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夏競馬の変則開催とは?JRAが導入した暑熱対策について徹底解説!

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2024年に試験的に行われた夏の暑熱対策は、2025年も引き続き行われます。

それどころか、2025年度は前年よりもさらに拡大して行われることが決定しました。

過去、夏季の競走時間帯拡大期間としては、2004年から2010年に各競馬場において、異なる競走開始時間帯を遅らせる薄暮開催の実施はありました。

しかし、今回のような早朝と薄暮の拡大開催は2024年度に初めて行われ、2025年以降も定着する可能性が高いです。

そこで今回は、夏の変則開催について詳しく説明していきたいと思います。

また、今回の変則開催によって、テレビ中継や地方競馬への影響なども合わせて紹介しますので、ぜひ最後までお楽しみください。

目次

夏競馬の変則開催とは?

夏競馬の変則開催とは?の見出し

まず、冒頭にお伝えした期間内において、夏競馬は基本的に3場開催となりますが、2024年は札幌競馬と新潟競馬との2場開催で試験的に行われました。

2025年度は例年通りの3馬場ですが、新潟と中京で変則開催が実施されます。

そして、暑熱対策として、昼間に休止時間を設ける形で新潟と中京競馬の発走時刻は以下の通り変更します。

レース中京の発走時刻新潟の発走時刻
1R9時35分9時45分
5R11時40分11時50分
6R(準メイン)15時00分15時10分
7R(メイン競走)15時35分15時45分
12R18時15分18時25分

表を見ていただくと、お分かりかと思いますが、第5レース終了後、3時間弱の休止時間を経て、準メイン競走は第6レース、続く第7レースがメイン競走となっています。

よって、準メインレースおよびメインレースの時間帯は、これまでと変更はありません。ただ、レース番号に大きな変化がありますので、特にマークシートで馬券を購入する際は、注意が必要です。

また、メインレースを終えた後に、一般レースが4、5レース続くということになるのも新しい感覚となりそうです。

次に同期間内開催の札幌競馬場では、第1レースが9時55分に行われ、11時30分発走の第4レース後の昼休みなども含め、通常通りの間隔でレースが行われます。

そして、メインレースもこれまでと変わらず、15時25分の発走で最終第12レースが16時00分の発走予定となっています。

また、この変則開催に伴い、WIN5対象レースにも少し変化がみられます。

7月27日と8月3日、8月10日の3開催は1レース目が中京6レースとなり、2レース目は新潟6レース。3レース目が札幌の第11レースで、4レース目が中京の第7レース、最後の5レース目が新潟7レースの順で行われます。

8月17日の札幌記念実施日は1レース目が新潟6レースで、2レース目が札幌10レース、3レース目が中京7レースで、4レース目が新潟7レース、そして5レース目に札幌11レースが来ます。

WIN5の場合はレース番号ミスはあまり聞きませんが、念のため頭に入れておきたいです。

夏競馬の変則開催はテレビ中継に影響を及ぼす?

今回の夏の変則開催にて、気になるもう1つの点は、地上波やグリーンチャンネルといったBS放送などのレース中継が考えられます。

しかし、4週間の期間で従来の地上波やBS放送の枠を移動することは、現実的に考えにくいです。また、前述しました通り、中京や新潟の準メインレースおよびメインレースは、レース順が変わるものの例年通りの時間帯に発走となるため、特に影響はないかと思われます。

ただ、同時開催の札幌競馬には、タイムスケジュールの変更がありませんので、新潟競馬休止の時間帯に関しては、札幌競馬専門チャンネルのような番組構成が組まれるかも知れません。

地方競馬への影響は?

次に夏の変則開催によって、同日開催の地方競馬にも大きな影響を及ぼす可能性があると考えられます。

これは、JRAと地方競馬の開催時間帯が重なった場合、パイの取り合いが生じるからです。

中京・新潟競馬に休止時間が設けられる一方で札幌競馬では、通常のタイムスケジュールで施行されます。しかし、札幌・新潟の全体枠でみますと、JRAの開催時間帯が拡がることになりますので、地方競馬開催時間帯との重複も拡大される形となります。

現状では、16時30分頃にJRAの全てのレース終了後、引き続き競馬を楽しみたい競馬ファンの動向として、地方競馬に移る流れが多いです。

ただ、今回の18時30分までといった変則開催になることで地方競馬の単独時間帯が2時間ほど狭まりますので、地方競馬にとっては痛手になるかも知れません。

とりあえず、2024年は4日間のみの施行となりましたが、その効果も見込まれて2025年以降は拡大となりました。

2025年度のスケジュールに関しては大きな変化はありませんでしたが、今後、さらなる酷暑対策が拡大する際は地方馬とのスケジュールの見直しが行われる可能性は高いでしょう。

JRAのナイター開催は?

最後に暑熱対策をさらに拡大して施行すると考えた場合、JRAがナイター開催に移行する可能性について考察しました。

1985年6月まで日本の競馬法には『開催時間帯を日没までとする』といった規程が存在しました。ところが、競馬法の範疇からはその規程が削除されたことで、大井競馬場が1986年からナイター開催を実施するようになりました。

その一方で、JRAの内部規程には『開催を日没までとする』といったものが、引き続き存在していました。そのため、JRAにとっては、日没いわゆる16時30分頃を目途に開催を終了させる根拠となっていました。

しかし、2022年10月にその規程は削除され、一部改正となっています。

こちらが、日本中央競馬会競馬施行規程の内訳です。

条項内容
競走の数等第68条競走の数は、1日につき12以内とし、日出から日没までの間に行う。
競走の数第68条競走の数は、1日につき12以内とする。
※JRAホームページ「JRA関係法令等」から引用

これは、今回の暑熱対策を施行するために規程変更したと考えられますが、その結果、規程上でもJRA側は、ナイターでも開催が可能となったと考えられます。

仮にJRAでナイター開催が施行された場合、今回の暑熱対策については、さらに酷暑時間帯を避けられるため、これが大きなメリットになりそうです。

また、馬券購入者の視点から考えると、朝昼に用事を済ませて、夜に在宅投票といった形で楽しめるかも知れません。

ただ、ナイター開催となれば、現地での観戦客が帰路につく時間帯が遅くなるため、公共交通機関による対応が求められることになると考えられます。

そうなると、地方競馬に比べても現地観戦がとても多いJRAにとっては、大きな課題となりそうです。

また、地上波やBS放送などのテレビ中継もナイター競走になることで放送枠といった根本的な改革が必要になってくると思われます。

その他にも競走馬の輸送時間の変更や翌日に他場騎乗する場合の騎手の移動、調教の時間帯など、これらを踏まえると様々な弊害が多くなりそうです。

さらに、JRAがナイター開催を施行するとなれば、土日開催の地方競馬にとっても抜本的な改革が必要とされるでしょう。

もちろん、ナイター整備の投資も必要になりますし、一筋縄にはいかないのが実情ですl。

そう考えますと、競馬関係者だけではなく、様々な方面にも大きな影響が及ぶことが想定されるだけに、やはり昼はJRA、夜は地方競馬といった現行の形を崩さない方が良いのかも知れませんね。

夏競馬の変則開催のまとめ

夏競馬の変則開催のまとめの見出し

今回は、夏の変則開催について紹介しました。

2024年は、新潟競馬のみの変則開催の施行となりましたが、この初めての取り組みによる影響がどれくらい生じたのかを踏まえ、また、暑熱対策の観点から夏の変則開催の拡大は、さらに検討される可能性が大いにあります。

いずれにしましても、JRAには、人馬ともにより安全で安心な取り組み方法をしっかりと考案していただき、競馬ファンにさらなる夢と感動を与える競馬運営を目指してほしいですね。

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