2025年の競馬シーズンを振り返る中で、「今年の年度代表馬は誰になるのか」「そもそも年度代表馬はいつ決まるのか」と気になっている競馬ファンは多いはずです。
年度代表馬は、その年の競馬界を最も象徴した1頭に贈られる称号であり、毎年さまざまな議論が巻き起こります。
2025年は特に、有力候補が複数存在する混戦模様です。
クラシック路線で結果を残した馬、古馬戦線で安定した成績を挙げた馬に加え、海外ダート路線で圧倒的な存在感を示したフォーエバーヤングの評価も大きな注目を集めています。
この記事では、2025年の年度代表馬はいつ決まるのかという基本情報から、有力候補馬の顔ぶれ、そしてフォーエバーヤングが年度代表馬になれるのかというポイントまで、わかりやすく整理して解説していきます。
年度代表馬争いの背景を知ることで、2025年の競馬をより深く楽しめるはずです。
年度代表馬とは?2025年も注目される理由
年度代表馬とは、その年の競馬界を最も象徴した競走馬に贈られる、JRA賞の中でも特別な称号です。
単にG1を多く勝った馬が選ばれるわけではなく、成績の質やインパクト、競馬界全体に与えた影響まで含めて総合的に評価されます。
2025年はクラシック路線、古馬中距離路線、さらには海外ダート路線まで有力馬が分散しており、例年以上に評価が割れやすい年といえるでしょう。
まずは、年度代表馬がどのような賞なのか、その意味や決まり方から整理していきます。
年度代表馬の意味と位置づけ
年度代表馬とは、日本中央競馬会が表彰するJRA賞の中で、その年の競馬界を最も象徴した1頭に贈られる称号です。
世代別や距離別に設けられている最優秀馬の各部門とは異なり、年度代表馬はそれらの評価を総合したうえで選出されます。
そのため、G1の勝利数だけでなく、勝ったレースの格や内容、競馬ファンやメディアに与えたインパクトまで含めて判断される点が大きな特徴です。
年度代表馬は、いわば日本競馬の「年間MVP」にあたる存在であり、受賞馬はその年を代表する名馬として長く語り継がれていきます。

年度代表馬はいつ決まる?
年度代表馬は、毎年決まるタイミングがほぼ決まっている賞です。
対象となるのは1月1日から12月31日までの成績で、年末に行われるすべてのレースが終了した後、記者投票によって選考が行われます。
投票は年末から年明けにかけて実施され、その結果を受けて、例年1月上旬に日本中央競馬会から正式に発表されます。
そのため、2025年の年度代表馬も、年末のビッグレースを踏まえたうえで評価が固まり、2026年1月上旬に決定・公表される流れとなります。

2025年の年度代表馬候補一覧
2025年の年度代表馬争いは、例年以上に候補が分散しているのが大きな特徴です。
クラシック路線で結果を残した馬、古馬戦線で安定した成績を積み重ねた馬、さらには海外で圧倒的なパフォーマンスを見せた馬まで、評価軸が一つに絞りにくい年となっています。
そのため、どの馬が「2025年の競馬を最も象徴した存在」と見なされるのかは、立場や視点によって意見が分かれやすい状況です。
ここでは、2025年の年度代表馬候補として名前が挙がる馬たちを取り上げ、それぞれの功績や評価ポイントを整理していきます。
フォーエバーヤング

| 生年月日 | 2021年2月24日 |
|---|---|
| 性別 | 牡 |
| 父 | リアルスティール |
| 母 | フォエヴァーダーリング |
| 母父 | Congrats |
| 生産牧場 | ノーザンファーム |
| 戦績 | 13戦10勝 |
| 主な勝ち鞍 | BCクラシック(G1) 2025年 サウジC(G1) 2025年 東京大賞典(G1) 2024年 ジャーパンダートC(Jpn1) 2024年 全日本2歳優駿(Jpn1) 2023年 UAEダービー(G2) 2024年 日本テレビ盃(Jpn2) 2025年 サウジダービー(G3) 2023年 JBC2歳優駿(Jpn3) 2023年 |
| 獲得賞金 | 29億9,350万4,900円 |
フォーエバーヤングは、日本生産の競走馬で牡馬、2021年2月24日生まれです。
父はリアルスティール、調教師は矢作芳人氏、馬主は藤田晋氏が務めています。
デビュー以来、13戦10勝の戦績を誇り、全日本2歳優駿やジャパンダートクラシック、東京大賞典など国内で重賞制覇を重ねました。
2025年はサウジカップやブリーダーズカップ・クラシックを制し、日本調教馬として初めてBCクラシックを勝利するなど世界レベルでも実績を残しています。
通算獲得賞金は約29億9,350万円に達し、海外G1を含む活躍から年度代表馬候補として注目されています。
ミュージアムマイル

| 生年月日 | 2022年1月10日 |
|---|---|
| 性別 | 牡 |
| 父 | リオンディーズ |
| 母 | ミュージアムヒル |
| 母父 | ハーツクライ |
| 生産牧場 | ノーザンファーム |
| 戦績 | 10戦5勝 |
| 主な勝ち鞍 | 有馬記念(G1) 2025年 皐月賞(G1) 2025年 セントライト記念(G2) 2025年 |
| 獲得賞金 | 9億6,179万9,000円 |
ミュージアムマイルは、日本の競走馬で、2022年1月10日生まれの牡馬です。
父はリオンディーズ、母はミュージアムヒル、調教師は高柳大輔氏、馬主はサンデーレーシングが務めています。
2025年はクラシック戦線で活躍し、皐月賞(G1)を制覇したほか、セントライト記念(G2)勝利や天皇賞(秋)2着、年末の有馬記念(G1)でも結果を残すなど、中山競馬場の芝中距離路線で活躍しました。
ただし、ダービーでは6着に敗れているように、歴代の名馬と比較して常に安定しているわけではありません。
マスカレードボール

| 生年月日 | 2022年3月2日 |
|---|---|
| 性別 | 牡 |
| 父 | ドゥラメンテ |
| 母 | マスクオフ |
| 母父 | ディープインパクト |
| 生産牧場 | 社台ファーム |
| 戦績 | 8戦4勝 |
| 主な勝ち鞍 | 天皇賞(秋)(G1) 2025年 共同通信杯(G3) 2023年 |
| 獲得賞金 | 7億5,169万円 |
マスカレードボールは、2022年3月2日生まれの日本の競走馬で、父にドゥラメンテ、母の父にディープインパクトを持つ血統馬です。
2025年は共同通信杯をはじめ重賞で活躍し、天皇賞(秋)ではG1初制覇を飾るなど芝中距離路線の主役として注目を集めています。
2025年のジャパンカップでは欧州最強馬と評価されるカランダガンにクビ差の2着に食い下がる好走を見せ、欧州の年度代表馬級との力量差がほとんどないことを示しました。
ホープフルステークスでは11着に敗れたものの、このレースは2024年のものなので参考外と考えるなら、2025年の年度代表馬候補として、安定した実績と高い評価を背景に名前が挙がる存在です。
ジャンタルマンタル

| 生年月日 | 2021年3月21日 |
|---|---|
| 性別 | 牡 |
| 父 | Palace Malice |
| 母 | インディアマントゥアナ |
| 母父 | Wilburn |
| 生産牧場 | 社台ファーム |
| 戦績 | 10戦6勝 |
| 主な勝ち鞍 | 安田記念(G1) 2025年 マイルチャンピオンシップ(G1) 2025年 NHKマイルカップ(G1) 2024年 朝日杯FS(G1) 2023年 デイリー杯2歳S(G2) 2023年 |
| 獲得賞金 | 7億1,249万8,000円 |
ジャンタルマンタルは2021年3月21日生まれの日本の競走馬で、社台レースホース生産・所有、調教師は高野友和氏が務めています。
2025年は芝マイル路線の絶対王者として注目され、NHKマイルカップ・安田記念・マイルチャンピオンシップなど、牡馬が出走できる国内マイルG1すべてを制覇するという歴史的快挙を達成しました。
2025年度は3戦しか走っていませんが、安田記念とマイルチャンピオンシップで春秋マイルG1制覇を果たし、質の高い成績を残しています。
これまでの戦績は10戦6勝で、2023年にはJRA賞・最優秀2歳牡馬にも選ばれています。
2025年は質の高い成績を残しており、中距離有力候補と比較しても安定した結果を残していることから年度代表馬候補として名前が挙がる存在です。
クロワデュノール

| 生年月日 | 2022年3月21日 |
|---|---|
| 性別 | 牡 |
| 父 | キタサンブラック |
| 母 | ライジングクロス |
| 母父 | Cape Cross |
| 生産牧場 | ノーザンファーム |
| 戦績 | 8戦5勝 |
| 主な勝ち鞍 | 日本ダービー(G1) 2025年 ホープフルS(G1) 2024年 東京スポーツ杯2歳S(G2) 2024年 プランスドランジュ賞(G3) 2025年 |
| 獲得賞金 | 6億1,345万6,600円 |
クロワデュノールは2022年1月12日生まれの日本の競走馬で、父はドレフォン、母の父はディープインパクト、調教師は斉藤崇史氏、馬主はキャロットファームが務めています。
2025年は日本ダービー(G1)を制覇し、クラシック路線の頂点に立った実績から年度代表馬候補として注目を集めています。
ただし、凱旋門賞では大敗に終わり、帰国後のジャパンカップ(G1)でも4着と、古馬中距離のビッグタイトルでは結果を残せませんでした。
特に下半期は、同じクラシック世代や古馬と比較すると成績にやや精彩を欠いており、芝トップレベルの実績を誇るマスカレードボールやミュージアムマイルと比べると勢いの面でやや劣る印象です。
それでもダービー馬として強烈な1勝があり、評価の分かれる1頭でもあります。
年度代表馬に選出される3つの条件
年度代表馬は、単にG1を勝った数だけで決まる賞ではありません。
その年の競馬界をどれだけ強く印象づけたか、年間を通してどのような存在だったかが総合的に評価されます。
ここでは、過去の受賞馬の傾向から見えてくる「年度代表馬に選ばれやすい3つの条件」を整理します。
同年の競馬で突き抜けた功績がある
年度代表馬に選出されるうえで最も重要なのが、その年の競馬界に強烈なインパクトを残したかどうかです。
単にG1を勝ったという事実だけでなく、「その年を象徴する出来事だったか」「記録や記憶に残る走りだったか」が大きな判断材料になります。
代表的な例が、アーモンドアイです。2018年のジャパンカップでは世界レコードを樹立し、国内外にその名を強く印象づけました。
このように、年度代表馬に求められるのは勝利の数以上に、競馬ファンや関係者の記憶に残る“象徴的な実績”を残しているかどうかであり、その年を振り返ったときに真っ先に思い浮かぶ存在であることが重要になります。
シーズンを通して安定した成績を残している
年度代表馬に選ばれるためには、一時的な活躍だけでなく、シーズンを通して高いレベルの成績を維持しているかも重要な条件になります。
春だけ、あるいは秋だけ目立つ存在ではなく、1年を通じて主役であり続けた馬ほど評価されやすい傾向があります。
その代表例が、ディープインパクトやモーリスです。いずれもG1を複数勝利するだけでなく、出走するたびに安定して上位争いを演じ、負ける場面がほとんどありませんでした。
年度代表馬は「最も強かった馬」であると同時に、「最も信頼できた馬」であることが求められます。
年間を通して崩れない安定感は、選考において非常に大きな評価ポイントとなるのです。
芝の中〜長距離路線が中心になりやすい
年度代表馬の選考では、芝の中~長距離路線で活躍した馬が中心になりやすい傾向があります。
その理由は、クラシック三冠や天皇賞、有馬記念、ジャパンカップといった評価軸となるビッグレースの多くが、芝の中~長距離で行われているためです。
一方で、スプリンターのロードカナロアや、マイラーのモーリス、タイキシャトルが年度代表馬に選出されたケースもありますが、いずれも圧倒的なG1実績と歴史的評価を伴った例外的存在といえます。
このように、短距離・マイル路線の馬が年度代表馬に選ばれることは珍しく、基本的には芝の中~長距離で競馬界を牽引した馬が有利になる傾向があります。
フォーエバーヤングは年度代表馬になれる?疑問視される2つの理由
ここまで見てきた「年度代表馬に選出されやすい条件」を踏まえると、2025年の最有力候補として名前が挙がるフォーエバーヤングは、少し特殊な立ち位置にいることが分かります。
海外ダート路線で世界的な実績を残し、日本競馬史に残る活躍をしている一方で、過去の年度代表馬の傾向とは異なる点も少なくありません。
そのため、フォーエバーヤングが年度代表馬に選ばれるかどうかについては、評価が割れやすく、慎重な見方をする声も存在します。
ここでは、フォーエバーヤングが年度代表馬になるうえで「疑問視されがちな2つの理由」について整理していきます。
歴代年度代表馬にダート馬がいないという壁
フォーエバーヤングが年度代表馬として疑問視される最大の理由が、これまでダート馬が一度も年度代表馬に選ばれていないという事実です。
JRA賞として年度代表馬が設けられた1987年以降、受賞馬はいずれも芝レースで大きな功績を残した馬ばかりで、ダート路線の馬は対象になっていません。
これはダート馬の評価が低いというよりも、クラシック三冠や天皇賞、有馬記念といった「競馬界を象徴するビッグレース」が芝の中~長距離に集中していることが大きな要因です。
そのため、どれほどダートで世界的な実績を残しても、従来の年度代表馬の評価軸とは異なる立場に置かれやすく、フォーエバーヤングもその歴史的な壁に挑む存在といえるでしょう。
2025年はJRAレース未出走という評価ポイント
フォーエバーヤングが年度代表馬として議論を呼ぶもう一つの理由が、JRAのレースに出走していない点です。
同馬は2023年の新馬戦以降、出走の舞台を海外競馬や地方競馬に移しており、中央競馬(JRA)のレースには出走していません。
年度代表馬は日本中央競馬会が主催するJRA賞の最上位に位置づけられる賞であるため、「JRAのレースでどのような実績を残したか」が評価の軸になりやすいのは事実です。
実際、2024年のJRA賞・最優秀ダートホースの投票では、フォーエバーヤングは96票を集めたものの、160票を獲得したレモンポップが受賞しています。
この結果からも、JRA主催レースへの出走実績が選考に一定の影響を与えていることがうかがえます。
一方で、フォーエバーヤングはJRA特別賞(2024年)を受賞しており、中央競馬の枠を超えた功績そのものは高く評価されています。
また、JRA未出走だからといって年度代表馬の可能性が完全に否定されるわけではありません。
1999年には、エルコンドルパサーが同年にJRAのレースへ出走していないにもかかわらず、年度代表馬に選出された前例があります。
フォーエバーヤングがこの例に続けるかどうかは、従来の評価基準を超える存在として認められるかが大きな焦点となりそうです。
2025年の年度代表馬が発表!年度代表馬はフォーエバーヤング!
※2026年1月6日追記
2025年度のJRA賞が発表され、年度代表馬にはフォーエバーヤングが選出されました。
総投票数248票のうち226票を獲得する圧倒的な支持を集め、ダート馬として史上初の年度代表馬となっています。
フォーエバーヤングは、日本調教馬として初めてブリーダーズカップ・クラシックを制覇した名馬です。
この歴史的快挙が評価され、最優秀4歳以上牡馬、最優秀ダートホースも同時に受賞し、JRA賞3冠を達成しました。
そのほか、2歳部門ではカヴァレリッツォとスターアニス、3歳部門ではミュージアムマイルとエンブロイダリーが受賞しています。
また、最優秀スプリンターにはサトノレーヴ、最優秀マイラーにはジャンタルマンタルが選出されました。
フォーエバーヤングの受賞は、日本競馬におけるダート路線の価値を大きく押し上げる象徴的な出来事といえるでしょう。
まとめ|2025年の年度代表馬は混戦必至の中で歴史的決着
2025年の年度代表馬争いは、例年以上に評価が分かれる難しい年でした。
芝のクラシック路線や古馬中距離路線で実績を残した馬が複数いた一方で、海外ダート路線で圧倒的な結果を残したフォーエバーヤングの存在が、従来の評価基準に大きな問いを投げかけました。
実際、歴代の年度代表馬にダート馬が選ばれてこなかったことや、フォーエバーヤングが2025年にJRA主催レースへ出走していない点など、選考上の課題が指摘されていたのも事実です。
最優秀ダートホースの投票傾向を見ても、国内実績を重視する評価基準が根強いことは否定できません。
しかしその一方で、フォーエバーヤングは世界最高峰の舞台であるブリーダーズカップ・クラシックを制覇し、日本競馬の存在感を国際的に示しました。
この実績は、単なる海外遠征の成功にとどまらず、日本調教馬のダートレベルが世界基準に達していることを証明する快挙といえます。
年度代表馬は「最も強かった馬」であると同時に、「その年の競馬を最も象徴した馬」に与えられる賞です。
そうした観点に立てば、選考上の課題を抱えつつも、2025年の競馬界を語るうえでフォーエバーヤングが中心的存在であったことは間違いありません。
結果として、ダート馬として史上初の年度代表馬に選出されたフォーエバーヤングは、日本競馬の価値観を一段階押し広げた存在として、2025年を象徴する1頭になったといえるでしょう。

