介します。
券種ごとの特徴を把握しながら、的中率と配当のバランスを意識して使い分けましょう。
馬連ながし:連軸+相手複数
馬連ながしは、1頭の連軸から複数の相手馬に流すシンプルで効果的な買い方です。
たとえば、5番を連軸とし、2・7・10番を相手にすれば、馬連で「5-2」「5-7」「5-10」の3点になります。
連軸が2着以内に入り、かつ相手のいずれかも連対すれば的中です。
点数を抑えながら的中率も期待できる、初心者にもおすすめの戦略です。

3連複1頭軸ながし:高配当を狙いつつ安定感も
3連複1頭軸ながしは、連軸として信頼できる馬を1頭固定し、相手に数頭を選ぶ買い方です。
たとえば、5番を連軸、相手に2・7・10・14番を選ぶと、「5-2-7」「5-2-10」「5-2-14」などの組み合わせになります。
3着以内に選択した3頭がすべて入れば的中で着順は問いません。
信頼できる連軸がいれば、高配当を狙いつつも堅実な勝負ができます。

連軸選びでありがちな失敗と対策

連軸は的中のカギを握る重要な存在ですが、軸馬選びを間違えると一気に馬券の精度が崩れてしまいます。
ここでは、連軸選びでありがちな失敗例とその対処法を紹介します。
自信のある1頭を軸に据えるからこそ、慎重に見極める目を養っておくことが大切です。
信頼できない馬を軸にしてハズす
過去の実績や人気だけを根拠に軸馬を選ぶと、条件が合わないレースで凡走するリスクがあります。
たとえば、好走続きでも今回は距離延長だったり、先行馬に不利な展開が予想される場合は、安易に軸にはできません。
「今回この馬が本当に信頼できるか?」という視点で精査することが、的中への第一歩です。
相手を広げすぎて点数が膨張
連軸に自信が持てないと、自然と相手候補が増えてしまい、気づけば買い目が20点、30点と膨れ上がることがあります。
これでは的中しても回収率が下がり、意味のない勝負になりがちです。
本当に必要な相手を絞り込むことで、少点数で効果的な馬券を組み立てることが可能になります。
まとめ:連軸を理解すれば的中率も回収率もアップ

連軸は、馬連・3連複・ワイドなどの連系馬券で的中率を高めるための大切な考え方です。
信頼できる軸馬を1頭見つけ、その馬から相手へと広げていくことで、少点数でも効率よく馬券を組み立てることができます。
連軸に向いた馬をしっかりと見極め、状況に応じた券種と買い方を選ぶことで、予想の精度も自然と上がっていくでしょう。
「まずは軸馬を決める」——それが的中への一番の近道です。