冬競馬を見ていると、出走馬の馬体重が前走からプラスになっているケースをよく見かけます。
一見すると「太ったのではないか」「仕上がりが緩いのでは」と不安に感じる人も多いでしょう。
しかし、競走馬が冬に体重を増やすのは、気温や生理的な反応、調教や飼料管理などが関係した自然な現象です。
本記事では、競走馬が冬に馬体重を増やす理由と、その増減を競馬予想でどう捉えるべきかをわかりやすく解説します。
競走馬はなぜ冬に馬体重が増えやすいのか
冬になると、多くの競走馬で馬体重が増える傾向が見られます。
これは調整ミスや太りすぎが原因ではなく、寒さに対応するための生理的な変化や、冬特有の調教・飼料管理が影響しているケースがほとんどです。
ここでは、競走馬が冬に馬体重を増やしやすくなる代表的な理由を、順を追って解説していきます。
寒さに対応するための生理的な反応
冬は気温が下がり、競走馬にとっても体温維持が重要な課題になります。
馬は恒温動物であるため、寒さにさらされると体内で熱を生み出そうとし、そのためのエネルギーを蓄えようとします。
この過程で皮下脂肪がつきやすくなり、結果として馬体重が増加しやすくなります。
これは体調不良や管理不足による変化ではなく、生き物としてごく自然な反応です。
特に牝馬や若い馬、もともと線が細いタイプの馬は、寒さの影響を受けやすく、冬場に体重が増えやすい傾向があります。
そのため、冬のプラス体重は必ずしもマイナス材料ではなく、健康状態が保たれている証拠と捉えられるケースも少なくありません。
冬毛が生えることで馬体が大きく見える
冬になると競走馬には、体温を保つための冬毛が自然と生えてきます。
毛が長く、密になることで、馬体の輪郭が太く見えやすくなり、実際の変化以上に馬体が大きくなったような印象を受けることがあります。
この視覚的な変化により、馬体重のプラスが過剰に感じられるケースも少なくありません。
また、冬毛は体重計の数値には直接大きく影響しませんが、見た目と数字の両方が重なることで「太った」という印象を持ちやすくなります。
パドックで馬体を見る際は、腹回りだけでなく、首やトモの筋肉の張り、全体のバランスを意識して確認することが大切です。
冬毛が目立っていても、筋肉の輪郭がはっきりしていれば、状態は悪くないと判断できます。

調教量が落ちやすく消費カロリーが減る
冬場は天候や馬場状態の影響を受けやすく、調教内容がやや控えめになることがあります。
凍結や雨、強風などにより、予定通りの強い負荷をかけにくくなるためです。
その結果、消費されるエネルギー量が減り、馬体重が増えやすくなります。
また、寒い時期は故障リスクを避けるため、意図的に調教強度を落とすケースもあります。
特に春の大きな目標を見据えている馬や、休み明けに近い馬は、馬体を作りながら段階的に仕上げていく調整が行われます。
この過程で体重が増えることは珍しくなく、調教内容とあわせて判断することが重要です。
飼料量や栄養価が調整される
冬は体温維持のために多くのエネルギーを消費する季節です。
そのため厩舎では、馬の体調を保つ目的で飼料量や栄養バランスを調整することがあります。
飼料を増量したり、カロリーの高い配合に切り替えたりすることで、馬体の消耗を防ぐ管理が行われます。
特に休み明けの馬や成長途上の若馬では、馬体回復や成長を優先した調整が取られやすく、意図的に馬体重を増やすケースもあります。
この場合の体重増加は、状態を立て直すための前向きな調整といえます。
馬体重の変化を見る際は、レース間隔や調教内容と合わせて評価することが欠かせません。

レース間隔が空きやすい季節である
冬競馬は番組構成の関係で、レース間隔が空きやすい時期です。
年末年始を挟むローテーションや、春の大きな目標に向けた調整過程に入る馬も多く、実戦を使う間隔が自然と広がります。
その結果、馬体の回復やリフレッシュが進み、体重が増える傾向が見られます。
間隔が空いたことで体重が増えている場合、必ずしも仕上がりが緩いとは限りません。
むしろ疲労が抜け、馬体が戻っているサインであるケースもあります。
冬場の馬体重増加は、ローテーションとセットで確認することが重要です。

冬の馬体重増は競馬予想でどう評価すべきか
冬場の馬体重増加は、数値だけを見て良し悪しを判断すると見誤りやすくなります。
重要なのは、増えた体重がどのような内容によるものなのかを見極めることです。
ここでは、冬の馬体重増がプラスに働くケースと、注意が必要なケースを整理して解説します。
好材料になりやすいケース
冬の馬体重増加が必ずしもマイナス材料になるわけではありません。
むしろ、内容次第では好走につながるケースも多く見られます。
特に、5kg前後の増加で全体のバランスが良く、筋肉の張りが目立つ場合は、状態が上向いている可能性があります。
また、返し馬やパドックでの動きがスムーズで、歩様に硬さが見られない馬は、体重が増えていても問題は少ないでしょう。
調教時計が安定しており、動きに余裕が感じられる場合も、成長分や回復分として前向きに評価できます。
冬のプラス体重は、数字よりも中身を重視する視点が重要です。
注意したいケース
冬の馬体重増加には、注意して見たいパターンもあります。
特に10kg以上の大幅な増加が見られる場合は、仕上がり途上や緩さが残っている可能性を考える必要があります。
数字の増え方が極端なときは、その理由を他の要素から確認することが重要です。
パドックで腹回りだけが目立っていたり、全体的に重たく見えたりする馬は、脂肪が増えている可能性があります。
また、返し馬で動きが鈍く、脚の運びに力強さが感じられない場合は、割り引いて考えたほうが無難です。
冬場の馬体重増は、見た目や動きと合わせて慎重に判断する必要があります。

冬の馬体重増を正しく見抜くポイント
冬場の馬体重増加を評価する際は、数値だけで判断しないことが重要です。
気温低下による生理的変化や調整過程の影響を受けやすい季節であるため、馬体重はあくまで参考情報として捉える必要があります。
実際には、パドックでの見た目や筋肉の張り、歩様の柔らかさ、返し馬での動きなどを総合的に確認することで、体重増加の中身を見極めることができます。
また、調教内容やレース間隔、過去の冬場の馬体重推移と照らし合わせることも有効です。
冬のプラス体重は成長分や回復分であるケースも多く、一概にマイナスと決めつけるべきではありません。
数字に惑わされず、複数の要素を組み合わせて判断することが、冬競馬を攻略するうえで欠かせない視点といえるでしょう。

まとめ|冬の馬体重増は自然な現象
競走馬が冬に馬体重を増やすのは、寒さに対応するための生理的反応や、調教量や飼料管理の変化、レース間隔が空きやすいことなどが影響した自然な現象です。
そのため、冬のプラス体重を一概に太りすぎや仕上がり不足と判断するのは適切ではありません。
重要なのは、増えた体重の中身を見極めることです。
数字だけで判断せず、パドックでの馬体の張りや歩様、返し馬の動き、調教内容などを総合的に確認することで、冬競馬の予想精度は大きく向上します。

