例年、日本ダービーが終わると競馬はひと段落しますが、すぐに新たなイベントが始まります。
それが、2歳新馬の開幕です。
新馬戦では、将来の競馬界を担うなホープが続々とデビューします。
また、新馬戦の時期になると、新種牡馬の産駒やPOG(ペーパーオーナーゲーム)といった話題も盛り上がります。
ダービーの余韻に浸る間もなく、新馬戦が開催されるため、競馬にオフシーズンはありませんね。
ところで、2025年の新馬戦がいつから開催されるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では2025年の新馬戦の開催日や今年の新種牡馬、さらにPOGの注目馬について解説します!
2025年の新馬戦はいつから始まる?

中央競馬における新馬戦はいつから開催されるのでしょうか。
最初に、2025年度の新馬戦の開催時期といつまで続くのか紹介します。
2025年の中央競馬の新馬戦は6月7日から開催
2025年の新馬戦は6月7日の土曜日から開催されます。
7日の週は東京と阪神の2開催となっており、翌週からは函館も加わります。
早くに生まれて既にレースに出走できる馬が続々とデビューするので、楽しみですね。

2025年の新馬戦はいつまで続く?
2025年6月の時点で現2歳馬の新馬戦がいつまで続くか確定していません。
ただ、2025年時点の3歳馬の3歳新馬戦は、2月の4週目(2月22日と2月23日)まで続いていました。
ここ数年は2月で新馬戦が切り上げられていたので、2025年時点の2歳馬も新馬戦に挑めるチャンスは2月までとなると予測できます。
なお、それ以降にデビューした馬は未勝利戦でデビューする形になります。
門別競馬(地方)の新馬戦スケジュール
少し話は脱線しますが、地方競馬の門別競馬場では、中央競馬より約2か月前倒しで新馬戦が開催されました。
門別競馬場は日本有数の馬産地である北海道の日高地方にある競馬場ということで、地理的に生産牧場と結びつきが強いです。
輸送負担を最小限に抑えられることかr、門別は中央・地方問わず全国に先駆けてデビューする産駒が多いのが特徴です。
2025年にデビューする有力新種牡馬10頭

新馬戦というと将来活躍するであろう若駒を見定める一戦として注目されますが、同じくらい注目されるのが新種牡馬の産駒の走りです。
今年も例年通り注目度の高い新種牡馬の仔が多数デビューを果たします。
ここからは、2025年に産駒が初めてデビューする新種牡馬について解説します。
コントレイル

生年月日 | 2017年4月1日 |
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父 | ディープインパクト |
母 | ロードクロサイト |
母父 | Unbridled’s Song |
生産牧場 | ノースヒルズ |
戦績 | 11戦8勝 |
主な勝ち鞍 | ホープフルステークス(G1) 2019年 皐月賞(G1) 2020年 日本ダービー(G1) 2020年 菊花賞(G1) 2020年 ジャパンカップ(G1) 2021年 神戸新聞杯(G2) 2020年 東京スポーツ杯2歳ステークス(G2) 2019年 |
2025年の産駒数 | 130頭 |
今年の大注目は三冠馬のコントレイルです。
デビューから崩れない走りで史上初となる父仔無敗の三冠制覇を成し遂げました。
古馬になってからは黒星も見られましたが、それでも安定した走りを見せ、引退レースとなった4歳のジャパンカップも危なげなく優勝しました。
癖の強い有馬記念には出走していないので父ディープインパクトほどオールラウンダーな印象はありませんが、それでも堅実なパフォーマンスでキャリアを重ね、ポストディープインパクトとしての地位は築けています。
引退後はディープインパクトの後継として注目を集め、リバティアイランドの母であるヤンキーローズやキタサンブラックの母シュガーハートなど、有力馬を輩出している繁殖牝馬と交配しました。
それ以外にもストレイトガールやソウルスターリングといった牝馬とも交配しており、優秀な交配相手に恵まれています。
産駒がどのような形でデビューするのか楽しみです。
クリソベリル

生年月日 | 2016年2月10日 |
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父 | ゴールドアリュール |
母 | クリソプレーズ |
母父 | エルコンドルパサー |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 11戦8勝 |
主な勝ち鞍 | チャンピオンズカップ(G1) 2019年 ジャパンダートダービー(Jpn1) 2019年 帝王賞(Jpn1) 2020年 JBCクラシック(Jpn1) 2020年 兵庫チャンピオンシップ(Jpn2) 2019年 日本テレビ盃(Jpn2) 2019年 |
2025年の産駒数 | 110頭 |
ダートで活躍したクリソベリルの産駒も今年からデビューします。
現役時代は常に安定した走りを見せており、G1級レースを4勝しました。
堅実な走りで健闘したことで、種牡馬としても注目され、初年度産駒は110頭も輩出しています。
もっとも、父ゴールドアリュール産駒はコパノリッキーやスマートファルコン、ゴールドドリームなど、強豪が集結しているので、種牡馬としての今後は産駒の活躍次第といえるでしょう。
ダノンスマッシュ

生年月日 | 2015年3月6日 |
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父 | ロードカナロア |
母 | スピニングワイルドキャット |
母父 | ハードスパン |
生産牧場 | ケイアイファーム |
戦績 | 26戦11勝 |
主な勝ち鞍 | 香港スプリント(G1) 2020年 高松宮記念(G1) 2021年 京王杯スプリングカップ(G2) 2020年 セントウルステークス(G2) 2020年 京成杯(G3) 2018年 シルクロードステークス(G3) 2019年 キーンランドカップ(G3) 2019年 オーシャンステークス(G3) 2020年 |
2025年の産駒数 | 106頭 |
ダノンスマッシュは短距離で結果を残した馬です。
父ロードカナロア同様短距離をメインに使われ、2020年の香港スプリントでは日本馬にとって凱旋門賞よりも鬼門といわれるレースを優勝し、ロードカナロア以来となる日本馬の快挙を成し遂げました。
晩年は衰えも見られましたが、それでも短距離なら競馬場問わず活躍しており、短距離界の中心として活躍しました。
引退後はサンデーサイレンスの血が入っていないにもかかわらず、父ロードカナロアほど種付け料が高くなかったことから満口となり、2025年時点で106頭の産駒に恵まれています。

ダノンプレミアム

生年月日 | 2015年4月3日 |
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父 | ディープインパクト |
母 | インディアナギャル |
母父 | Intikhad |
生産牧場 | ケイアイファーム |
戦績 | 12戦6勝 |
主な勝ち鞍 | 朝日杯FS(G1) 2017年 弥生賞(G2) 2018年 金鯱賞(G2) 2019年 マイラーズカップ(G2) 2019年 サウジアラビアロイヤルカップ(G3) 2017年 |
2025年の産駒数 | 94頭 |
ダノンスマッシュと同期のダノンプレミアムは2再の時から素質を開花し、世代の中心になり得た馬です。
皐月賞トライアルの弥生賞ではのちのダービー馬であるワグネリアン相手に完勝し、クラシックの注目候補でしたが挫跖のために回避してからは王道ローテが崩れます。
怪我明けのダービーでも6着に敗れ、クラシックを棒に振ることになりましたが、古馬初戦に挑んだ金鯱賞ではのちのグランプリホースであるリスグラシュー相手に快勝し、素質の高さを見えました。
しかしながら、その後はマイル路線を選択したものの勝ち切れず、翌5歳も目立たずに引退しています。
もしも3歳の時に挫跖がなければもっと大成できたかもしれません。
もっとも、若いころの活躍は多くの人が認めておいる上、田植え付け料も120万円と安価だったことから交配数には恵まれました。

ミスチヴィアスアレックス
生年月日 | 2017年2月28日 |
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父 | Into Mischief |
母 | White Pants Night |
母父 | Speightstown |
生産国 | アメリカ |
戦績 | 15戦7勝 |
主な勝ち鞍 | カーターハンデキャップ(G1) 2021年 ガルフストリームPスプリントステークス(G3) 2021年 ゴーサムステークス(G3) 2020年 スウェイルステークス(G3) 2020年 |
2025年の産駒数 | 88頭 |
ミスチヴィアスアレックスはアメリカの競走馬で、現役時代はカーターハンデキャップというダートの短距離レースで5馬身差の勝利をつかみました。
血統面でみると、父Into Mischiefは6年連続で北米リーディングに輝いた馬なので、その仔ということで注目を集めることでしょう。
種付け料も120万円と手ごろだったことから中小牧場を中心に交配数に恵まれました。
マテラスカイ

生年月日 | 2014年3月18日 |
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父 | Speightstown |
母 | Mostaqeleh |
母父 | Rahy |
生産牧場 | アメリカ |
戦績 | 22戦6勝 |
主な勝ち鞍 | プロキオンステークス(G3) 2018年 クラスターカップ(Jpn3) 2020年 |
2025年の産駒数 | 83頭 |
マテラスカイは短距離ダートで活躍した馬です。
主な重賞勝ち鞍はG3級のものしかありませんが、勝利したこの2戦はどちらもレコードで勝ち切っており、快速ダート馬として頭角を表しました。
海外でも結果を残しており、ドバイの最強短距離ダート馬を決めるリヤドダートスプリントでも2着入りしています。
2024年の6月に結腸捻転のために亡くなりましたが、多くの産駒に恵まれたので、今後マテラスカイを超える快速馬の誕生に注目したいです。
ベンバトル
生年月日 | 2014年2月15日 |
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父 | Dobawi |
母 | Nahrain |
母父 | Selkirk |
生産国 | イギリス |
戦績 | 25戦11勝 |
主な勝ち鞍 | ドバイターフ(G1) 2018年 ダルマイヤー大賞(G1) 2018年 コーフィールドステークス(G1) 2018年 アルラシディヤ(G2) 2018年 シングスピールステークス(G2) 2019年 ジョエルステークス(G2) 2019・2021年 アルマクトゥームチャレンジR2(G2) 2019年 ハンプトンコートステークス(G3) 2017年 シングスピールステークス(G3) 2018年 |
2025年の産駒数 | 74頭 |
ベンバトルはイギリスの競走馬で、2018年のドバイターフでは日本のヴィブロスやリアルスティール、ディアドラ相手に完勝した馬です。
最終的にG1レースを3勝し、引退後は日本のビッグレッドファームで種牡馬入りしました。
種牡馬入りしてからは、タイトルホルダーやメロディーレーンの母として知られるメーヴェと交配しています。
スタミナの豊富な馬が誕生するのか、注目したいです。
インディチャンプ

生年月日 | 2015年2月21日 |
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父 | ステイゴールド |
母 | ウィルパワー |
母父 | キングカメハメハ |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 23戦8勝 |
主な勝ち鞍 | 安田記念(G1) 2019年 マイルチャンピオンシップ(G1) 2019年 マイラーズカップ(G2) 2020年 東京新聞杯(G3) 2019年 |
2025年の産駒数 | 67頭 |
インディチャンプは2019年の安田記念とマイルチャンピオンシップを勝利した春秋マイル王です。
ステイゴールド産駒にしては珍しく、純マイラーとして活躍し、常に安定した走りを見せていました。
父ステイゴールド譲りの丈夫さも健在で、晩年は勝ち切れなかったものの、大きく崩れることもなく引退しています。
引退後はレガレイラやドゥラドーレスの母であるロカなど、優秀な牝馬と交配していますが、受胎率に難があるようなので、数少ない産駒の活躍に期待したいです。
キセキ

生年月日 | 2014年5月13日 |
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父 | ルーラーシップ |
母 | ブリッツフィナーレ |
母父 | ディープインパクト |
生産牧場 | 下河辺牧場 |
戦績 | 33戦4勝 |
主な勝ち鞍 | 菊花賞(G1) 2017年 |
2025年の産駒数 | 49頭 |
ルーラーシップの代表産駒であるキセキの仔も今年からデビューします。
2017年の菊花賞の勝ち馬ですが、古馬になってからは逃げ+中距離に適性を変えるとその才能が開花しました。
主な重賞勝ち鞍は菊花賞のみでしたが、G1レースにおける2着は4回もあり、シルバーコレクターとしての地位を確立しています。
晩年は勝ち切れませんでしたが、それでもレースメイカーとして多くのファンに愛されました。
引退後はポストルーラーシップとして無事に種牡馬入りしましたが、キングカメハメハ系統はライバルが多いので、その中でどこまで台頭できるか、産駒の活躍に期待がかかります。
ダノンキングリー

生年月日 | 2016年3月25日 |
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父 | ディープインパクト |
母 | マイグッドネス |
母父 | Storm Cat |
生産牧場 | 三嶋牧場 |
戦績 | 14戦6勝 |
主な勝ち鞍 | 安田記念(G1) 2021年 毎日王冠(G2) 2019年 中山記念(G2) 2020年 共同通信杯(G3) 2019年 |
2025年の産駒数 | 44頭 |
ダノンキングリーは2021年の安田記念の勝ち馬です。
クラシックでは惜しくも勝ち星に届きませんでしたが、2021年の安田記念では当時最強クラスのマイラーだったグランアレグリアを差し切って優勝しました。
グランアレグリアに勝利した点や血統背景から、無事に種牡馬入りしています。
ただ、父ディープインパクト×母父Storm Catはキズナやリアルスティールなど、ライバルも多いのでその中で産駒がどこまで台頭できるかが課題となるでしょう。
POG2025で注目される2歳馬の特徴

今年も新馬戦が始まるということで、POG界隈でも話題を見せています。
特に今年は現役時代に活躍したコントレイルを筆頭に、層の厚い産駒が揃いました。
ここからは、POGにおける2歳馬の特徴について解説します。
コントレイル産駒の評判と人気傾向
三冠馬コントレイルの初年度産駒は、デビュー前から注目を集めています。
父ディープインパクトの後継者は近年キズナがようやく台頭しつつありますが、確固たる馬が不在です。
その影響もあって、コントレイル産駒は注目度が高く、現役時代の活躍も後押しして有力な繁殖牝馬に恵まれました。
母方が良血であるほど人気するのは間違いないですし、初年度から中距離で活躍するようでしたらホープフルステークスやクラシックにおける活躍にも期待できそうです。
ダート系新種牡馬の注目ポイント
2025年のダート新種牡馬は全体的にスピード型の馬が多そうです。
例えば、クリソベリルは中距離ダートで活躍していましたが、その父ゴールドアリュールはスピードに定評のあるサンデーサイレンス系の馬です。
その他にもマテラスカイやミスチヴィアスアレックスも短距離ダートで活躍した馬なので、スピードに強い産駒の登場に期待が高まります。
2025年の新馬のまとめ

2025年の新馬戦は、6月7日(土)から中央競馬でスタートします。
日本ダービーが終わったばかりのタイミングですが、競馬界はすでに次世代のスター候補たちの戦いへと移行しています。
今年はコントレイルやクリソベリルをはじめとする注目の新種牡馬の産駒が多数デビュー予定で、芝・ダートともに新たな血の流れが生まれる年になるでしょう。
また、POGファンにとっても見逃せないシーズンです。クラシックを目指す芝の良血馬だけでなく、ダート路線で即戦力となる馬の動向にも注目が集まります。
地方の門別競馬場ではすでに新馬戦が始まっており、中央に先駆けたデビューもチェックしておきたいポイントです。
競馬にオフシーズンはありません。今年も新馬戦を通して、多くのドラマと可能性が生まれることでしょう。