競馬のG1とは?格付けやレース数、2024年の日程も公開

競馬の世界においてG1(ジーワン)レースとは、国際的にも最高の格付けをされたレースのことをいいます。

また、競馬が行われている各国々によっては、Group1(グループ1)もしくはGrade1(グレード1)の呼称もあります。

日本では、年間で約3,400ものレースが行われていますが、その中でも全てのホースマンが憧れるレースこそがG1レースです。

そんなG1レースは、馬主や調教師、騎手などすべての競馬関係者が、このG1レースで勝利することに夢を見ている最高峰のレースといえるでしょう。

そこで今回は、日本で行われているG1レースについて紹介するとともに、日本競馬の体系やG1レースの種類なども合わせてお伝えします。

特に競馬初心者の方は、G1レースのことが分かれば、より一層競馬の楽しみ方が増えていくと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。

この記事で分かること
  • G1レースについて分かります。
  • G1の役割について分かります。
  • 中央競馬のG1レースを紹介しています。
  • 春のG1と秋のG1の役割を解説しています。
  • クラシックレースについて紹介しています。
  • 春古馬三冠と秋古馬三冠の意味が分かります。
目次

G1の役割について

まず、競馬のG1レースとは、賞金が高くて最も格式あるものです。

1984年にグレード制が導入されて以来、賞金の高い順にG1、G2、G3と分かれています。

この3つを重賞レースと呼び、オープン特別などの一般レースよりも賞金が高額なので、その分強い競走馬たちが揃います。

また、基本的に競走馬を管理する厩舎は、G1に勝つことを目指し、G1に勝った牡馬は、引退後、種牡馬として供用されるチャンスが広がります。

それだけG1レースに勝つことは、名誉でもあり、後世に語られるレースといえますね。

G1やG2などの格付けについて

次にレースのクラス分けについて説明します。

2歳馬が出走する「新馬戦」は、毎年6月にはじまり、年が明けて3歳の2月頃まで行われ、新馬戦に1度負けると「未勝利戦」に出走することになります。なお、2003年までは2度まで出走可能でした。

未勝利戦は、3歳の8月下旬から9月初旬頃まで行われ、それまでに1着になれなかった場合、出走するレースがなくなるため、地方競馬に移籍したり、そのまま引退し乗馬の道に進むことになります。

また、新馬戦および未勝利戦を勝ち上がると「1勝クラス」に出走することができ、そこでも勝利すれば、次は「2勝クラス」さらに勝ち上がれば「3勝クラス」に出走といった具合にレースの格が上がっていきます。

ちなみに2019年以前は、収得賞金額でクラス分けされていたので、現在の1勝クラスは500万円以下、2勝クラスは1,000万円以下、3勝クラスは1,600万円以下と呼ばれていました。

そして、オープン入りすると「オープン特別」や「リステッド競走」そして「G3・G2・G1」の重賞レースに出走できるようになります。

以下の表を参考にしてみてください。

レースの格詳 細
G1・G2・G3グレード(G)は格という意味で、いわゆる重賞競走のこと
リステッド重賞に次ぐレースとして、2019年に導入された
オープン特別3勝クラスを勝ち上がった競走馬が主に出走するレース
1勝・2勝・3勝クラス勝ち星を積み重ねていき、オープンクラスを目指す
新馬・未勝利競走馬のデビュー戦が新馬戦。敗れると未勝利戦に臨む

なお、JRAにおける年間総レース数、約3,400のうち、G1レースは障害競走2レースを含み26レースしかありません。

また、G2レースは、G1レースの前哨戦として組み込まれていることが多く、なかにはG1よりも長い歴史を誇るレースがあるのも特徴です。

さらにG3レースは、グレード競走の中でもっともレース数が多く、賞金を加算したい競走馬が集うために激戦となりやすく、波乱も起きやすいのもG3の特性だといえます。

そして、上のクラスになるほど、レースの格が高くなり、オープン特別以上のクラスにいる競走馬は、全体の数パーセントとなっています。

2024年時点で開催されている中央競馬のG1(J・G1も含む)一覧

次に2024年時点、JRAで行われているG1レースおよび障害G1レースを一覧にしました。

開催日レース名競馬場性齢コース
02月18日フェブラリーステークス東京4歳以上ダ1,600メートル
03月24日高松宮記念中京4歳以上芝1,200メートル
03月31日大阪杯阪神4歳以上芝2,000メートル
04月07日桜花賞阪神3歳牝芝1,600メートル
04月13日中山グランドジャンプ中山4歳以上障4,250メートル
04月14日皐月賞中山3歳牡・牝芝2,000メートル
04月28日天皇賞・春京都4歳以上芝3,200メートル
05月05日NHKマイルカップ東京3歳牡・牝芝1,600メートル
05月12日ヴィクトリアマイル東京4歳以上牝芝1,600メートル
05月19日オークス東京3歳牝芝2,400メートル
05月26日日本ダービー東京3歳牡・牝芝2,400メートル
06月02日安田記念東京3歳以上芝1,600メートル
06月23日宝塚記念京都3歳以上芝2,200メートル
09月29日スプリンターズステークス中山3歳以上芝1,200メートル
10月13日秋華賞京都3歳牝芝2,000メートル
10月20日菊花賞京都3歳牡・牝芝3,000メートル
10月27日天皇賞・秋東京3歳以上芝2,000メートル
11月10日エリザベス女王杯京都3歳以上牝芝2,200メートル
11月17日マイルチャンピオンシップ京都3歳以上芝1,600メートル
11月24日ジャパンカップ東京3歳以上芝2,400メートル
12月01日チャンピオンズカップ中京3歳以上ダ1,800メートル
12月08日阪神ジュベナイルフィリーズ京都2歳牝芝1,600メートル
12月15日朝日杯フューチュリティステークス京都2歳牡・牝芝1,600メートル
12月21日中山大障害中山3歳以上障4,100メートル
12月22日有馬記念中山3歳以上芝2,500メートル
12月28日ホープフルステークス中山2歳牡・牝芝2,000メートル

※開催日および開催競馬場については、2024年に施行されたものです。

現時点で日本国内で行われているG1レースは、前述の通り、平地で24レース、障害で2レースとなっています。

改めて、表をみますとG1レース数は、凄く多いようにも感じますが、年間で見ますと全体の1%も満たないレース数ですので、やはりG1レースは狭き門となりますね。

春と秋〜冬のG1レースの対比とは?

続いては、春競馬と秋競馬のG1レースの対比について説明します。

まずは、以下の表をご覧ください。

呼称春のG1レース秋のG1レース条件
ダートフェブラリーステークスチャンピオンズカップダート戦
スプリント高松宮記念スプリンターズステークス芝1,200メートル
中距離大阪杯天皇賞・秋芝2,000メートル
牝馬ヴィクトリアマイルエリザベス女王杯古馬牝馬限定
マイル安田記念マイルチャンピオンシップ芝1,600メートル
グランプリ宝塚記念有馬記念ファン投票対象

表をみていただくと、春競馬と秋競馬での同条件レースを対比していることがお分かりかと思います。たとえば、同じ年の高松宮記念とスプリンターズステークスを同一の競走馬が制した場合、春秋スプリント王と称されます。

このように春競馬や秋競馬単体だけではなく、真のスプリント王を決める意味でも年間を通じて戦いが繰り広げられるところも競馬の醍醐味といったところでしょう。

クラシックレースと牝馬三冠(三冠牝馬)は何か

G1レースの中には、クラシックレースというものがあり、3歳世代しか出走することができません。

これは、競馬発祥の地でもあるイギリスのクラシック競走を模範としており、日本では、皐月賞・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞・桜花賞・優駿牝馬(オークス)の5つになります。

これらは、三冠レースとして、G1レースの中でも特に注目度が高いレースです。

そして、競走馬を管理する厩舎陣営は、まず、クラシックに出走することを目標としています。

ちなみに、牝馬三冠レースの最終戦となる「秋華賞」ですが、これはクラシックに入りません。それは、イギリスでは、3歳の牝馬限定クラシック競走がないからです。

よって、”牝馬クラシック三冠”などと表記されることがありますが、前述の通り、秋華賞はクラシック競走に分類されませんので、正しくは”牝馬三冠”となります。

地方競馬のJpn1競走や障害レースのJ.G1とはなにか。また、G1との違いについて

続いては、地方競馬で行われるG1レースについて説明します。

まずは、2024年時点で開催されている地方競馬のJpn1競走一覧をご覧ください。

開催日レース名競馬場性齢コース
04月03日川崎記念川崎4歳以上ダ2,100メートル
04月24日羽田盃大井3歳牡・牝ダ1,800メートル
05月01日かしわ記念船橋4歳以上ダ1,600メートル
06月05日東京ダービー大井3歳牡・牝ダ2,000メートル
06月19日さきたま杯浦和4歳以上ダ1,400メートル
06月26日帝王賞大井4歳以上ダ2,000メートル
10月02日ジャパンダートクラシック大井3歳牡・牝ダ2,000メートル
10月14日マイルチャンピオンシップ南部杯盛岡3歳以上ダ1,600メートル
11月04日JBCレディスクラシック佐賀3歳以上牝ダ1,860メートル
11月04日JBCスプリント佐賀3歳以上ダ1,400メートル
11月04日JBCクラシック佐賀3歳以上ダ2,000メートル
12月11日全日本2歳優駿川崎2歳牡・牝ダ1,600メートル
12月29日東京大賞典大井3歳以上ダ2,000メートル

表をみていただくと、お分かりかと思いますが、地方競馬のG1レースは、Jpn1と表記されています。

「これって、JRAのG1レースと違うのでは?」と思われた方もいると思いますが、実はそうではありません。

これは、国際競馬で国際格付け番組企画諮問委員会(以下IRPACと略)の認定を受けているか、いないかの違いです。

よって、「G1」は、IRPACの認定を受けた最高格付けの競走であり、「Jpn1」は、IRPACの認定を受けていないが、JRAが単独または他組織と共に認定した最高格付けの競走となります。

要するに呼び方は違いますが、日本国内において、Jpn1レースは、G1レースとして位置付けが同じです。

また、JG1は、障害レースのG1レースを表記したもので、Jはジャンプを略していますので、JG1と表記されていれば、障害レースのG1のことだと思ってください。

春古馬三冠と秋古馬三冠とは?

最後に春古馬三冠と秋古馬三冠について説明します。

春古馬三冠馬とは、春の古馬中長距離レースである大阪杯・天皇賞・春・宝塚記念の3つを同一年で制した競走馬に与えられる称号です。

2017年に大阪杯がG1へ昇格したタイミングで、そういわれるようになりましたが、呼称については、JRAが正式に提示しているものではありません。よって、クラシック三冠馬などと違い、あくまでも通称名となります。

しかし、この3つのレースを同一年で制すると賞金ボーナスとして、2億円支給される取り組みになっていますので、春古馬三冠というのは主催者側から認められているが、呼称だけが正式ではないということです。

ちなみにキタサンブラックが、2017年の大阪杯と天皇賞・春を制し、制度が開始された初年度に達成するかと思われましたが、宝塚記念でサトノクラウンに敗れ惜しくも達成なりませんでした。

よって、2024年時点で春古馬三冠に輝いた競走馬は存在しません。

続いて、秋古馬三冠馬とは、JRAが主催する天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念の3レースをすべて同一年に制覇した競走馬に与えられる称号です。

ただし、3歳の牡馬・牝馬三冠馬と違い、春古馬三冠馬と同じく正式名称ではなく、こちらも通称名となります。

そんな秋古馬三冠は、日本競馬の歴史上、これまで達成した競走馬は、テイエムオペラオーとゼンノロブロイの2頭だけです。

生涯に1度しか出走できない3歳牡馬・牝馬三冠と違って、秋古馬三冠レースは3歳以上の古馬なら、引退するまで何度でも挑戦が可能となっているのにもかかわらず、わずか2頭だけです。

それだけ、春古馬三冠と同じく、秋古馬三冠を達成することが、いかに難しいかってことですよね。

まとめ

今回は、競馬のG1レースについて紹介しました。

日本で1年間に生まれるサラブレットの数は約7,000頭といわれています。その中の一握りが、G1という最高峰のタイトルを手にすることができ、そこに至るまで馬主や調教師、騎手などの関係者の努力によって、我々競馬ファンが楽しむことができているのだと実感します。

これから始まる秋競馬のG1レースに出走する競走馬たちには、改めて感謝したいですね。

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