基本的に競馬の予想は、出馬表に目を通し、これまでの実績や騎乗する騎手や斤量、さらにはその日の馬場状態などを参考に馬券を購入するかと思います。
しかし、それらをまったく度外視して予想する方法があります。それがサイン馬券(世相馬券)と呼ばれるものです。
サイン馬券とは、データ予想やレース展開を考慮した予想よりも何かのサインから連想されるものを基に予想し馬券を購入します。
しっかりと予想をして馬券を購入する方からすれば、そのような運任せで的中するほど競馬は甘くないと思うかも知れません。
しかし、これまでサイン馬券はとても偶然とは思えないような的中実例が数多く存在するのです。
そこで今回はサイン馬券について紹介していきたいと思います。
さらにサイン馬券の予想方法や過去の的中実例なども併せてご紹介させていただきますので、ぜひ最後までご高覧ください。
競馬のサイン馬券とは?

まずは、サイン馬券について、詳しく説明します。
サイン馬券とは、その年の世相や大きな話題となったニュースなど、そこから連想される数字や名前などを根拠に馬券を予想することです。
たとえば、まだ記憶に新しい方も多いと思いますが、2023年のプロ野球では、38年ぶりに阪神タイガースが日本一に輝きました。
そこからキーワードとして生まれたのが、38年=枠連3-8というサイン馬券です。
その年の有馬記念(G1)を見てみると、1着だった武豊騎手騎乗の2番人気ドウデュースが3枠5番。2着はC.ルメール騎手騎乗の7番人気スターズオンアースが8枠16番でピッタリと当てはまりました。

(出典:2023年 有馬記念 JRA)
このように予想されるのが、サイン馬券です。特に有馬記念はその年の総決算であることから、よくサイン馬券が使われることも競馬において1つの風物詩になっていますね。
サイン馬券の予想方法とは?
次にサイン馬券の予想方法について、いくつか紹介します。
まず、1番分かりやすいのが、その日の日付を基にして予想することでしょうか。たとえば、10日とテンハッピーローズといった日付の10と馬名のテンを連想させたり、日付と枠番を関連させるなどが挙げられます。
次に記念日や季節柄なども1つのサイン馬券になります。これは記念日やその時の季節から連想される競走馬名や馬主などで予想するものです。
たとえば、季節が春なら「春」や「桜」が付く名前の競走馬や馬主などが該当しますね。さらに関係者の誕生日や冠婚葬祭なども記念日や季節柄と同じ考え方として、サイン馬券に連想されることもあります。
また、サイン馬券として、もっとも取り上げられるのが、時事ネタや世相です。
これは、先ほどにお伝えしましたが、その時の世相や時事ネタから連想される番号を基にサイン馬券にする方法です。たとえば、大きな事件が起こった日付やそれに関連する名前などが連想されます。
あとは、競馬場にゲストとして来場した芸能人や著名人もサイン馬券の対象として、上記の誕生日や記念日などから連想されることもありますね。
そして、自分自身の誕生日や記念日などをサイン馬券で購入する方も多く見られます。
これは、自分自身の回りで最近あった大きな出来事を数字や競走馬名を連想したり、恋人や家族の誕生日、自家用車のナンバープレート、会社の設立記念日など様々なことがサイン馬券として連想されています。
サイン馬券の実例5選
ここからは、実際にあったサイン馬券の実例を5つ紹介していきます。
まずは、サイン馬券として、もっとも有名とされているのが、2001年のアメリカ同時多発テロ事件です。
これは、悲惨な出来事だったために不謹慎という理由から、当時はサイン馬券としては、あまり持ち上げられることは少なかったのですが、その年の有馬記念では、3番人気のマンハッタンカフェが優勝し、2着には13番人気のアメリカンボスが入るという結果になりました。

(出典:JRAホームページ|データファイル|競走成績データ)
この2頭が、アメリカ・ニューヨーク市の地区名であるマンハッタンとアメリカンボスのアメリカンが、サインだったとされています。
次にサイン馬券の中でも有名なのが、2014年の日本ダービー(G1)です。
このレースで優勝したワンアンドオンリーは、前々走の弥生賞(G1)で2着、前走の皐月賞(G1)でも4着となかなか勝ちきれませんでした。しかし、日本ダービーでは3番人気に支持されると、これまでになかった積極策でレースを進め、最後の直線では皐月賞馬のイスラボニータを交わし見事、ダービー馬に輝きました。
これだけだと、どこがサイン馬券なのかと思ってしまいますが、実はワンアンドオンリーが生まれたのが2011年2月23日で、ワンアンドオンリーに騎乗した横山典弘騎手も1968年2月23日と誕生日が同じだったのです。
さらにワンアンドオンリーの馬主である前田幸治氏も1949年2月23日生まれ、そして、その時に東京競馬場で観戦されていた現在の天皇陛下の誕生日も1960年2月23日と見逃せないサインが揃っていました。
これはなかなか見つけることができないサイン馬券かも知れませんが、このような点からサイン馬券は生まれるのですね。
続いては、2012年の有馬記念です。
その年の漢字は「金」が選ばれましたが、サイン馬券としては、金=ゴールドの付いた競走馬が優勝するのではないかと数多くの記事やニュースが取り上げられました。そして、優勝したのがゴールドシップだったのです。
また、2016年も今年の漢字として「金」が選ばれ、4年前の再現があるのではないかと、この年の有馬記念も「ゴールド」というサインが大きな話題となって取り上げられました。
しかし、優勝したのはサトノダイヤモンドだったため、金ではなくダイヤモンドだったと後の祭り状態にはなりましたが、それでも3着には、ゴールドアクターが馬券圏内に入ったことでサイン馬券恐るべしとなりましたね。
4つ目にご紹介するのは、先ほどお伝えしました有名人や著名人などから連想するパターンです。2010年の有馬記念でプレゼンターとして来場したのは当時の横綱、白鵬関でした。
そして、サイン馬券となったのは横綱・白鵬『白』です。このレースで優勝したのが、1枠1番に入ったヴィクトワールピサでした。しかもヴィクトワールピサの血統に目を向けると、母の馬名がホワイトウォーターアフェア。
これで白鵬関から連想し、1枠の白、母馬のホワイトと白色に所縁ある競走馬が優勝したことでサイン馬券につながったのです。
最後の5つ目も有名人、著名人に関するサイン馬券ですが、2014年の有馬記念に来賓として招かれたのは、プロ野球の人気入団の1つ東京読売ジャイアンツの終身名誉監督、長嶋茂雄氏でした。
長嶋氏の誕生日は1936年2月20日で、このレースに優勝したジェンティルドンナも2009年2月20日と同じ誕生日のサインが隠されていたわけです。
サイン馬券のまとめ

今回は、サイン馬券(世相馬券)について、ご紹介しました。
ここまでお読みになってくださった方は、何となくサイン馬券は難しいと感じられているのではないでしょうか。また、サイン馬券は基本的に後付け論になることが多いため、圧倒的なヒラメキがない限り、普通に予想したほうが良いかも知れません。
それでもサイン馬券を取り入れている方は意外に多く、的中した場合、超難問の謎解きを解いたような快感になると聞きます。
確かにサインを紐解き的中させることは、データ予想やレース展開予想とは違った別の喜びがありそうですよね。もし、予想に迷った時など、サイン馬券を試してみるのも良いかも知れません。