競馬ファンのあいだで「軸2頭流し」という言葉を耳にしたことはありませんか?
これは、予想の軸となる2頭の馬を決めて、そこから相手を流していく馬券の買い方です。
三連複や三連単でよく使われる手法で、的中率と回収率のバランスが良いのが魅力とされています。
しかし、具体的な意味や買い方、他の券種との違いなどを正しく理解していないと、無駄な買い目や的外れな予想になってしまうこともあります。
この記事では、軸2頭流しの基本から実践的な使い方、点数計算の方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
軸2頭流しとは?
馬券を買う際に、予想の中心となる馬を「軸馬」として設定する買い方はよく知られています。
なかでも「軸2頭流し」は、3連複や3連単などで採用される戦略で、軸に据えた2頭が馬券内(1~3着)に入ることを前提に、残る1頭を複数の相手候補から流すスタイルです。
軸2頭が着順に関わらず3着以内に入れば的中となる三連複と、着順も求められる三連単では、同じ「2頭軸」でも戦略が異なります。
この章では、まず基本となる「軸2頭流しとは何か?」をシンプルに解説します。
馬券の中心に据える2頭を固定する買い方
軸2頭流しとは、予想の中で信頼度の高い2頭を「軸馬」に設定し、その2頭が必ず3着以内に入ると見込んで馬券を組み立てる買い方です。
残りの1頭は相手馬(いわゆるヒモ)として、複数の候補に流すことで、高配当と的中率のバランスを狙います。
軸を2頭にすることで1頭だけにリスクが集中せず、軸1頭流しよりも的中の安定感が高まるのが特長です。
三連複なら着順は問われませんが、三連単の場合は順番の予測も必要になるため、使い分けが重要になります。
三連複の軸2頭流しの基本
三連複における「軸2頭流し」は、3連系馬券のなかでも比較的買いやすく、初心者から上級者まで幅広く活用されている買い方です。
このスタイルでは、軸に選んだ2頭がどの着順でも3着以内に入り、さらにもう1頭が絡めば的中となるため、三連単よりも難易度が低く、配当も安定しやすいのが魅力です。
ここでは、三連複での軸2頭流しの意味と、実際の点数計算方法について詳しく解説します。
三連複 軸2頭流しとは?
三連複の軸2頭流しとは、着順に関係なく、指定した2頭が3着以内に入り、さらにもう1頭が加わった3頭の組み合わせで的中となる馬券です。
たとえば軸馬をAとBに設定し、相手馬にC・D・Eを選んだ場合、A・B・CやA・B・Dなど、AとBが含まれる3頭の組み合わせが対象となります。
AかBのどちらかが馬券外に敗れた時点で不的中になるため、軸馬の信頼度が重要になりますが、着順を問わないため三連単よりも当たりやすいという利点があります。
三連複 軸2頭流しの点数計算
三連複の軸2頭流しでは、相手馬の数がそのまま購入点数になります。
たとえば軸馬を2頭に固定し、相手馬を5頭に設定した場合、A-B-C、A-B-D…のように5点で購入できます。
ボックス買いに比べて点数が抑えられるため、資金を集中させやすいのも魅力です。
相手が10頭でも10点なので、買い目が明確で管理しやすく、オッズを加味した資金配分も組み立てやすい買い方といえるでしょう。
三連単の軸2頭流しの基本
三連単は着順も当てなければならないため、三連複よりも難易度が高く、その分配当も大きくなります。
軸2頭流しを三連単で使う場合は、2頭の軸馬が1〜3着に入り、さらにヒモとなる1頭が馬券に絡むことで的中します。
順番を問わないマルチと、順番を固定する非マルチで買い方が変わるため、それぞれの特徴を把握しておくことが重要です。
ここからは三連単の軸2頭流しについて解説します。
三連単 軸2頭流しとは?
三連単の軸2頭流しとは、軸に選んだ2頭を着順付きで固定し、もう1頭をヒモとして加える買い方です。
例えば1着にA、2着にBを固定し、3着にC・D・Eを流した場合、A→B→Cなどの組み合わせが成立します。
このスタイルは「非マルチ」と呼ばれ、的中率は低いですが、点数を抑えて高配当を狙うのに適しています。
一方、順番を問わず軸2頭が1〜3着に入るように買う「マルチ」では、的中率が上がる代わりに点数も増えます。

三連単 マルチと非マルチの違い
マルチとは、軸2頭が1〜3着にどの順でも入ればOKという買い方で、着順違いもすべてカバーできます。
たとえば軸2頭+相手3頭なら、3×6=18点。ヒモ5頭であれば30点と、点数は多くなりますが安心感があります。
非マルチはその逆で、1着や2着に明確な順序をつけて買うため、3〜8点前後にまで点数を絞ることが可能です。
レースの展開が読みやすい時は非マルチ、荒れる可能性がある時はマルチを使い分けると効果的です。

軸2頭流しに向いているレース
軸2頭流しは、すべてのレースに適しているわけではありません。
この買い方が特に効果を発揮するのは、軸にできる信頼度の高い馬が2頭いるときや、出走頭数が少なく展開が読みやすいレースです。
ここでは、どんな条件のレースで軸2頭流しが有効かを見ていきましょう。
軸にできる信頼度の高い馬が2頭いるレース
過去の成績や調教内容から見て、明らかに能力上位と判断できる馬が2頭いる場合、軸2頭流しは最適な戦術です。
例えば、前走でともに好走しており、今回の条件も合うと見られる場合、馬券の中心として据えやすくなります。
その2頭を軸にすれば、残る1頭を相手に流すだけで済むため、無駄な買い目を減らしながら高配当も狙えます。
少頭数で大波乱が起きにくい条件
出走頭数が12頭以下など、少頭数のレースは展開が安定しやすく、人気馬同士の決着になりやすい傾向があります。
こうしたレースでは、軸馬が崩れにくく、軸2頭流しのような「堅実な戦略」が威力を発揮します。
特に逃げ・先行馬が揃っているレースでは、展開予想も立てやすく、軸2頭の信頼度が高いときに有効です。

軸馬・ヒモの選び方のコツ
軸2頭流しの精度を左右する最大のポイントは、軸馬とヒモ馬の選定です。
2頭の軸馬が3着以内に入らなければ的中しないため、過去の成績や馬場適性などを見て慎重に判断する必要があります。
また、ヒモにどのような人気帯の馬を選ぶかによって、回収率やリスクも大きく変わってきます。
ここでは、軸とヒモの基本的な選び方の考え方を紹介します。
軸馬は複勝率の高い馬を選ぶ
軸馬には、近走で安定して上位に入っている馬を選ぶのが基本です。
複勝率(3着以内率)が高い馬は信頼性が高く、馬券の中心に据えるには最適です。
特に1~3番人気の実力馬で、展開や馬場にも対応できるタイプであれば、軸としては申し分ありません。
逆に、人気薄の馬を軸にしてしまうと、的中率が大きく落ちるので注意が必要です。
ヒモは4~12番人気から狙うと妙味あり
ヒモに選ぶ馬は、やや人気の落ちる中穴〜穴馬が狙い目です。
4〜12番人気あたりの馬で展開が向きそうなタイプや、コース実績がある馬を選べば、的中時の配当アップが期待できます。
人気馬ばかりをヒモにすると配当が下がり、穴馬ばかりだと的中率が低くなるため、バランスを取ることが重要です。
「軸は堅く、ヒモで荒れを拾う」形が基本になります。

軸2頭流しの点数と資金配分の考え方
軸2頭流しでは、相手馬の頭数に応じて点数が明確に決まるため、資金計画が立てやすいのが利点です。
例えば、三連複の軸2頭流しなら、相手5頭で5点、10頭で10点となります。
一方、三連単マルチでは同じ相手5頭で30点、10頭で60点と、点数が大きく跳ね上がるため注意が必要です。
資金配分のコツとしては、買い目が少ない三連複は1点あたりの購入額を増やしやすく、三連単マルチは点数を抑えるか、人気薄のヒモを絞って狙うなどの工夫が求められます。
的中時の配当と購入金額のバランスを考慮し、無理のない買い方を心がけることが回収率アップへの近道です。
軸2頭流しと他の買い方との違い
馬券の買い方には「ボックス」「フォーメーション」「軸1頭流し」など、さまざまなスタイルがあります。
そのなかで軸2頭流しは、買い目を絞りながらも的中率と配当バランスのとれた中庸的な買い方です。
ここでは、特に比較されやすい「軸1頭流し」や「ボックス・フォーメーション」との違いを解説し、それぞれの使い分けのヒントを紹介します。
軸1頭流しとの違い
軸1頭流しは、1頭の軸馬を固定し、複数の相手馬に流すスタイルです。
軸馬が1頭なので柔軟性があり、馬券が当たりやすい反面、買い目が多くなりやすいのが特徴です。
一方、軸2頭流しは2頭の軸馬に信頼を置くことで買い目を大きく減らすことができ、的中時の回収効率が良くなるというメリットがあります。

ボックス・フォーメーションとの比較
ボックスは予想に自信がない時に広くカバーできる買い方ですが、点数が多くなりがちです。
フォーメーションは自由度が高く応用が利く反面、慣れていないと組み合わせミスが起こりやすい点に注意が必要です。
軸2頭流しは軸馬が明確に決まっている時に有効で、バランスの取れた攻め方ができるのが強みといえるでしょう。

軸2頭流しのまとめ
軸2頭流しは、信頼できる2頭の軸馬を据えることで買い目を絞りつつ、的中率と回収率のバランスを取れる買い方です。
三連複なら比較的手軽に、三連単ならマルチを活用することで高配当も狙えます。
大切なのは、軸馬選びとレース選びの精度です。
他の券種と使い分けながら、軸2頭流しをうまく活用すれば、より安定した馬券戦略につながるでしょう。