競馬ファンの中には「プラス10」や「元返し」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。
特に単勝オッズが1.0倍のときに発動するこの仕組みは、知っておくと馬券の損失リスクを最小限に抑えられる便利な制度です。
本記事では、「競馬 プラス10 とは何か?」という基本から、「元返し」が発動する条件や過去の事例、さらに地方競馬との違いまで詳しく解説します。
初心者の方にも分かりやすくまとめていますので、JRAのルールを正しく理解して、賢く馬券を楽しみましょう。
JRAプラス10とは?

JRAプラス10とは、2008年からJRAが導入している制度です。
正式には「すべてのレースに、プラス10」というキャッチコピーで告知されており、主に的中馬券の払戻金が著しく低くなりそうな場合、JRAが自ら追加資金を補填して、最低払戻金額が「110円」になるよう調整する仕組みです。
この制度により、人気が極端に集中したレースで的中しても、「100円」が「110円」として返ってくるようになります。これは、単勝や複勝などに限定されず、原則すべての投票法に適用される点が特徴です。
プラス10と元返しの関係

「元返し」とは、オッズが1.0倍となったときに適用されるもので、払戻金が購入金額と同額(100円→100円)になることを指します。
JRAのプラス10制度では、オッズが1.0倍であっても、購入者には最低110円が返ってくるよう補填されるため、厳密には「元返し」ではありません。
ただし、「100円返し」が発生する特例もあり、これが「真の元返し」として扱われます。
プラス10で元返しになる条件とは?
競馬法附則第5条第3項の規定により、以下のような場合にはプラス10が適用されず、「100円元返し」となることがあります。
投票法ごとの払戻金総額と、JRAが上乗せするべきプラス10の総額が、売上金(売得金)の合計を上回るとき
(引用:JRA)
この条件に該当した場合、JRAは元返しを適用せざるを得ず、最低払戻金額が「100円」となります。
このようなケースは極めてまれですが、特に少頭数で1頭に人気が集中した際に起こりやすいです。
元返し発生と注意点
全ての券種においてプラス10は基本的に適用されますが、前述のように条件次第では「100円元返し」が発生することがあります。
特に以下のような状況では注意が必要です。
- 出走頭数が少ない(8頭以下)
- 圧倒的1番人気に支持が集中
- 投票総数が少なく、売上が低い
オッズ1.0倍=安心、という認識は誤りであり、的中しても配当が100円になり得ることを頭に入れておきましょう。
特にこの条件が重なった複勝馬券はプラス10制度が適応されない場合があるため、注意したいです。
地方競馬における元返しの仕組み

地方競馬では、JRAのような「プラス10」制度は導入されておらず、オッズが1.0倍になると原則として「100円元返し」がそのまま適用されます。
このため、地方競馬では人気馬が勝っても配当がほとんどつかないということがしばしばあります。
特にナイター競馬や平日開催で売上が少ないレースでは、100円返しが多く見られます。
JRAとは制度が異なるため、地方競馬で馬券を購入する際は、オッズをよく確認しておくことが大切です。
まとめ:プラス10制度は万能ではないが、知っておくと安心

JRAのプラス10制度は、低配当時でも110円の払戻しを保証する便利な仕組みですが、すべてのケースに適用されるわけではありません。
売上金額が極端に少なく、JRAが補填しきれないと判断された場合には、「100円元返し」となる例外も存在します。
また、地方競馬ではこの制度自体が導入されていないため、人気馬に投票が集中すると元返しとなるリスクがより高くなります。
こうした仕組みを理解しておくことで、単勝1.0倍の馬を買うときでも過信せず、冷静に判断できるようになるでしょう。