ばんえい競馬の重賞レースとは?最大1tのソリを引くばんえい記念にも注目 

ばんえい競馬といえば、重りを載せたソリを引く馬たちの迫力あるレースが特徴ですよね。その力強さは、他の競馬競技とは全く異なる魅力があります。 

そして、そんなばんえい競馬にも、中央競馬と同様に格付けされた重賞レースが存在していることをご存知でしょうか? 

3歳馬の頂上決戦である【ばんえいダービー】や、ばんえい競馬の中では日本ダービーや有馬記念に匹敵するほど注目度の高い【ばんえい記念】など、様々な重賞レースが開催されています。これらのレースでは、一年を通して鍛え上げられた馬たちが、その強さを競い合い、ファンを熱狂させてくれます。 

この記事では、ばんえい競馬ならではの重賞レースの魅力を、より深く掘り下げていきます。

ばんえい競馬の重賞レースが気になる方はぜひご覧ください! 

目次

ばんえい競馬の重賞レースについて 

一般的な競馬の重賞は G1からG3といったレースのレベルを示す【グレード】というものが存在します。 

ばんえい競馬のグレードも同様にBG1からBG3まであり、数字が小さいほどレベルが高いレースとなります。この【BG】は【ばんえいグレード】の略です。 

ばんえい競馬には、全部で27個の重賞レースが存在します。その中でも特に注目なのがレベルが一番高いBG1レースです。BG1レースは全部で7個あり、一年で最も寒い12月から3月にかけて、7つのレースすべてが集中して行われます。 

つまり、多くのファンにとってばんえい競馬は冬が最も熱いシーズンと言えるのです。 

ばんえい競馬の重賞 BG1レースの紹介 

前章でも触れましたが、ばんえい競馬のBG1競走は冬時期に集中して開催されます。

今回は、特に盛り上がりを見せる7つのBG1レースを1つずつ解説していきます。 

ばんえいオークス 

創設1976年
出走条件3歳牝馬
負担重量定量
1着賞金(2024年時点)300万円

ばんえいオークスは3歳の牝馬限定のレースで、牝馬クラシックの一冠です。ばんえい3歳牝馬にとっては唯一の世代重賞です。将来の繁殖牝馬となる有力な馬が集まり、激しい戦いを繰り広げます。 

1976年に【ばんえい優駿牝馬】の名で創設され、後に現在の【ばんえいオークス】に名称が変更されました。 

開催日も11月下旬~12月と、日本の公営競馬で行われる【オークス】と名のついた重賞競走の中では最も遅い時期の開催となっています。 

ばんえいダービー 

創設1972年
出走条件3歳
負担重量定量
1着賞金(2024年時点)300万円

ばんえいダービーは3歳の牡馬限定のレースで、牡馬クラシックの一冠です。将来の種牡馬となる有力な馬が集まり、ばんえい競馬界のトップを目指して競います。 

1972年に【ばんえい優駿】として創設し、1990年に現在の【ばんえいダービー】の名称に変更されました。 

2004年までは主に旭川競馬場で行われていましたが、2005年より帯広競馬場で12月に行われています。 

【3歳三冠】最終戦に位置付けられており、3歳限定の【ダービー】を冠する競走としては、中央・地方を通じて最も遅い時期に開催されています。 

帯広記念 

創設1978年
出走条件4歳以上
負担重量別定
1着賞金(2024年時点)500万円

帯広記念は毎年正月の風物詩として知られる重賞レースです。1998年より正月開催の目玉レースとして設定、以降の開催日は1月2日に固定されています。4歳以上のオープン馬が集まり、新年の覇者を争います。 

帯広記念は1978年に創設され、創設当時から帯広競馬場の看板レースとして定着しています。2006年までは岩見沢・北見・旭川でも都市名を冠した記念レースが開催されており、これら3つ並んで四市記念競走と呼ばれていました。 

古馬BG1競走としては【ばんえい記念】に次いで格式の高いレースに位置付けられています。ばんえい記念に次ぐ高重量戦であることからばんえい記念へのステップレースという意味合いも強く、歴代の優勝馬にはばんえい記念優勝馬も数多くいます。 

天馬賞 

創設2008年
出走条件5歳
負担重量定量
1着賞金(2024年時点)300万円

2007年、4歳馬(明け5歳)の活躍の場として創設された天馬賞は、新年早々に行われることから、若き才能たちの熱い戦いが繰り広げられます。開催日は毎年1月3日に固定されています。 

帯広記念とともに、ばんえい競馬のお正月を彩る伝統的なレースの一つです。4歳(明け5歳)限定の重賞はサラブレッド競走ではあまり例を見ないことから、ばんえい競馬ならではと言えるでしょう。 

ヒロインズカップ 

創設1990年
出走条件4歳以上牝馬
負担重量別定
1着賞金(2024年時点)300万円

ヒロインズカップは牝馬の古馬に設けられたBG1競走です。

1990年に創設された牝馬限定重賞は、当初は年齢制限のある珍しいレースでしたが、2009年以降は年齢制限が撤廃され、ベテラン馬の活躍の場となりました。2011年には10歳馬、2012年には11歳馬が優勝するなど、年齢に関係なく実力のある牝馬が競う舞台として定着しているのが特徴的です。

2016年にはナナノチカラが牝馬重賞全制覇を達成するなど、数々のドラマを生んできたこのレースは、2019年にBG1に格上げされたことにより、牝馬界の最高峰レースとしてその地位を確立しました。 

イレネー記念 

創設1969年
出走条件3歳
負担重量定量
1着賞金(2024年時点)300万円

1969年に創設されたイレネー賞は、デビューしたばかりの3歳馬の頂点を決める重要な一戦です。 

レース名の【イレネーとは】、馬産王国十勝の礎を築いた名種牡馬、【イレネー号】に由来し、現在行われているばんえい競走の中で唯一、馬の名前に由来するレースとなっています。  

帯広競馬場にはイレネー号の銅像が建立されているほどの名馬で、イレネー記念はレース創設から一貫して帯広競馬場でのみ開催され、帯広競馬場の名物レースとして長年親しまれています。 

ばんえい記念 

創設1968年
出走条件4歳以上選抜
負担重量定量
1着賞金(2024年時点)1,000万円

1968年に誕生したばんえい記念は、数あるBG1競走の中でももっとも知名度の高い重賞です。

開催年度の締めくくりを飾る重賞競走で、中央競馬における有馬記念のような立ち位置であるばんえい記念は最大1トンの重量を背負い、馬と騎手の体力と精神力が試されることから、全重賞の中でも最も過酷なレースといわれています。 

全頭完走するのに10分を超えることもある長いレース時間や、同一馬が複数回優勝するなど、数々の特徴を持ちます。 

非常に過酷な舞台ですが、すべてのばんえい競馬の関係者はばんえい記念を最大目標に日々鍛錬や調教を行っていることから、ばんえい競馬において最高峰のレースであると同時にばんえいファンを熱狂させてやまないのです。 

ばんえい競馬の重賞:まとめ

今回はばんえい競馬の重賞レース、特にBG1のレースについて解説しました。 

ばんえい競馬は馬齢が高くても活躍する馬も多く、BG1を連覇するのも醍醐味だと思います。 

冬の12月~3月にかけてはぜひばんえい競馬に注目していただきたいです。 

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