競馬中継やパドック解説では、「ハミ受けが良い」「ハミ受けが悪い」といった言葉が使われます。
ハミ受けは、馬が騎手からの扶助を受け入れ、落ち着いて走るために重要な状態です。
この記事では、競馬におけるハミ受けとは何か、悪い状態の見分け方、できない原因やコツを初心者向けに解説します。
競馬のハミ受けとは?馬が騎手の扶助を受け入れる状態
ハミ受けとは、馬が口に装着したハミを通じて、騎手からの指示を素直に受け入れている状態を指します。
ただ手綱を引いて馬の首を下げることではなく、馬がリラックスしながら前へ進む気持ちを保ち、手綱・脚・騎手の体重移動による扶助に反応できていることが大切です。
競馬では馬術ほど理想的な姿勢を求めるわけではありませんが、レース中に力まず走り、騎手の指示へ反応するための土台になります。
ハミは馬の口へ装着する馬具
ハミは馬の口にくわえさせる金属製などの馬具で、手綱とつながっています。
騎手はハミを通じて、速度を抑える、進行方向を変える、姿勢を整えるといった指示を伝えます。
ただし、ハミだけで馬を動かすわけではありません。
脚で前進を促し、騎手がバランスを保ち、手綱で適度なコンタクトを取ることで、馬は無理なく走りやすい状態になります。

ハミ受けは英語で「on the bit」と表現される
ハミ受けの状態は、英語では「on the bit」と表現されることがあります。
直訳すると「ハミに乗っている」のような意味ですが、馬がハミを受け入れ、騎手との適切なコンタクトを保っている状態を示す言葉です。
競馬では「馬がハミを取る」と表現される場合もあり、前向きさや集中力を持って走っている状態を意味します。
ただし、必要以上に行きたがる状態まで良いハミ受けとはいえないため、落ち着きとの両立が重要です。
ハミ受けが悪いとは?競馬で見られる主な仕草
ハミ受けが悪いとは、馬がハミや騎手の扶助を嫌がり、スムーズに指示を受け入れられない状態です。
馬の気性、体調、周囲の環境、騎手との呼吸など、複数の要因が重なって起こることがあります。
レース前や道中の様子を確認すると、馬の状態を判断するヒントを得られるでしょう。
頭を上げる・振る・手綱を引っ張る
ハミ受けが悪い馬は、頭を高く上げたり、左右へ振ったりすることがあります。
手綱を強く引っ張り、騎手の抑えに抵抗する仕草も代表的です。
口を開ける、舌を出す、首を硬くするなども、口元の違和感や精神的な緊張が表れている可能性があります。
ただし、一度そのような動きがあっただけで不調と断定せず、返し馬や過去のレース映像も合わせて判断しましょう。
ハミ受けが悪いと折り合いを欠きやすい
ハミ受けが悪く、騎手の指示が伝わりにくい馬は、レース中に折り合いを欠きやすくなります。
前へ行きたがって力んだ場合、序盤で余計な体力を使い、直線で末脚が鈍ることがあります。
反対に、ハミを嫌がって進まない馬は、ペースが上がった場面やコーナーでの位置取りに苦労するかもしれません。
特に距離延長のレースや、先行争いが激しくなりそうな一戦では、折り合い面を予想材料に加えたいところです。

ハミ受けができない主な原因
ハミ受けができない原因は、単純に気性が悪いからとは限りません。
馬の成長段階や身体面、調教の内容、騎手とのコミュニケーションなどを総合的に見る必要があります。
競走馬では厩舎スタッフや獣医師、調教助手などが状態を確認しながら対応します。
気性や環境による緊張
若い馬や経験の浅い馬は、競馬場の歓声、他馬との接近、初めてのコースなどに緊張しやすい傾向があります。
興奮すると周囲へ意識が向き、騎手からの指示を受け入れる余裕を失う場合があります。
テンションが高くなりやすい馬は、パドックでの周回、返し馬、発走前の様子も確認するとよいでしょう。
レース経験を重ねることで、徐々に落ち着いて走れるようになる馬もいます。

口元や体への違和感
ハミを嫌がる背景には、口の中、歯、首、背中などに違和感があるケースも考えられます。
馬具が体に合っていない場合や、疲労が残っている場合も、いつも通りの走りができません。
競走馬は専門スタッフが日常的に状態を確認しており、ファンが外見だけで原因を決めつけることは避けるべきです。
これまで問題なく走っていた馬が急に頭を上げるようになった時は、馬柱だけでは分からない変化がある可能性も意識しましょう。
ハミ受けのコツとやり方|力で受けさせないことが重要
ハミ受けのやり方で大切なのは、手綱だけで馬の形を作ろうとしないことです。
馬が自らハミを受け入れ、前後のバランスを保ちながら動ける環境を整えます。
実際の騎乗では、必ず指導者のもとで馬の性格や経験に合わせて練習してください。
脚・騎座・手綱を連動させる
ハミ受けの基本は、脚で馬を前へ促し、騎手が安定した姿勢を保ち、手綱で軽く受け止めることです。
手綱だけを強く引くと、馬は苦しさから抵抗し、頭を上げたり、ハミの後ろへ逃げたりすることがあります。
騎手の手は固定するのではなく、馬の首の動きに合わせて柔らかくコンタクトを取る意識が必要です。
乗り手の姿勢が崩れると扶助が伝わりにくくなるため、まずは自分のバランスを整えることが近道になります。
馬が受け入れたら手綱を譲る
馬がハミを受け入れ、力みが抜けた時は、騎手側も手綱の圧力を緩めることが大切です。
馬は正しく反応すると楽になることを学び、徐々に安定したコンタクトを保ちやすくなります。
手綱を細かく動かして無理に首の形だけを作ると、見た目は整っていても本来のハミ受けとはいえません。
馬の反応を待ち、良い反応が出たら譲るという積み重ねが、ハミ受けのコツです。
競馬予想でハミ受けを見る時のポイント
競馬予想では、パドックや返し馬でハミ受けを確認することがあります。
首を自然に使い、落ち着いたリズムで周回し、騎手の扶助にも素直に反応している馬は、走りに集中しやすい状態と考えられます。
一方で、気合いが乗って多少うるさく見える馬が好走することもあるため、ハミ受けだけで馬券の結論を出すべきではありません。
馬体重、発汗、歩様、過去の気性、距離適性、展開と合わせて確認し、総合的に評価しましょう。
まとめ:ハミ受けは馬と騎手の意思疎通を示す重要な要素
競馬におけるハミ受けとは、馬がハミを通じて騎手の扶助を受け入れ、落ち着いて走れている状態です。
ハミ受けが悪いと、頭を上げる、手綱へ抵抗する、折り合いを欠くといった動きにつながる場合があります。
正しいハミ受けは力で作るものではなく、馬の前進気勢、騎手の安定した姿勢、柔らかなコンタクトによって育てていくものです。
レースを見る時は、馬がハミを受けて集中できているかにも注目すると、競馬の奥深さをさらに楽しめるでしょう。

