昨今では、紙媒体の書籍を手にすることが少なくなり、スマホなどで本を読む方も増えていますよね。特に一昔と比べ、通勤電車などで書籍を手にする人が減ったと感じます。
また、競馬場でもスポーツ新聞や専門紙といった紙媒体よりもスマホで出馬表を見たり、過去の成績を調べたりする方も多く見られます。
そこで今回は、私がこれまで読んで面白かったと思うスマホでも読める競馬関連書籍をご紹介します。
馬券につながるものもあれば、日本競馬の歴史や競馬の裏側まで知ることができる書籍を紹介しますので、機会があれば是非一度手にとって見ていただけると嬉しいです。
「騎手の一分」藤田 伸二 著 (講談社現代新書)
1つ目にご紹介するのは、元JRA騎手の藤田伸二さんが騎手を引退する前に出版された書籍です。
藤田さんといえば、1991年にJRAの騎手としてデビューし、その年の新人賞を獲得。プロ通算1918勝は歴代10位となる大記録を打ち立てた名ジョッキーですね。
さらには、2004年に特別模範騎手賞を史上最年少で受賞され、2010年には2度目の特別模範騎手賞も受賞。その結果、1996年から2008年まで12年間レースでの騎乗停止処分を受けていません。
そんな藤田さんが書いた本書の内容は、藤田さんが今の競馬界に対する思いや騎乗する騎手の心理状態など、一般人では知らないことを綴ってくれています。
その中で特にご紹介したいのが「強い馬」とは何かという章です。これは藤田さんが思う本当に強い馬とは何かということが書かれています。
本当に強い馬を見極めるといった馬券にも役立つような内容ですので、読んでみて損はないかと思います。
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「尾形藤吉〜競馬界の巨人が遺したもの〜」小檜山 悟 著 (三才ブックス)
戦前は騎手として戦後は調教師として、今の日本競馬界の礎を作った尾形藤吉さんの生涯とともに日本競馬の歴史を現JRA調教師の小檜山悟調教師が書かれた書籍です。
小檜山調教師は、2008年の日本ダービーにて2着に入ったスマイルジャックなどを管理した調教師としても有名ですが、2024年2月末をもって定年となります。
そんな小檜山調教師は、尾形藤元調教師の業績を知らない人に対して「次世代に伝えることが責務」だと思い本書を執筆されたそうです。
とにかく、内容的に驚いたのは、モンキー乗りの先駆者・保田隆芳元調教師やシンボリルドルフを管理した野平祐二元調教師など、少し前の日本競馬界を築かれた名騎手・名調教師の方々がすべて尾形藤吉門下生であったことです。
戦前戦後の競馬界を支えた尾形藤吉元調教師のお話は、日本競馬の歴史を知る上で絶対に欠かせないと思いますので、競馬ファンなら必見の1冊だと思います。
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「黄金の旅路 人智を超えた馬・ステイゴールドの物語」石田 敏徳 著 (講談社)
タイトルの通り、大種牡馬ステイゴールドについてのお話です。
現役時代の成績から種牡馬入り当初はあまり期待されていなかったステイゴールドですが、蓋を開けてみればオルフェーヴル、ゴールドシップといった数多くの名馬を輩出しました。
本書では、そんなステイゴールドの生い立ちから代表産駒について書かれています。
また、父にメジロマックイーンを持つ繁殖牝馬との配合で大成功した”ステマ配合”のルーツを辿る章では、メジロ牧場の歴史も知ることができますので、特に血統好きな方やメジロ馬が好きな方には超オススメです。
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「名馬の理 調教師・橋口弘次郎、1000勝の軌跡」石田 敏徳 著 (徳間書店)
1996年の日本ダービーを覚えていらっしゃるでしょうか?
断然の1番人気ダンスインザダークが確勝とも言われた中で伏兵馬扱いだったフサイチコンコルドが勝ったレースです。
そのダンスインザダークを管理されていたのが、橋口弘次郎元調教師です。
そんな橋口元調教師は佐賀の地方騎手でした。その過酷な騎手時代からJRAの調教師になられて、全国リーディングのトップに立つまでの軌跡が描かれています。
また、ダービーで苦汁を飲まされたダンスインザダーク、それから18年後にワンアンドオンリーで制した日本ダービー。そして、英雄ディープインパクトを国内で唯一の黒星をつけたハーツクライなどをはじめとする管理した主な競走馬の話も書かれています。
本書を読み進めると改めて、競馬の裏を支える調教師や厩舎スタッフの苦労が伝わってくる内容ですので、競馬ファンなら一度は目にしてほしいです。
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「昭和の名騎手」江面 弘也 著 (三賢社)
競馬ノンフィクションライターの江面弘也さんが書かれた書籍です。
内容的にはタイトルの通り、主に昭和の時代に活躍された名騎手と呼ばれた30名の騎手について書かれたものです。
特に現代では、武豊騎手のお父さんである武邦彦元調教師やハイセイコーに騎乗した増沢末夫元調教師などは、騎手時代よりも調教師のイメージの方が強いと思われます。
他にもシンザンの主戦騎手だった栗田勝元騎手やミスターシービーを三冠馬に導いた吉永正人元騎手など、さらには昨今まで活躍された河内洋現調教師や的場均現調教師まで書かれています。
本書では、昭和時代の騎手を知りたい方には、もってこいの1冊だと思います。
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「勝つための思考法」武豊
本書は、レジェンド武豊騎手の『競馬において勝つための考え方を知ることができる』と思ったのですが、実は人生においても学べる書籍となっています。
内容的には、武豊騎手がレースに臨む時の考え方などが書かれており、安藤勝己元騎手とのトップジョッキー対談も収録されています。
さらには、サイレンススズカやディープインパクト、マーベラスサンデーといった騎乗馬に対することも書かれています。
前述しましたが、本書は競馬ファンのみならず、1つの世界でトップに立ち続ける方の思考を知ることができますので、特にサラリーマンの方にはオススメしたいですね。
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「頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法」川田 将雅 著 (株式会社KADOKAWA)
まず、一言で本書を表すと、この書籍を手に取り川田騎手に対する見る目が変わりました。
そんな本書でまず驚いたのは、競馬一家に生まれた川田騎手が、川田家流の厳しい環境で育ち、人間形成されたお話です。
これは本当に凄い内容で、今の時代にこのような家庭がまだあったとは…と度肝を抜かれました。しかし、頂点に立った川田騎手には”この両親あり”と凄く感動しました。とにかく両親の愛情がハンパないことが伝わってきました。
なお、本書の中で川田騎手は自身のことを『野獣』と表現していますが、実のお兄さんの方がもっと『野獣』だと仰っていることに驚きました。
いったい、川田騎手のお兄さんは、どのような方なのでしょうか(笑)
決して最初からトップに立ったわけではない川田騎手。その並々ならぬ努力からトップまで昇りつめた過程を知った上で今の川田騎手を見ると、益々応援したくなりましたね。
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「キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬」小川 隆行他著 (星海社新書)
最後にご紹介するのは、タイトル通り現役時代にはG1通算7勝をした名馬キタサンブラックについて書かれた書籍です。
内容的には、キタサンブラックが実際に走ったレースを章ごとに分けられ、またライバル関係にあったサトノクラウンや血統面において祖父のサクラバクシンオーなどにも触れています。
本書は、小川隆行さんがメイン著者で大手競馬サイト『ウマフリ』に執筆しているライターの方なども共著として書かれています。
実は、私も数ページ書かせていただいていますので、興味のある方は是非とも手にとってほしいです(笑)
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競馬の本のおすすめ:まとめ
今回は、私がこれまで読んだ競馬書籍でオススメしたい8冊をご紹介しました。
どれも競馬ファンなら読んで損はしない、いや逆に徳を得られる書籍ばかりです。
冒頭にも書きましたが、今の時代では紙媒体ではなくスマホでサクッと読めますので、通勤時間や馬券予想の合間などに手にとってみてはいかがでしょうか。