皆さんは、馬券を購入する際に複勝率を重視しますか?
複勝率とは、文字通り3着以内に入る確率のことをいいますが、もちろん複勝率が高い騎手ほど馬券圏内に絡む確率が高くなりますよね。
2023年で見ますと、リーディング2位だった川田将雅騎手の複勝率は脅威の60%でした。これは、10回レースに出走し6回は馬券圏内に入るという計算です。
川田騎手からワイドや3連複を買って相手さえ間違えなければ、約60%的中するのですからすごい確率です。
ただし、「相手さえ間違わなければ」っていうところがミソですね。その相手が分からないから馬券が当たらないことが多々あると思います。
そうなると、悲しいかな収支はマイナスですよね。そこで大事なのが複勝率よりも複勝回収率となります。
複勝回収率とは、複勝を買い続けた時の回収率のことです。
例えば、◯◯騎手の複勝を100レース、100円で購入し続けた場合、合計10、000円になります。その騎手の複勝率は約20%です。ただし、払い戻しの合計が12,000円ありました。そうすると複勝回収率は120%になります。
ちなみに先ほどの川田騎手の複勝を1年間買い続けた場合、約60%で的中しますが、複勝回収率は85.1%と収支はマイナスです。これは、川田騎手がトップジョッキーのため配当がもの凄く低いからです。
そして、複勝回収率は単勝回収率に比べて一般的に配当は低くなりやすいですが、1着を当てる単勝と違って3着までに入線すれば的中するので、大負けする確率も低いです。
しかし、複系馬券のワイドや3連複の軸に複勝回収率の高い騎手を狙えば、高配当も期待できると思いませんか。
そこで今回は2023年の複勝回収率が高かった騎手ベスト5を紹介します。
別記事の単勝回収率ベスト5と合わせて馬券購入のお役に立つと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 2023年の複勝回収率の高い騎手が分かります。
- 意外な騎手の活躍が分かります。
- 以下、表内のデータはVictory Roadから引用し、その他の数字はnetkeiba.comから引用しています。
- 平地の年間騎乗数300回以上の騎手を対象にしています。
- 騎手名横の()内順位は、2023年の全国年間リーディング順位を表しています。
第5位 石川裕紀人騎手(37位)
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 合計 | 複勝率 | 複勝回収率 |
33 | 45 | 41 | 413 | 532 | 22.4% | 105.7% |
第5位は、2022年のチャンピオンズカップ(G1)をジュンライトボルトで制し、G1初制覇しました石川裕紀人騎手です。
デビュー10年目となる石川騎手は、同期に松若風馬騎手や木幡初也騎手などがいます。これまでJRA通算279勝で重賞は中央・地方合わせて9勝という実績を持っています。
石川騎手の特徴といえば、芝コースに比べてダートコースの方が得意な傾向にあります。特に通算勝利数の約30%が1600m以下ダートの短距離で挙げています。
また、複勝率を見ますと22.4%と今回のベスト5の中では唯一の20%を超えています。
これは、複勝回収率のことを考えると決して悪くない数字ですし、競馬ファンにとってはおいしい数字です。
そして、複勝回収率が105.7%ですから、”適度“に隠れた実力を発揮するタイプかも知れません。
そんな石川騎手は、2024年1月末現在で3勝し、JRA通算300勝まで残り21勝となりました。1日も早く300勝を達成する姿をみたいですね。
第4位 中井裕二騎手(98位)
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 合計 | 複勝率 | 複勝回収率 |
6 | 9 | 7 | 134 | 156 | 14.1% | 107.8% |
第4位は、フェラーリに乗ることを夢見てジョッキーになった中井裕二騎手です。
中井騎手は今年でデビュー12年目、栗東所属のフリー騎手で同期には長岡禎仁騎手や1年留年で同期となった菱田裕二騎手などがいます。
そんな中井騎手は、これまでJRA通算157勝を挙げていますが、重賞は未勝利です。
特徴としましては、約70%がダートコースで勝っていますので、ダートコースが得意な傾向にあります。また、距離別に見ますと、短距離・中距離とほとんど差がありません。
よって、ダートコース全般で狙えそうです。
2024年1月末現在、11鞍に騎乗し勝ち星はなく、騎乗数もデビュー年の503回、2年目の795回を境に年々減少しています。
それでも2023年は複勝率14.1%、複勝回収率が107.8%もありますので、ダートコースで中井騎手の名を見かけたら”買い”かも知れません。
第3位 土田真翔騎手(136位)
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 合計 | 複勝率 | 複勝回収率 |
1 | 1 | 1 | 103 | 106 | 2.8% | 129.6% |
第3位は、2024年1月1日付で美浦の尾形和幸厩舎からフリー騎手に所属変更しました福島県出身の土田真翔騎手です。
土田騎手は今年でデビュー3年目となる若手騎手で同期には今村聖奈騎手や角田大河騎手などがいます。
デビュー年には、2着2回と初勝利を挙げることが出来ませんでしたが、2023年4月に出身地の福島で9番人気の馬で初勝利を挙げました。その時の複勝が640円です。
さらに11番人気の馬を3着に導いた時には2,010円、極めつけは最低人気馬で2着に入った時の複勝が11,090円と複勝率はわずか2.8%ですが、まさに一撃必殺の爆発力の持ち主です。
しかし、2024年1月現在も騎乗数が中央で4つと少なく厳しい環境下だと思いますが、まだまだフレッシュな若手騎手ですので、目標にしているレジェンド・武豊騎手に一歩でも追いつけるような騎乗と爆発力に期待したいですね。
第2位 原田和真騎手(132位)
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 合計 | 複勝率 | 複勝回収率 |
1 | 3 | 2 | 92 | 98 | 6.1% | 132.7% |
第2位は、美浦所属でフリー騎手の原田和真騎手です。
今年でデビュー12年目となる原田騎手は、同期に今回のランキングで第4位だった中井騎手がいます。
なかなか騎乗数に恵まれていないため、これまでJRA通算53勝とあまり名が知られていないかも知れません。
それでも障害競走で勝利したり、2019年の函館2歳ステークス(G3)では、11番人気のプリンスリターンに騎乗し3着に入り複勝1,110円の高配当を演出しました。
そのプリンスリターンで平地G1初出走となった同年の朝日杯フューチュリティステークス(G1)でも15番人気ながら5着と健闘。翌2020年のシンザン記念(G3)では同馬で2着に入る活躍を見せていますので、2023年の複勝回収率132.7%も不思議ではありません。
そして、2024年1月末現在も9番人気の馬を3着に導いて、複勝590円の配当も演出しています。出走機会は少ないかも知れませんが、出馬表で原田騎手を見かけたら買ってみるのも面白いかも知れません。
第1位 水口優也騎手(94位)
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 合計 | 複勝率 | 複勝回収率 |
7 | 9 | 16 | 151 | 183 | 17.5% | 173.6% |
堂々の第1位は脅威の複勝回収率173.6%を叩き出した水口優也騎手です。
水口騎手は、今年でデビュー14年目となる栗東の名門・池江泰寿厩舎に所属する騎手で同期には、川須栄彦騎手や高倉稜騎手などがいます。
そんな水口騎手は2023年の2月頃、複勝回収率324%で穴名人と取り上げられたほど、密かに競馬ファンの中では”穴男”としても有名になりましたね。
その中で2023年の複勝回収率173.6%を叩き出すのですからファンにとっては、有り難くもおいしい存在です。
そんな水口騎手の特徴は最後まで諦めず馬を追うことです。これは馬券を購入しているファンにとってもゴール板を通過するまでドキドキ感が否めないですよね。
その最後まで諦めない騎乗スタイルが複勝回収率に現れているのかも知れません。
そんな水口騎手ですが、2024年1月末現在で16鞍に騎乗し、馬券圏内には入っていませんが、「令和の穴男」として2月以降の巻き返しに注目したいですね。
まとめ
今回、ご紹介しました騎手は騎乗回数が少ないのが特徴ですが、それでも上記の表の通り、複勝回収率の破壊力は抜群です。
さらに複勝よりも人気馬と紐づけるワイドや3連複といった馬券を購入する方がおいしいかも知れません。
いずれにしましても、今回の2023年複勝回収率ベスト5の騎手は覚えておいて損はないかと思います。そして、この記事が少しでも馬券回収率に貢献できれば嬉しい限りです。