競馬ファンならずとも、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか。
「競走馬って、いったい何キロくらいの速さで走っているの?」と。
サラブレッドがゴールに向かって一直線に駆け抜ける姿は、まさに迫力満点で、その速さは、私たち人間や他の動物と比べても圧倒的です。
ですが、実際に「何キロくらい出ているのか」と聞かれると、正確に答えられる人は少ないかもしれません。
本記事では「競馬 時速何キロ」「競馬 時速 最速」「競馬 時速 何キロ」といった疑問についてまとめました。
競走馬の平均スピードから、最速記録、人間や自転車との比較まで、幅広く紹介していきます。
競走馬の時速は何キロ?平均と最速を比較

サラブレッドが全速力で走る姿は迫力満点ですが、実際にどれほどのスピードが出ているかご存じでしょうか?
ここでは、レース距離ごとの平均時速や、記録に残る最速タイムを紹介しながら、競走馬がいかに高いスピード能力を持っているのかを見ていきます。
競馬での平均時速は何キロ?
競馬において、サラブレッドが出す時速は想像以上に速く、おおよそ時速60キロ前後が平均とされています。
たとえば、2,000m戦を2分ちょうどで走破した場合、時速は60.0キロとなります。これは道路を走る車に匹敵するスピードです。
距離が長くなると、さすがに多少スピードは落ちます。特に長距離レースは最後までスタミナを切らさずに走ることが重要なので、時速はおおむね54キロほどです。
それでも非常に高いレベルのスピードを保ちながら、最後の直線での勝負に挑んでいるのです。
馬場状態や天候の影響、さらにはペースの緩急によっても時速は変動しますが、いずれにせよサラブレッドは「地上最速クラスの哺乳類」と言っても過言ではありません。
競馬の時速最速はどれくらい?
それでは、競馬における「最速」はどれほどのスピードなのでしょうか。
JRAでの芝コース最速記録のひとつに、2002年のアイビスサマーダッシュで記録された1,000m53.7秒(カルストンライトオ)があります。
このときの平均時速はおよそ67キロ、瞬間最高時速は約75キロでした。これは、JRAにおける競走馬の時速記録としては屈指の数字です。
海外に目を向けると、アメリカのクォーターホースという品種の馬が時速88.5キロで駆け抜け、最高平均時速92.6キロを記録したというデータもあります。
ただし、これはスピードに特化した品種のものなので、一般的なサラブレッドとはやや種が異なります。
つまり、通常の競馬における時速は65キロ程度。人間の運動能力では到底到達できないレベルといえるでしょう。

人間や車と比べると?競走馬の時速のすごさがわかる例

競走馬の時速は非常に速いといわれますが、では私たちの身近な存在と比べるとどれほどなのでしょうか?
ここでは、人間、自転車、車などと比較しながら、競走馬のスピードがどれだけ突出しているのかを具体的に見ていきます。
競走馬vs人間:100m走の比較
人間のスピードの頂点といえば、陸上男子100mの世界記録を持つウサイン・ボルト選手が有名です。
彼の最高時速は約44キロとされており、世界最速のスプリンターでも競走馬には及びません。
一方、サラブレッドはレース中、時速60キロを超えるスピードで走ります。
つまり、ボルト選手が全力で走っている横を、競走馬がさらに速く駆け抜けるというイメージです。
100mなら人間が10秒近くかかるところを、サラブレッドなら6秒台で駆け抜ける計算になります。
この比較だけでも、競走馬のスピードがいかに驚異的かがよく分かります。
競走馬vs自転車・車:意外なスピード差
プロのロードレーサーが競技中に出す最高時速は、短距離のスプリントで70キロ前後に達します。
ただしこれは下り坂や追い風といった条件が揃った場合の話で、平均すると40〜50キロ台が主流です。
それに対し、競走馬は短距離戦で時速65キロ前後を安定して出します。
特別な機材を必要とせず、筋肉と体幹のみでこの速度を出しているのですから、その運動性能は驚異的です。
また、時速60キロといえば一般道を走る自動車と同じくらいのスピードです。
観戦中に感じる「一瞬で駆け抜ける」迫力は、実際に道路で車が走る姿と重なるほどの速さがあるのです。
馬の脚質やコースによっても時速は変わる?

競走馬の時速は、レース距離や馬場状態だけでなく、脚質やコースの違いによっても変化します。
ここでは、逃げ馬と差し馬のスピードの出方や、芝とダートでの走破タイムの違いに注目し、競走馬のスピードにどのような影響があるのかを見ていきましょう。
逃げ馬と差し馬の時速は違う?
競馬では、馬の「脚質」によってレース中のスピードの出方が異なります。
たとえば逃げ馬はスタートから積極的に前に出て、前半からハイペースでレースを引っ張ることが多く、序盤の時速は60キロを超えることも珍しくありません。
一方で、差し馬や追い込み馬は道中はゆったりとしたペースで進み、終盤に一気に加速してゴールを目指します。
そのため、前半は時速50キロ台にとどまり、最後の直線で時速65キロ前後まで急激にスピードアップすることもあります。
このように、同じレースでも脚質によってスピードの出るタイミングが異なるため、ラップタイムの分析から「どの馬がどこでどれだけのスピードを出したか」を見るのも予想の醍醐味です。
芝とダートで時速は違う?
競馬では主に「芝コース」と「ダートコース」が使用されますが、この違いも馬の時速に大きく影響します。
一般的に、芝コースのほうが地面の反発力が強いためスピードが出やすく、時速65キロ以上に達することもあります。
一方、ダートコースは砂が深く、踏み込み時にパワーが必要になるため、芝よりも1秒前後タイムが遅くなるのが一般的です。
つまり時速に換算すると、ダートでは約55〜58キロ程度まで落ち込む傾向があります。
また、雨で芝が重くなった場合やダートが硬くなって高速馬場傾向になった場合など、天候や馬場の状態によっても時速は大きく変化するため、コンディションの見極めは非常に重要です。
競馬でのスピードがもたらすロマンと見どころ

競馬は単なる勝ち負けの競技ではなく、時速60キロ以上という驚異的なスピードが織りなすスポーツです。
そのスピード感は、スタート直後の一斉ダッシュや最後の直線での叩き合い、さらには僅差のゴール前など、観る者の心を震わせる瞬間をいくつも生み出します。
また、展開によってスピードの上がり方や脚質の活かされ方が変わるため、「どの馬がどこでどれだけ伸びるのか」という駆け引きも予想の楽しみになります。
スピードは単なる数字ではなく、レースの緊張感や感動を生み出す要素です。
競馬の醍醐味は、まさにこの速さのドラマにこそあるのです。
まとめ:競馬の時速は驚異的!身近なものと比べて実感しよう

競走馬の時速は、平均で約60キロ、最速では70キロ以上に達することもあり、これは人間や自転車、さらには一般道を走る車にも匹敵するスピードです。
その圧倒的な速さは、ただ数字で見る以上に、レースを生で観戦したときに強烈な実感を伴って迫ってきます。
馬の脚質や馬場状態によっても時速は大きく変化し、その一瞬の加速が勝敗を分けることも多々あります。
ぜひ次にレースを見るときは、馬たちがどのタイミングでスピードを上げているのかに注目してみてください。
競馬の奥深さと、サラブレッドの凄さがきっと伝わってくるはずです。