競馬の世界には、G1レースへとつながる「トライアル競走」と呼ばれる重要なレースがあります。
トライアルとは、本番前の“試験”のようなもので、優秀な成績を収めた馬にはG1への出走権が与えられるケースもあります。
また、競走馬にとっては仕上がり具合を確認し、適性を見極める場としても重要な役割を果たします。
本記事では、トライアル競走の仕組みや意味を詳しく解説し、中央競馬で実施されるトライアルレースの一覧も紹介します。これを読めば、G1への道のりがより深く理解できるはずです!
競馬のトライアルレースとは?意味や仕組みをわかりやすく解説

競馬におけるトライアル競走とは、本番となるG1レースへ向けた前哨戦のことを指します。
特にクラシックレースを目指す馬にとっては、賞金だけでなく優先出走権を獲得するチャンスがあるため、重要な意味を持ちます。また、競走馬の状態を確認し、適性を見極める場としても活用されることが多いです。
ここでは、トライアル競走の意味や仕組みを詳しく解説していきます。
トライアルとは試験や予想という意味
競馬における「トライアル(Trial)」とは、その名の通り試験やテストの意味を持つ言葉です。
クラシックレースに直結する重要な一戦であり、競走馬の実力を測る場としても機能します。
また、トライアルレースは仕上がり具合やコース適性を確認する目的で使われることが多いです。
トライアルでの走り次第では、陣営が次に向かうレースを変更することもあり、競走馬の進路を左右する大事なレースとなります。

G1レースの優先出走権が得られるレース
トライアル競走は、クラシックレースやG1競走の出走を確実にするための「優先出走権」が与えられます。
この優先出走権を得ることで、賞金順での出走ボーダーに関係なく本番に駒を進めることが可能になります。例えば、皐月賞のトライアルであるスプリングステークス(G2)では、3着以内に入ると皐月賞への出走権が確保されます。
この制度により、全ての馬がG1に出走できるチャンスが広がるのです。
競馬のトライアルレースの目的とは?本番に向けた重要な役割について

G1レースへの登竜門となるトライアル競走は、単に優先出走権を争うだけでなく、競走馬の成長や実力を試す場としても重要な役割を持っています。
本番での好成績を目指すために、調整レースとして活用されることも多く、陣営は馬の仕上がりや適性を見極める場としても位置づけています。
ここでは、トライアル競走が果たす主な目的を詳しく解説していきます。
G1出走のための優先出走権が得られるレース
トライアル競走の最大の特徴の一つは、G1レースへの優先出走権を獲得できる点です。
優先出走権とは、収得賞金問わず出走できる権利のことで、賞金が明らかに不足している馬でも優先出走権を得てしまえばG1レースに出走できるので、全ての馬にチャンスが生まれます。
例えば、皐月賞トライアルのスプリングステークス(G2)や弥生賞ディープインパクト記念(G2)では、3着以内の馬に皐月賞の優先出走権が与えられます。
同様に、ダービーや菊花賞などほかの3歳限定G1へ向かう馬にとっても、それぞれのトライアル競走は重要な意味を持ちます。優先出走権の仕組みは、競走馬の適性や実力を測るだけでなく、レース選択の幅を広げる役割も果たしているのです。
本番に向けた調整としての活用
トライアル競走は、単なる「予選」ではなく、G1へ向けた調整レースとして活用されるケースも多くあります。馬はレースを重ねることで状態を上げることができるため、実戦を通じて仕上がりを確認することが重要です。
また、馬によってはトライアルを使わずにG1へ直行するケースもありますが、レース経験を積みながら徐々にコンディションを整えたい陣営にとっては、トライアル競走は絶好の調整機会になります。
また、チューリップ賞と桜花賞、弥生賞ディープインパクト記念と皐月賞のように、本番と同じ距離やコースで行われるレースもあります。そのため、レース適性を確認する場としても有効です。
競走馬の適性や状態を見極める舞台
トライアル競走は、馬の状態やレース適性を測るための大切な指標になります。
同じ距離・条件で戦う本番レースに向けて、馬がどの程度対応できるのかを試す場としても機能します。
例えば、中距離のレースに出走している馬が、トライアルの結果次第でマイル路線への転向を決めることもあります。弥生賞やスプリングステークスで距離適性に不安が見られた場合、皐月賞ではなくNHKマイルカップを目指すことも珍しくありません。また、スタートやレース運びの課題を本番前に確認する意味でも、トライアル競走の結果は重要視されます。
馬の適性や状態を知ることで、陣営は最適なローテーションを組み、本番での最高のパフォーマンスを引き出そうとするのです。
【最新】中央競馬のトライアルレースの一覧

中央競馬のトライアル競走は下記の通りです。
G1競走 | トライアル競走 | 優先出走権の条件 |
---|---|---|
皐月賞 | 弥生賞ディープインパクト記念(G2) | 3着以内 |
スプリングステークス(G2) | ||
若葉ステークスステークス(L) | 2着以内 | |
日本ダービー | 皐月賞(G1) | 5着以内 |
青葉賞(G2) | 2着以内 | |
プリンシパルステークス(L) | 1着 | |
菊花賞 | セントライト記念(G2) | 3着以内 |
神戸新聞杯(G2) | ||
桜花賞 | チューリップ賞(G2) | 3着以内 |
フィリーズレビュー(G2) | ||
アネモネステークス(L) | 2着以内 | |
オークス | 桜花賞(G1) | 5着以内 |
フローラステークス(G2) | 2着以内 | |
スイートピーステークス(L) | 1着 | |
秋華賞 | 紫苑ステークス(G2) | 3着以内 |
ローズステークス(G2) | ||
NHKマイルカップ | チャーチルダウンズカップ(G3) | 3着以内 |
ニュージーランドトロフィー(G2) |
古馬の優先出走権が得られるレースはトライアルレースに該当しない
競馬では、3歳馬を対象としたクラシックレース(皐月賞や日本ダービーなど)には、トライアル競走が設定されています。
一方で、古馬(4歳以上)を対象としたレースには、G1への優先出走権が得られる競走はあるものの、それらは「トライアル競走」とは分類されません。
例えば、天皇賞(秋)の前哨戦である毎日王冠(G2)やオールカマー(G2)、京都大賞典(G2)の勝ち馬には優先出走権が与えられるものの、正式なトライアルとは呼ばれません。古馬G1への道は、トライアルではなく「前哨戦」や「ステップレース」として扱われます。
意味合いはトライアル競走と同じですが、名称が違う点は覚えておきたいです。
競馬のトライアルレースの重要性

トライアルレースは、G1を目指す競走馬にとって欠かせない存在です。
本番に向けた調整や実力試しの場として機能し、優先出走権を得られるレースも少なくありません。
また、馬の仕上がり具合や距離適性を確認できるため、陣営にとっても戦略を立てるうえで重要な要素となります。
それでは、トライアルレースを経た馬が本番でどのような成績を残しているのかを見ていきましょう。
トライアルレースを使った馬はG1で好走しやすい?
トライアルレースを使った馬がG1で好成績を収めるケースは多く見られます。
特にクラシック競走や秋のG1戦線では、トライアルで好走した馬が本番でも上位に入る傾向があります。
例えば、クラシック最終戦の菊花賞は、ぶっつけで挑むよりも前哨戦である神戸新聞杯やセントライト記念を使っている馬のほうが好走率が高いです。
また、トライアルを使うことで実戦経験を積み、馬の状態を最適に仕上げられる点もメリットです。
さらに、トライアルの結果を踏まえて騎手や調教師が戦略を練ることができるため、本番でのパフォーマンス向上につながる場合も多いです。
ただし、近年はトライアルを使わずにG1へ直行する馬も増えています。詳しくは次の見出しで解説します。
トライアルを使わずにG1を目指す馬も増えてきた
近年、トライアルレースを使わずにG1へ直行する馬が増えています。その代表的な例が、アーモンドアイやイクイノックスです。
アーモンドアイは、クラシックシーズンに向けたトライアルレースを使わず、桜花賞(G1)へぶっつけで挑み、見事に勝利しました。
イクイノックスも、2022年の天皇賞(秋)をトライアルなしで制覇し、その後のG1戦線でも圧倒的なパフォーマンスを見せました。
こうした直行ローテーションが増えている背景には、馬のコンディション管理の向上があります。トライアルレースを使うことで疲労が蓄積し、怪我のリスクが高まるため、外厩でじっくりと仕上げる方が安全かつ効果的な調整方法と考えられるようになりました。
特に、近年の外厩施設はレースさながらの環境で調教できるため、トライアルを使うのと同じレベルの仕上がりを実現できるようになっています。
このように、トライアルを使うかどうかは馬の適性や陣営の方針によって決まりますが、近年は「ぶっつけ本番」でもG1を制する馬が増えているのが特徴です。
今後も、どのようなローテーションがG1制覇への近道となるのか、競馬ファンとして注目していきたいですね。

競馬のトライアルレースのまとめ

トライアルレースは、G1に向けた重要な前哨戦として機能し、優先出走権を得られるレースも多く存在します。
本番へ向けた調整や適性確認の場としても活用され、G1で好走する馬の多くがトライアルを経ています。
一方で、近年はトライアルを使わずに直行する馬も増えており、外厩での調整が重要視される傾向にあります。トライアルを使うか否かは競走馬や陣営の判断次第ですが、その選択がG1の結果を左右することも少なくありません。
今後の競馬予想では、トライアルレースの結果や直行ローテの傾向をしっかりと分析し、本番での好走馬を見極めることが重要になります。
トライアルを使った馬と直行馬、それぞれの強みを理解しながら、G1への道のりを楽しみましょう!