競馬では様々な名称が付けられた特別レースが開催されますが、その中にはフェブラリーステークスのように月名が付けられたレースもあります。
当記事では毎年開催されている英語の月名が付けられたレースをまとめました。
※当記事は2024年から2025年の情報をまとめています。
英語の月名が付けられた10のレース
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ジャニュアリーステークス
グレード | OP |
開催競馬場 | 中山競馬場 |
コース | ダート1,200m |
出走条件 | 4歳以上 |
負担重量 | 別定 |
1着賞金 | 2,200万円 |
ジャニュアリーステークスは1月上旬に開催されるレースです。
開催時期は基本的に1月の上旬から中旬にかけてでかつては1,600万下(現在の3勝クラス)で開催されていましたが、2009年以降はオープン戦に昇格しています。
オープン昇級後は負担重量がころころ変わっていますが、2025年度は別定で開催されました。
年明け初戦に開催される短距離ダート戦ということで、オープンレースで結果を掴もうとしている馬や、オープン上がり立ての馬が多数参戦し、年始の中山競馬を盛り上げていますよ。
フェブラリーステークス
グレード | G1 |
開催競馬場 | 東京競馬場 |
コース | ダート1,600m |
出走条件 | 4歳以上 |
負担重量 | 定量 |
1着賞金 | 1億2,000万円 |
フェブラリーステークスは東京競馬場で開催されるダート1,600mのG1競走です。
英語の月名が付けられているレースの中で唯一G1レースに指定されているフェブラリーステークスは上半期の最強ダート馬を決める一戦に指定されています。
また、中央競馬で最初に開催されるG1レースということで、多くの競馬ファンが注目します。
しかしながら、舞台となる東京ダート1,600mは芝スタートのワンターンコースで、向こう正面とスタンド前の直線が長い舞台です。
また、中央競馬でダート1,600mのコースが設けられているのは東京競馬場だけなので、実力だけではなく距離適性も問われやすいです。
上半期最強馬を決める一戦にしてはクセの強いコースなので、過去の戦績から舞台適性がかみ合うか見抜くことが大切ですよ。
なお、2020年にサウジアラビアで創設されたサウジカップ(ダート1,800m)は世界中のレースの中でもっとも賞金額が高いレースに指定されています。
そのため、近年はサウジカップを選択する馬も増えており、同時期に開催されるフェブラリーステークスの出走レベルが少し低下しつつあります。
マーチステークス
グレード | G3 |
開催競馬場 | 中山競馬場 |
コース | ダート1,800m |
出走条件 | 4歳以上 |
負担重量 | ハンデ |
1着賞金 | 3,800万円 |
マーチステークスは中山競馬場で開催される中距離ダートのハンデ重賞です。
2月に開催されたフェブラリーステークスが上半期最強馬を決める一戦に指定されていることから、フェブラリーステークスに挑んだ馬がマーチステークスを選択する傾向はほとんど見られません。
それだけではなく、この時期はドバイでダート最高峰レースとして有名なドバイワールドカップが開催されますし、くわえて、2024年以降は地方競馬で開催されていたJpn1の川崎記念が2月から4月上旬に後ろ倒しとなりました。
前後にG1(Jpn1)競走が開催されるため、一流ダート馬の参戦はほとんどありません。
では、マーチステークスにはどのような馬が参戦するかというと、重賞で物足りない馬です。
これらの馬にとっては実力のある馬が不在というだけでも勝利できる可能性がありますし、特にマーチステークスはハンデ戦に指定されていることから、多少能力に難がある馬でも斤量の恩恵で勝ち切りケースは珍しくありません。
重賞タイトルや収得賞金を加算したい馬が多数参戦するため、毎年混戦模様となり、順当で決着付くこともあまりないので高配当に期待できるレースとなっています。
なお、マーチステークスが開催される週は中京競馬場でG1の高松宮記念が開催されます。一流騎手は高松宮記念やドバイに遠征するため、騎手目線でも一流騎手の参戦はほとんどありませんよ。
メイステークス
グレード | OP |
開催競馬場 | 東京競馬場 |
コース | 芝1,800m |
出走条件 | 4歳以上 |
負担重量 | ハンデ |
1着賞金 | 2,400万円 |
メイステークスは東京競馬場で開催されている芝1,800mの中距離レースです。
2004年に一度開催されたものの、そこからしばらくは開催がありませんでしたが、2010年から毎年開催されています。
距離は一貫して芝1,800mで、2012年から現在に至るまでハンデ戦として開催されていました。
ハンデ競走に指定されているので一見荒れるイメージがありますが、意外にも上位人気馬が勝ち切る傾向が強いです。
また、時計の出る馬場で開催される傾向が強く、2020年のアイスストームは1分44秒3のレコードタイムで結果を残しました。
なお、翌日日曜日にG1レースのオークスが開催されるため、東京芝コースのトラックバイアスを予想する上でも参考になるレースです。
ジューンステークス
グレード | 3勝クラス |
開催競馬場 | 東京競馬場 |
コース | 芝2,400m |
出走条件 | 3歳以上 |
負担重量 | ハンデ |
1着賞金 | 1,840万円 |
ジューンステークスは東京競馬場で開催される3勝クラスの中距離レースです。
開催時期は基本的に安田記念の翌週で、怒涛のG1開催が落ち着いたあとにレースが組み込まれていました。
3勝クラスのハンデ戦ということで、多少能力が見劣る馬が軽ハンデの恩恵を活かして出走する傾向もありますが、基本的には上位人気勢の勝利が目立っています。
なお、開催後期の東京コースが舞台ということもあって、2014年から2023年の10開催の勝ち馬はいずれも5枠から8枠の外枠に集中していました。
年によって馬場傾向は変わりますが、芝の痛みが目立って外差しが目立つようでしたら外枠の馬を評価してもよいかもしれませんよ。
ジュライステークス
グレード | L |
開催競馬場 | 福島競馬場 |
コース | ダート1,700m |
出走条件 | 3歳以上 |
負担重量 | 別定 |
1着賞金 | 2,400万円 |
ジュライステークスは夏の福島で開催される中距離ダートのリステッド競走です。
これまで開催競馬場やコースが頻繁に変わっていたため、過去データ泣かせのレースでしたが、2020年にリステッド競走に昇格したため、今後は福島ダート1,700mで定着しそうです。
そんなジュライステークス夏の福島を盛り上げるレースとして指定されており、毎年骨のあるメンバーが参戦します。
ここで結果を残した馬はその後重賞路線へ進出したり、引き続きオープンクラスの常連になる傾向が強いですよ。
セプテンバーステークス
グレード | 3勝クラス |
開催競馬場 | 中山競馬場 |
コース | 芝1,200m |
出走条件 | 3勝クラス |
負担重量 | ハンデ |
1着賞金 | 1,840万円 |
セプテンバーステークスは秋の中山で開催される芝1,200mの短距離レースです。
3勝クラス戦に指定されているレースなのでこのレースを勝利したら晴れてオープン入りを果たせます。
ただ、舞台となる秋の中山競馬場はシーズンを通して唯一全面野芝で開催されます。
また、開幕初週にレースが組み込まれていることが多く、よっぽどのことがない限り超高速馬場の時計勝負になりがちです。
そのため、スピード型の馬が優勢傾向にあるレースといえるでしょう。
オクトーバーステークス
グレード | L |
開催競馬場 | 東京競馬場 |
コース | 芝2,000 |
出走条件 | 3歳以上 |
負担重量 | 別定 |
1着賞金 | 2,800万円 |
オクトーバーステークスは東京競馬場で開催される中距離のリステッド競走です。
創設は1987年で、開催距離はたびたび変わっていましたが一貫して東京競馬場の中距離レースとして行われていました。
2017年以降は芝2,000mに定着し、2019年以降はリステッド競走に昇格したので、今後は芝2,000mで固定するでしょう。
開幕初週の東京コースで開催されるため、とにかく時計が出るのが特徴的です。
東京実績だけではなく、スピード型の馬も厳選して予想するのが馬券的中のコツといえるレースです。
ノベンバーステークス
グレード | 3勝クラス |
開催競馬場 | 東京競馬場 |
コース | 芝1,800m |
出走条件 | 3歳以上 |
負担重量 | ハンデ |
1着賞金 | 1,840万円 |
ノベンバーステークスは11月上旬に開催される3勝クラスの中距離レースです。
創設してから何度か距離の変更があるレースで、2020年に入って再び芝1,800mで開催されるようになりました。
開催中期の東京競馬場で開催されるので芝の痛みがあってもおかしくありませんが、このころになるとAコースからBコースへ柵が移行するため、内芝の痛みが和らぎます。
高速馬場傾向にあるため、時計勝負に強い馬の好走が目立っています。
なお、近走の勝ち馬を見てみるとクロミナンスやエピファニーにイルーシヴパンサーなど、重賞で善戦している馬が多数いました。
ノベンバーステークスの勝ち馬その後の活躍に注目してみるとよいかもしれません。
ディセンバーステークス
グレード | L |
開催競馬場 | 中山競馬場 |
コース | 芝1,800m |
出走条件 | 3歳以上 |
負担重量 | 別定 |
1着賞金 | 2,800万円 |
ディセンバーステークスは12月に中山競馬場で開催される芝1,800mの中距離レースです。
創設は1986年と古く、創設して2開催は芝1,200mで開催されていましたが、その後は芝1,800mと2,000mをコンスタントに切り替えながら現在に至ります。
なお、2019年にリステッド競走に昇格したため、今後は芝1,800mで定着するでしょう。
開催中期の中山競馬で開催されるため、今年最後の一戦として出走する馬が中心で、ここで結果を残した馬は来年の弾みにつながるため、そういった意味でも注目度は高いです。
ただ、この時期は下半期のG1シーズン真っ只中なので、どうしてもメインレースほど知名度が高くないのが実情です。
英語の月名レースに関する2つのQ&A
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これまで月名が付いたレースを紹介しましたが、いくつか気になる要素も浮上しました。
ここからは、英語の月名レースに関する疑問を2つ紹介します。
- エイプリルステークスとオーガストステークスはどこに行った?
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2024年のスケジュールを見てみると、4月のエイプリルステークスと8月のオーガストステークスは開催されていませんでした。
しかし、過去にさかのぼるとエイプリルステークスは2007年、オーガストステークスは2000年まで中山競馬場で開催されていました。
この2競走だけ開催がなくなった理由は分かりませんが、エイプリルステークスはエイプリルフールと被ってあまり良いイメージがありません。
オーガストステークスは夏のローカル競馬場開催ということでほかの特別レース名を優先している可能性はありそうです。
- 月名レースが東日本競馬場に集中している理由は?
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近代競馬がイギリスから日本に導入された際、東京の目黒競馬場横浜の根岸競馬場から普及したので、その名残で東日本競馬場に集中しているかもしれませんが、真相は分かりません。
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英語の月名レースのまとめ
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今回は英語の月名が付いたレースについてまとめました。
G1のフェブラリーステークスやG3のマーチステークスをはじめ、多くのレースが3勝クラス以上に指定されているので、知名度の高い馬も多数参戦しています。
月名レースをきっかけに、その後大成した馬も少なくないので、機会があればぜひレースもチェックしてみるとよいでしょう。