競馬新聞やレース結果を見ていると、「上がり3F」や「上がり最速」という表記を目にすることがあります。
競馬予想で重視されているデータですが、数字の読み方や速さの基準が分からない人もいるでしょう。
また、上がりタイムに付いている色の意味や、どこで確認できるのか気になる人もいるかもしれません。
上がりタイムからは、競走馬の瞬発力や末脚の持続力、レース展開との相性などを読み取れます。
ただし、最も速い数字を記録した馬が、必ず高い能力を持っているとは限りません。
当記事では、競馬の上がりタイムに関する基本的な知識から、基準や平均、見方、確認方法まで初心者向けに解説します。
JRAにおける最速記録や、競馬予想で活用するときの注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
競馬の上がりタイムとは?
上がりタイムは、競走馬が終盤にどれだけ速い脚を使ったのか判断するためのデータです。
競馬では上がり3ハロンの数字が使われることが多く、レース結果や競馬新聞などに掲載されています。
ここからは、上がりタイムが示す区間と、レース全体の上がりとの違いを解説します。
ゴールまでの最後の3ハロンにかかったタイム
競馬の上がりタイムとは、ゴールまでの最後の一定区間を走るのにかかった時間です。
一般的には「上がり3ハロン」を指し、ゴールまでの最後の600mに要したタイムが記録されます。
競馬で使用される1ハロンは200mなので、3ハロンは600mです。
上がり3ハロンを33秒5で走った場合は、レース結果などに「33.5」と表示されます。
上がり4ハロンが掲載されている場合は、ゴールまでの最後の800mにかかったタイムです。
通常の競馬予想では上がり3ハロンが重視されるため、単に「上がり」と呼ばれている場合も、最後の600mを示していると考えてよいでしょう。
レースの上がりと各馬の上がりは異なる
競馬では、レース全体の上がりタイムと各馬の上がりタイムが掲載されることがあります。
各馬の上がりは、それぞれの競走馬が残り600m地点を通過してからゴールするまでにかかった時間です。
一方、レースの上がりは、レース全体における最後の3ハロンのラップを合計した数字となります。
途中で先頭馬が入れ替わることもあるため、必ずしも特定の1頭が記録したタイムとは限りません。
競走馬の末脚を評価する場合は、各馬の上がりタイムを確認しましょう。
レース全体の上がりからは、先行馬に有利な流れだったのか、後方の馬が差しやすい展開だったのかを分析できます。
競馬における上がりタイムの見方
上がりタイムは数字が小さいほど、対象となる区間を速く走ったことを意味します。
さらに、出走馬の中で何番目に速かったのか確認することで、末脚の評価がしやすくなるでしょう。
ここからは、上がり最速の意味と、タイムに付けられている色の見方を紹介します。
最も数字が小さい馬が上がり最速となる
上がり最速とは、出走馬の中で最も速い上がりタイムを記録したことです。
上がり33秒2と34秒0の馬を比較した場合は、33秒2の馬が速い末脚を使ったことになります。
上がり最速を記録した馬は、レース終盤に高い瞬発力を発揮したと評価できるでしょう。
ただし、上がり最速と1着馬が一致するとは限りません。
後方から追い込んだ馬が最も速い上がりを使っても、前を走る馬に届かず敗れることがあります。
着順と上がり順位を一緒に確認すれば、展開が向かなかった馬や、着順以上に優秀な末脚を見せた馬を探しやすくなります。

上がりタイムの色は順位を示している
競馬情報サイトでは、上がりタイムの順位を分かりやすくするため、上位の数字に色が付けられることがあります。
例えば、netkeibaの「今週のレース傾向」では、上がり1位が黄色、2位が青色、3位が赤色です。
個別ラップの画面では、1位が黄色、2位が青色、3位が茶色で表示されます。
同じサイト内でも使用する機能によって3位の色が異なるため、色だけで判断するのは避けましょう。
競馬新聞やほかの情報サイトでも、独自の色分けが使われる場合があります。
上がりタイムの色は競馬全体で統一されたルールではないため、初めて利用するサービスでは表示方法や凡例を確認してください。
競馬の上がりタイムにおける基準と平均
上がりタイムには、すべての競馬場やレースに共通する基準がありません。
芝・ダートの違いや距離、馬場状態、展開などによって、記録される数字が変化するからです。
ここからは、一般的な平均タイムの目安と、条件によって数字が変わる理由を解説します。
芝では34秒から35秒台がひとつの目安
中央競馬の芝レースでは、上がり3ハロンの平均として34秒から35秒台がひとつの目安になります。
33秒台を記録すれば速い末脚と評価されやすく、32秒台は非常に速い水準です。
ただし、この目安がすべての芝レースに当てはまるわけではありません。
高速馬場で道中がスローペースになれば、複数の馬が33秒台の上がりを記録することもあります。
ダートは芝より時計がかかりやすく、35秒台後半から38秒台になるレースも珍しくありません。
上がりタイムの平均を確認するときは、競馬場、コース、距離、芝・ダート、クラスなどの条件をそろえて比較しましょう。

馬場状態やレース展開によって基準が変わる
雨の影響を受けた芝コースでは走りづらくなり、良馬場より上がりタイムがかかる場合があります。
ダートは適度に水分を含むことで砂が締まり、乾いた馬場より時計が速くなるケースもあるでしょう。
レース展開も数字を大きく左右します。
前半が遅いスローペースでは、競走馬が終盤まで体力を温存できるため、速い上がりが出やすくなります。
反対に、序盤から速いハイペースになると消耗が激しくなり、最後の600mでタイムを落とす馬が増えるでしょう。
上がり33秒台という数字だけで高く評価せず、当日の馬場や道中のペースを踏まえて判断することが重要です。
競馬の上がりタイムはどこで見られる?
上がりタイムは、レース終了後に複数の媒体で確認できます。
無料で利用できる公式サイトもあるため、特別な競馬ソフトを用意する必要はありません。
ここからは、上がりタイムを確認できる主な媒体と、掲載されている場所を紹介します。
JRAや地方競馬の公式サイトで確認できる
中央競馬の上がりタイムは、JRA公式サイトのレース結果から無料で確認できます。
確認したい開催日と競馬場、レース番号を選び、成績表の「後3F」の欄を見てください。
レース全体の上がり3ハロンや、出走馬ごとの上がりタイムが掲載されています。
地方競馬については、地方競馬全国協会が運営する地方競馬情報サイトでレース結果を検索できます。
主催者や競馬場によって表示方法が異なる場合はありますが、各馬の上がり3ハロンを調べることが可能です。
公式サイト以外では、netkeibaやJRA-VAN、スポーツナビなどでも確認できます。
競馬新聞の馬柱にも過去レースの上がりタイムが掲載されているため、予想する際に利用しやすい媒体を選びましょう。
競馬における上がりタイムの最速記録
上がりタイムは競馬場の形態や距離、馬場状態の影響を強く受けます。
そのため、最速記録だけで競走馬の能力を順位付けすることはできませんが、記録として注目される数字は存在します。
ここからは、JRAで史上最速タイとして知られている上がり3ハロンを紹介します。
JRAの上がり3ハロン最速タイは31秒4
JRAの上がり3ハロン史上最速タイとして知られているのは31秒4です。
ルッジェーロとリバティアイランドの2頭が記録しています。
ルッジェーロは2018年の新潟芝1,000mで31秒4を記録しました。
リバティアイランドは2022年7月30日に行われた新潟芝1,600mの新馬戦で同じ数字をマークしています。
特にリバティアイランドは、ゴールまで残り600mある芝1,600mのレースで31秒4を記録したことで注目を集めました。
ただし、直線1,000mと芝1,600mでは条件が大きく異なります。
最速タイムを見る際も、競馬場や距離、レース展開を含めて評価する必要があります。
上がりタイムを競馬予想で活用する方法
上がりタイムを分析すると、競走馬の末脚や展開との相性を把握できます。
一方で、過去に速い上がりを記録しているだけでは、次走でも同じ脚を使えるとは限りません。
ここからは、上がりタイムから注目馬を探す方法と、予想に使う際の注意点を紹介します。
上がり順位から着順以上に評価できる馬を探す
上がりタイムを予想に使う場合は、過去の上がり順位を確認しましょう。
近走で何度も上がり1位から3位を記録している馬は、安定した末脚を持っていると判断できます。
特に注目したいのは、上がり最速を記録しながら着順が悪かった馬です。
後方に位置していたため届かなかった馬や、直線で進路が狭くなった馬は、次走で展開が向けば巻き返す可能性があります。
コーナー通過順位と組み合わせれば、どの位置から追い上げたのかも把握できるでしょう。
前走の着順だけで評価を下げず、終盤にどれだけ順位を上げたのか確認することが穴馬の発見につながります。
位置取りとペースを考慮して評価する
後方で脚をためた馬は、逃げ馬や先行馬より速い上がりを記録しやすい傾向があります。
そのため、上がり最速だったという理由だけで、レース内容が最も優秀だったとは判断できません。
ハイペースを前方で追走しながら上位の上がりを使った馬は、数字以上に強い内容だった可能性があります。
反対に、極端なスローペースで後方にいた馬が速い上がりを記録しても、前との差をほとんど縮めていない場合があるでしょう。
競馬場によっても求められる末脚は異なります。
長い直線で瞬発力を活かせるコースなのか、短い直線で早めに動く必要があるのかを確認し、次走の条件に合う馬を選んでください。

競馬の上がりタイムまとめ
競馬の上がりタイムは、主にゴールまでの最後の3ハロン(600m)にかかったタイムを指します。
数字が小さいほど速く、出走馬の中で最も小さい数字を記録した馬が上がり最速です。
芝では34秒から35秒台がひとつの目安になりますが、競馬場や馬場状態、レース展開によって基準は変わります。
タイムに付けられた色は上がり順位を示している場合があるものの、色分けはサービスごとに異なる点に注意しましょう。
上がりタイムはJRAや地方競馬の公式サイト、競馬情報サイト、競馬新聞などで確認できます。
予想では数字だけを比較せず、上がり順位や位置取り、展開、コース適性まで含めて評価することが大切です。

