現在の日本では、競馬をはじめ、ボートレース・競輪・オートレースといった数多くのギャンブルが存在します。また、遊戯系でいえば、パチンコ・パチスロなどもありますね。
その中でもJRA(日本中央競馬会)が主催する中央競馬の人気はとても高いです。
- ボートレース 約2兆4,000億円(2022年)
- 競輪 約1兆900億円(2022年)
- オートレース 約1,000億円(2021年)
- 地方競馬 約1兆700億円(2023年)
- 中央競馬 3兆2900億円(2022年)
こちらは日本の公営競技の年間売上になりますが、競馬、特に中央競馬がもっとも売り上げが高いです。。
しかも、2022年の中央競馬は主要会場の1つである京都競馬場が改装工事のため、一切開催が行われていませんでしたので売上には反映されていません。
そう考えますと京都競馬場の売上が追加されれば、4兆円近くになるといわれていますのでなおさら中央競馬の人気がズバ抜けていることが分かりますよね。
ただ、競馬はギャンブルだけの人気ではないと思っています。
そこで今回は、なぜ競馬は人気があるのか?
最初に競馬の歴史を紹介した上、で競馬がなぜ人気があるのか、私的に競馬人気のルーツを辿ってみたいと思います。
- 競馬の人気理由が分かります。
- 競馬の歴史とルーツが分かります。
- 競馬のドラマ性や魅力を解説しています。
競馬の歴史とは?
まずは、競馬の歴史について改めて知っておきたいと思います。
競馬は1540年頃イギリスにおいて世界初の競馬場が建設され、レースが行われたとの記録が残されています。
しかし、サラブレッドと呼ばれる品種が誕生したのは1600年代後半以降です。
それが現在における世界中のサラブレッドの三大始祖(三大父祖)といわれているバイアリーターク(1680年生)、ゴドルフィンアラビアン(推定1724年生)、ダーレーアラビアン(1700年生)にあたります。
よって、現在まで『血統』としての記録が残されているサラブレッドによる競馬が始まったのはこの頃です。
そして、イギリスの貴族が自身のサラブレッド同士を競走させたことが競馬の発祥といわれています。
これには、勝った馬のオーナーが出し合った賞金を総取りする方式が用いられていましたので、我々競馬ファンがギャンブルとして競走馬に賭けるようになるのはまだまだ先の話です。
そんな日本では、江戸時代に鎖国が解かれ、横浜港近くの根岸に駐留していたイギリス領事がイギリス競馬を持ち込んだことが日本競馬の発祥だとされています。
なお、毎年1月下旬に東京競馬場で開催されるダート重賞の根岸ステークス(G3)のレース名はここからきています。
その後、日本の各地で競馬場が生まれ競馬が行われるようになりましたが、当時の主催者は今のJRA(日本中央競馬会)ではなく、各競馬場に所属する馬主で構成された『競馬倶楽部』でした。
その全国にある競馬倶楽部が統一され、日本競馬会が発足、国営競馬の時代を経て1954年に日本中央競馬会が誕生しました。
現在のサラブレッドの祖先を辿ると350年も前から歴史が築かれています。
そう考えるとやはり競馬は奥深いものだと改めて感じますね。
なぜ競馬は人気があるのか?競馬の魅力5選
現在も多くの人を惹きつける競馬は公営競技の中でもダントツで売り上げが多いです。
競馬の売り上げのほとんどがファンの馬券購入費なので、それだけ多くの人が競馬に触れているのです。
どうして競馬はこれほどまでに人を惹きつけるのでしょうか?
ここからは当記事のテーマである、競馬が人気な理由を5つ紹介します。
その①競馬にはドラマ性がある
競馬にはドラマ性があることが人気の1つとして挙げられると思います。
たとえば、元祖アイドルホースと呼ばれ、第2次競馬ブームの火付け役となったオグリキャップ。
オグリキャップは地方競馬から中央競馬に移籍してからも勝ち続ける中、馬齢を重ねると勝てなくなってしまった。
しかし引退レースでまさかの勝利を飾るといった感動のドラマ性を日本競馬史に残しました。
そして、オグリキャップに騎乗していたのも若き天才・武豊騎手だったこともドラマ性を後押ししていると思います。
また、日本競馬史においてドラマ性といえば、トウカイテイオーも忘れられません。
トウカイテイオーは、1992年の有馬記念(11着)のあと、骨折のため休養しました。
1年の休養を経て挑んだ1993年の有馬記念で1年ぶりに勝利する感動の復活ドラマを見せてくれました。中364日でのG1勝利は未だ休養明け最長期間勝利として記録に残っています。
競馬はただ単に競走馬が走るだけではなく、ドラマ性に加えて感動をも与えてくれる部分が人気する大きな要素の1つだと思います。
その②白熱するレースも醍醐味
競馬場で行われるレースも競馬人気を盛り上げています。
競馬は騎手が騎乗しているとはいえ、実際に走っているのは競走馬です。
しかし、一歩間違えれば死と隣り合わせでもあるだけに人馬ともに真剣勝負なので、レースを見ている競馬ファンに感動を与えてくれるものだと思います。
また、それだけの真剣勝負ですから白熱するレース展開も競馬の醍醐味といえますね。
特に1996年の阪神大賞典では、一昨年の年度代表馬ナリタブライアンと昨年の年度代表馬マヤノトップガンとの戦いは、ゴール前までどちらが勝つか分からないほどデッドヒートでした。
ナリタブライアンは1994年の年度代表馬になった時は無双状態でしたが、翌年の怪我による影響で勝てなくなりました。一方のマヤノトップガンは1995年度の年度代表馬ですので、その当時一番強いとされていた競走馬です。
また、2頭は同じ父を持つ部分も注目されたといえます。
そして、レースでは怪我の影響で負け続けていたナリタブライアンが後輩には負けるわけにはいかないと最後はグイッと頭を差し出したところがゴールとなります。
これぞ、競馬の醍醐味ともいえるレースですので、見たことがない方がいらっしゃましたら是非とも見てみてください。競馬の感動が詰め込まれた伝説のレースです。
その③競馬は一攫千金も可能
一攫千金が狙えるのも競馬が人気している要因です。
これまで他のギャンブルでみますと高配当になったのは、ボートレースで約76万円、競輪でも476万円です。
その点、競馬は2005年10月22日に東京競馬場で行われたレースにて、3連単が約1,800万円の高配当が飛び出しています。
これを狙って当てるのは至難の業ですが、100円が1,800万円になる可能性も秘めているのが競馬です。
また、対象レースの1着馬を当て続けるWIN5では数億円の配当になることもありますので、大きな夢を見る点においても競馬はズバ抜けているといえます。
さらに有名なお話として、ヒシミラクルおじさんの例もあります。
ヒシミラクルおじさんとは、2003年の宝塚記念を東京の某ウインズにて、ヒシミラクルの単勝を大口購入し、それが見事に的中。2億円ほどの配当金を手にした中年男性のことです。
このように毎週末、一攫千金を狙える点も競馬人気の1つといえるのではないでしょうか。
その④人馬との深い関係
競馬は騎手とサラブレッド、人馬との深い関係も魅力的です。
かなり昔の馬ですが、一例を挙げると1979年のオークスを勝ったアグネスレディーに騎乗していた名手・河内洋騎手は1990年の桜花賞で、アグネスレディーの娘アグネスフローラにも騎乗して勝利します。
これだけでも、かつて自身がG1レース(当時はグレード制度がなくOP扱い)をともに勝利した牝馬の娘でさらにG1を勝利する人馬との関係は凄いと思いませんか。
ただ、アグネスレディーから始まった河内騎手との関係はこれだけではありません。
さらに河内騎手は、2000年にアグネスフローラの息子アグネスフライトで悲願の日本ダービーを制するのです。
まさにドラマ性を超えた人馬との深い絆から生まれたものといっても良いのではないでしょうか。
河内騎手にとっても母、娘、孫と3代続けてG1を制したのですから、喜びも一際大きかったと思われます。
このように競馬では、サラブレッドだけではなく人馬との深い関係も人間ドラマに近い点が人気の1つであると思いますね。
その⑤血統面も人気の大きな要因の1つ
前述しましたドラマ性と共通する部分もありますが、競走馬は人間と同じく血統が明確です。
その血統には、芝が得意なのか、それともダートの方が得意な血統かといったコース面や短距離や長距離に向いた血統といった距離適性も予想に当てはまります。
また、馬券予想だけではなく、過去に応援していた競走馬の子どもが数年後にレースに出走する。
応援していた競走馬が勝てなかったレースをその子どもが勝つといった場面は、競馬特有のブラッドスポーツだからこそ味わえるものだと思います。
まとめ
一昔前では、競馬場といえば汚いイメージがありましたが、近年では女性同士でも来場が目に付くようになりました。
さらに昨今では、過去の名馬をモチーフにした大人気競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)に登場するキャラクターで最近競馬を始めた方などは『ウマ娘』で知ったという方も多く、そのウマ娘人気もあってか、再び競馬ブームが訪れているといわれています。
今回はなぜ競馬は人気があるのか?という点を個人的観点を基にお伝えしました。
この記事を読んでいただき、1人でも多くの方が競馬に興味を持ってもらえると嬉しい限りです。