競馬ファンの間でよく耳にする「穴党(あなとう)」という言葉。
これは、人気の高い馬よりも人気薄の“穴馬”を狙って高配当を狙うタイプの予想スタイルを指します。
一見すると無謀にも思えますが、実はレース展開や馬場傾向を深く読み、回収率で勝つことを目指す理論派のファンも多いのが特徴です。
本記事では、「穴党とは何か?」という基礎から、本命党との違い、向いている人の特徴、そして実際の馬券戦略までを詳しく解説します。
競馬の穴党とは?
競馬における「穴党」とは、人気の高い本命馬ではなく、人気の盲点にある馬=穴馬を中心に馬券を組み立てるスタイルのことを指します。
単なるギャンブル好きというよりも、「展開の読み」や「データ分析」で他人が見落とした一頭を見抜く思考派も多く存在します。
ここからは、そんな穴党という言葉の由来と、本命党との違いを詳しく見ていきましょう。
穴党という言葉の由来
「穴党」という言葉は、競馬用語の「穴馬」から派生した表現です。
「穴馬」とは、多くのファンが注目していない人気薄の馬のことを指し、そんな馬を中心に馬券を買う人を「穴党」と呼ぶようになりました。
語源をたどると、昭和期の競馬新聞やスポーツ紙で「穴狙い」「穴記者」などの表現が広まり、そこから自然に定着したといわれています。
つまり「穴党」とは、多数派とは逆の視点から勝負に挑むファンの総称であり、的中すれば万馬券級のリターンを狙える、ロマンあるスタイルなのです。
本命党との違い
「本命党」と「穴党」は、どちらも競馬を楽しむうえでのスタイルの違いを示す言葉です。
本命党は当てる確率の高さを重視する堅実派であり、人気上位馬を軸に着実な的中を目指します。
一方の穴党は高配当を狙うリスク型で、人気薄の馬を中心に勝負します。
どちらが正しいというわけではなく、目指す楽しみ方や資金配分の考え方によって選ぶスタイルが変わります。
以下の表で両者の特徴を整理してみましょう。
| 項目 | 本命党 | 穴党 |
|---|---|---|
| 重視する点 | 的中率 | 回収率 |
| 買い方 | 人気馬中心 | 人気薄中心 |
| 心理傾向 | 安定志向 | 逆張り・挑戦志向 |
| 代表的な券種 | 馬連・ワイド | 3連複・3連単 |
| メリット | 当たりやすい | 高配当が狙える |
穴党に向いている人の特徴
穴党に向いているのは、的中率よりも回収率を重視する合理派タイプです。
一度の大当たりに価値を見出し、勝負どころを見極める冷静さを持っています。
ただし、ハイリスク・ハイリターンの側面もあり、性格や考え方によっては向き不向きが分かれるスタイルです。
ここからは、そんな穴党の長所と短所を整理していきましょう。
穴党の長所と短所
穴党の最大の長所は、一撃の破壊力がある高配当を狙える点です。
人気薄の馬を的中させたときのリターンは大きく、数回の的中で年間収支をプラスにできる可能性もあります。
また、他人と異なる視点でレースを読むため、予想の幅が広がり、展開分析やオッズ理解が自然と深まるのも魅力です。
一方で短所は、的中率が低く連敗が続きやすいことです。
精神的にブレやすく、資金管理を誤ると大きく損をするリスクもあります。
穴党は、感情よりも「期待値」と「回収率」を基準に冷静に勝負できるかが鍵です。
このバランス感覚こそが、長く勝ち続けるための第一歩といえるでしょう。

穴党の馬券スタイル
穴党にとって、馬券の買い方は戦略そのものです。
3連複や3連単といった高配当型の券種は、人気薄を絡めることで一撃の可能性を秘めています。
特に「人気薄×人気馬」という組み合わせは、現実的かつ夢のあるバランス型の狙い方です。
ここからは、穴党が実際にどんな買い方をするのか、そしてどんなレースを狙うべきなのかを見ていきましょう。
フォーメーション・ボックスで攻める
穴党が得意とするのは、高配当を狙えるフォーメーションやボックス買いです。
たとえば「軸2頭流し」なら、信頼できる人気馬と自信のある穴馬を軸に設定し、他の人気薄へ広く流すことで的中率と配当の両立を狙えます。
また、3連複や3連単のボックス買いを活用すれば、予想の組み合わせを柔軟に展開でき、思わぬ万馬券を拾えることもあります。
大切なのは「闇雲に穴を買う」ことではなく、展開や脚質、馬場傾向を踏まえて買い目を絞ることです。
緻密な予想と計画的な資金配分こそが、穴党の勝負を支える最大の武器といえるでしょう。

穴党が狙うべきレース傾向
穴党が勝負すべきなのは、実力差が拮抗していて波乱の余地があるレースです。
たとえば、ハンデ戦や条件クラス、フルゲートの多頭数レースは展開が読みにくく、人気馬が崩れる可能性が高まります。
また、雨や強風などで馬場が荒れる日も、人気薄の一発が決まりやすいタイミングです。
さらに、ペースが速くなりそうな展開では、逃げ・先行馬が潰れて差し馬が浮上するなど、レースの構造そのものが波乱を生む要因になります。
つまり穴党にとって重要なのは、「どの馬を買うか」よりも、「どのレースで勝負するか」。
荒れる兆候を見抜く目こそが、高配当への最短ルートなのです。

まとめ|穴党は“回収率”で勝つスタイル
穴党とは、単なる「一発狙いのギャンブラー」ではなく、長期的な回収率で勝負する戦略派です。
人気薄を見抜く観察眼と、冷静な資金管理によって、少ない的中でもプラス収支を実現できます。
的中率よりも期待値を重視し、周囲が見落とした一頭を拾い上げるのが真の醍醐味です。
ただし、闇雲に穴を狙うのではなく、データと展開を読み解き、勝負レースを見極めることが大切です。
「外れてもブレない」「当たれば大きい」――この精神こそが、穴党の最大の強みといえるでしょう。

