遅生まれの競走馬が不利といわれる理由とは?生産現場が早生まれを好むワケ

競馬ファンの中には「遅生まれは不利」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。

実際、クラシック戦線では早生まれの馬が活躍する傾向があり、馬主や生産者も早い時期の出産を重視しています。

では、なぜ遅生まれの競走馬が不利とされるのでしょうか? そして、本当にチャンスは少ないのでしょうか?

この記事では、遅生まれが不利とされる理由と背景、さらに遅生まれの馬が持つ意外なメリットまでを、初心者にもわかりやすく解説します。

目次

競走馬の遅生まれとは?

競走馬の遅生まれとは?の見出し

競走馬における遅生まれとは、主に6月以降に生まれた馬を指します。

日本のサラブレッドは2月から5月にかけての出産が最も多く、1月〜3月の早生まれが理想とされる中で、6月以降の誕生は相対的に遅いと判断されます。

どうして、6月以降に生まれた馬は遅いといわれるのか、次の見出しで紹介します。

競走馬の年齢は1月1日で一律に加算される

競走馬の年齢は1月1日で一律に加算されるの見出し

では、なぜ6月以降に生まれた馬が遅生まれとされ、不利といわれるのでしょうか。

その背景には、競走馬独自の年齢の数え方が関係しています。

実年齢ではなく競走年齢が基準

競馬の世界では、人間のように誕生日ごとに年齢を数えるのではなく、すべての馬が1月1日に一斉に年を取るというルールが採用されています。

これは、出走資格や世代ごとの公平性を保つために設けられており、日本だけでなく世界の主要競馬国でも広く使われています。

たとえば、1月2日生まれの馬と6月1日生まれの馬は、年が明けた時点で同じ2歳馬として扱われます。

つまり、実際の成長段階が数か月違っていても、同じ土俵で戦うことになるため、遅生まれの馬は発育面でハンデを負いやすいのです。

馬主や生産者が早生まれを重視する理由

馬主や生産者が早生まれを重視する理由の見出し

クラシックをはじめとする2〜3歳戦では、少しの成長差が大きな結果の差につながることがあります。

そのため、生産者や馬主は競走馬の誕生日を重視しており、できるだけ早い時期に生まれるよう交配時期を調整しています。

ここでは、なぜ早生まれが有利とされ、遅生まれが不利と見なされるのか、その具体的な理由を解説します。

遅生まれの馬は成長面で不利を抱えやすい

サラブレッドは成長スピードが非常に速く、わずか数か月の差でも筋肉や骨格の発達に大きな影響が出ます。

例えば、4月の皐月賞時点で、1月生まれの馬はすでに3歳3か月、6月生まれの馬はまだ2歳10か月程度の成熟度です。

見た目は似ていても、内面ではスタミナやスピード、気性面に差が出るケースも少なくありません。

特に2歳戦では、実年齢が若いことがそのまま結果に影響するリスクがあるため、遅生まれは不利とされています。

少しでも早く生まれた方が肉体的に有利

生産牧場では、繁殖牝馬の交配時期を工夫し、1月〜3月の早生まれを目指すことが一般的です。

これは、デビューまでに十分な育成期間を確保できることや、他馬よりも早くトレーニングを積めるメリットがあるからです。

また、育成牧場でも早生まれの馬は早期仕上げしやすく、クラシックに間に合わせやすいため、評価が高くなります。

結果として、セリ市でも早生まれの馬は高値で取引されやすく、投資対象としても人気が高いのです。

遅生まれのメリット

遅生まれのメリットの見出し

早生まれが重視される一方で、遅生まれにも見逃せないメリットがあります。

すぐに結果を出すことは難しくても、時間をかけて成長することで、長く安定した競走生活を送る馬も多いのです。

ここでは、遅生まれの馬が持つポジティブな側面について解説します。

晩成型に育つケースがある

遅生まれの馬は成長スピードが緩やかであるため、無理な早期デビューを避けられるという利点があります。

クラシック路線では苦戦しても、古馬になってから本格化する晩成型に育つケースが多く、息の長い競走生活を送ることが可能です。

例えば、メイセイオペラやアジュディミツオー、クーリンガーといったダート馬はいずれも6月生まれの遅生まれでしたが、長く活躍できるダートが舞台だった影響もあるのか、年を重ねても結果を残していました。

2025年時点で現役のホウオウビスケッツも6月生まれの競走馬ですが、古馬になった4歳時はすべてのレースで馬券に絡んでいるように、3歳時よりもパフォーマンスをあげています。

このように、成熟を待って能力を開花させる馬も多く、遅生まれは決してハズレではありません

まとめ:遅生まれでも活躍は可能、だが適性を見極めることが重要

まとめ:遅生まれでも活躍は可能、だが適性を見極めることが重要のまとめ

遅生まれの競走馬は、確かに早期のレースでは成長面で不利を抱えることが多くあります。

しかし、その一方で、成長力に優れた晩成型の馬が大きな舞台で活躍するケースも少なくありません。

馬体や気性の成熟度を見ながら無理のないローテーションを組むことで、能力を最大限に引き出すことができます。

馬券を買う際にも、単に誕生月だけで判断するのではなく、近走の内容や馬体の仕上がり、調教の動きなどから成長度を見極める視点が大切です。

「遅生まれ=不利」という固定観念を捨て、その馬のポテンシャルをしっかり見ていくことが、予想力アップにもつながります。

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