2026年10月4日、フランスのパリロンシャン競馬場で世界最高峰の芝レース「凱旋門賞」が行われます。
今年、日本から出走を予定しているのはメイショウタバルとアドマイヤテラの2頭です。
宝塚記念を連覇したメイショウタバルと、阪神大賞典を制して天皇賞(春)でも3着に入ったアドマイヤテラ。タイプは異なりますが、どちらもスタミナやパワーを生かせる実績馬です。
結論からいえば、2頭とも簡単な挑戦ではないものの、凱旋門賞を勝つための明確な強みを持っています。
この記事では凱旋門賞の特徴、2頭とパリロンシャン競馬場との相性、勝つために必要な条件、さらに2026年の海外有力馬3頭を初心者向けに解説します。
※出走馬、騎手、枠順などの情報は2026年9月30日時点のものです。正式な出馬表発表後に変更される可能性があります。
凱旋門賞2026とは?レースの基本情報
凱旋門賞は、フランスのパリロンシャン競馬場で毎年10月に行われる芝2400メートルのG1競走です。
| 開催日 | 2026年10月4日(日) |
|---|---|
| 開催場所 | フランス・パリロンシャン競馬場 |
| 距離 | 芝2400メートル・右回り |
| 条件 | 3歳以上・牡馬および牝馬 |
| 日本馬 | メイショウタバル、アドマイヤテラ |
日本馬はこれまで何度も挑戦していますが、まだ優勝したことがありません。エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルが2着に入ったものの、頂点にはあと一歩届いていない状況です。
日本の一流馬でも苦戦する理由は、単に相手が強いからだけではありません。日本とは大きく異なるコース、芝、斤量、レース展開への対応力が求められるからです。

凱旋門賞の舞台にはどのような特徴がある?

約10メートルの高低差がある
パリロンシャン競馬場の大きな特徴が、約10メートルとされるコース全体の高低差です。
JRAでも特に高低差が大きい中山競馬場が5.3メートルのため、その約2倍に相当します。平坦で高速決着になりやすい日本の競馬場とは違い、坂を上り下りしながら走るパワーと持久力が必要です。
フォルスストレートで仕掛けを我慢する必要がある
最後の直線へ入る前には、約250メートルの「フォルスストレート」と呼ばれる区間があります。日本語では「偽りの直線」とも呼ばれ、直線に見えても実際にはまだコーナーの途中です。
ここで早くスパートすると、本当の直線に入ってから脚が残らない可能性があります。騎手には、馬の手応えを残しながら仕掛ける冷静な判断が求められます。
日本より力の必要な芝になりやすい
欧州の芝は日本より長く、雨が降ると水分を含んで重くなります。同じ芝2400メートルでも、日本ダービーやジャパンカップとは走る感覚が大きく異なります。
スピードだけで押し切ることは難しく、最後までバテずに脚を動かせるパワーが重要です。一方で、今年はレース週前半の段階では例年より速めの馬場になる可能性も伝えられています。
3歳馬との斤量差がある
2026年の凱旋門賞では、4歳以上の牡馬が59.5キログラム、3歳牡馬が56.5キログラムを背負います。
5歳牡馬のメイショウタバルとアドマイヤテラは59.5キログラムを背負う見込みです。3歳牡馬とは3キログラムの差があるため、接戦になった場合は若い馬が有利になることがあります。
凱旋門賞では「どの馬が強いか」だけでなく、年齢と性別による斤量差も重要なポイントです。

メイショウタバルは凱旋門賞を勝てる?

メイショウタバルの最大の強みは、パワーの必要な馬場でも高い能力を発揮できる点です。
2026年の宝塚記念では、突然の大雨によって重馬場となった阪神芝2200メートルを勝利。前年に続く連覇を達成しました。重馬場の毎日杯や道悪だった神戸新聞杯でも結果を残しており、時計のかかる馬場は苦にしません。
メイショウタバルの強み
- 重馬場やパワーの必要な芝で実績がある
- 先行して自分からレースを動かせる
- 宝塚記念連覇のG1実績がある
- 逃げだけでなく2番手でも折り合える
- 父ゴールドシップ譲りの持久力がある
以前は逃げなければ力を発揮できない印象もありましたが、2026年の宝塚記念では離れた2番手から勝利しました。控える競馬ができるようになったことは、凱旋門賞へ向けて大きな成長です。
多頭数の海外G1では、他馬から厳しく競りかけられる可能性があります。絶対に逃げなければならない馬よりも、展開に応じて位置を調整できる馬の方が戦いやすくなります。
メイショウタバルの不安材料
不安材料は芝2400メートルの距離と、前半から競り合った場合の消耗です。
凱旋門賞は坂の上り下りがあり、見た目以上にスタミナを消費します。序盤から速いペースで逃げたり、複数の馬に競りかけられたりすると、最後の533メートルで苦しくなるでしょう。
また、宝塚記念から間隔を空けて本番へ向かうため、実戦感覚もポイントです。前哨戦を使わないことは疲労を残しにくい反面、欧州のコースをレースで経験できないという弱点があります。
メイショウタバルの勝ち筋は、前半で余計な力を使わず、フォルスストレートまで自分のリズムを守ることです。
極端な高速馬場よりも、ある程度力を必要とする馬場の方が持ち味を生かしやすいでしょう。ただし、雨が降りすぎて極端な消耗戦になると、59.5キログラムの負担が響く可能性もあります。
アドマイヤテラは凱旋門賞を勝てる?

アドマイヤテラの強みは、長距離を走り切るスタミナと自在性です。
2026年は阪神大賞典を優勝し、天皇賞(春)でも3着。前年には目黒記念を制しており、2400メートル前後から長距離まで安定した能力を発揮しています。
阪神大賞典では好位からレースを進めて勝っているため、後方からの追い込みだけに頼るタイプではありません。凱旋門賞の多頭数で必要になる位置取りの自由度を持っています。
アドマイヤテラの強み
- 2400メートル以上で重賞実績がある
- 折り合いをつけて長く脚を使える
- 好位からでも中団からでも運べる
- 坂や持久力勝負への対応が期待できる
- クリスチャン・デムーロ騎手が騎乗予定
現地での最終追い切りでは、水分を含んだ芝でも力強く走り、騎乗したC・デムーロ騎手は反応の良さを評価しています。
C・デムーロ騎手はフランス競馬の経験が豊富です。フォルスストレートで仕掛けを我慢し、どこから加速するかを判断するうえでも心強い存在になります。
アドマイヤテラの不安材料
最大の不安は、直前の札幌記念で9着に敗れたことです。ただし、札幌記念は芝2000メートルでレコードが記録されたスピード決着でした。
長い距離で持久力を生かすアドマイヤテラにとって、2000メートルの高速決着は最適条件ではなかったとも考えられます。その一戦だけで評価を大きく下げる必要はないでしょう。
一方、凱旋門賞で勝ち切るには、世界トップクラスの馬を直線で振り切る加速力も必要です。後方で構えすぎると、馬群をさばいている間に前の馬が抜け出してしまいます。
アドマイヤテラの勝ち筋は、内側で距離の損を抑え、好位から中団で流れに乗って長く脚を使う形です。
メイショウタバルとアドマイヤテラはどちらが凱旋門賞向き?
| 比較項目 | メイショウタバル | アドマイヤテラ |
|---|---|---|
| 脚質 | 逃げ・先行 | 先行・差し |
| 最大の強み | パワーと展開を作る能力 | スタミナと立ち回りの自在性 |
| 道悪実績 | 非常に高い | 未知の部分はあるが追い切りは良好 |
| 2400m適性 | 距離克服がポイント | 重賞実績があり期待できる |
| 勝つための展開 | 無理なく先行できる展開 | 好位でロスなく運べる展開 |
| 主な不安 | 距離、同型馬、59.5kg | 決め手、札幌記念9着、59.5kg |
一発の可能性を感じさせるのはメイショウタバルです。ほかの馬が経験したことのないペースを作り、後続に脚を使わせることができれば、そのまま押し切る展開も考えられます。
一方、芝2400メートルへの適性とレース運びの安定感では、アドマイヤテラに魅力があります。前の馬が苦しくなる消耗戦なら、最後まで長く脚を使える強みが生きるでしょう。
馬場が重くなり、単騎に近い形で先行できればメイショウタバル。平均的な馬場でロスなく立ち回れる枠ならアドマイヤテラが狙いやすいという見方ができます。
凱旋門賞2026の海外有力馬3頭

日本馬が凱旋門賞を勝つためには、欧州のトップホースを倒さなければなりません。現時点で特に注目したい外国馬は、ダリズ、マルティーズクロス、カルパナの3頭です。
ダリズ|前年王者が連覇を狙う
最有力候補は、2025年の凱旋門賞を制したダリズです。
パリロンシャン競馬場で非常に高い適性を示しており、2026年9月のフォワ賞でも余裕を残して勝利しました。直線では手応え十分に先頭へ立ち、強く追われることなく後続を退けています。
コース適性、2400メートルの実績、前哨戦の内容のすべてがそろっています。日本馬にとって最も大きな壁となる存在でしょう。
強み:前年優勝、パリロンシャン巧者、自在性、前哨戦の好内容
マルティーズクロス|斤量が魅力の3歳馬
マルティーズクロスは、2026年の英ダービーで2着に入り、パリ大賞を制した3歳牡馬です。その後はグレートヴォルティジュールステークスも勝利しました。
パリ大賞は凱旋門賞と同じパリロンシャン芝2400メートルで行われます。すでに本番と同じ舞台でG1を勝っていることは大きな強みです。
さらに3歳牡馬の負担重量は56.5キログラム。59.5キログラムを背負う日本の2頭より3キログラム軽く、長い直線での競り合いでは大きな武器になります。
強み:同舞台のG1勝利、3歳馬の斤量、2400m適性、成長力
カルパナ|キングジョージを制した実力馬
カルパナは2026年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスで、世界トップクラスのカランダガンを破って優勝しました。
続くヨークシャーオークスでも、早めに前の馬を捕まえに行く難しい展開をしのいで勝利。瞬発力だけでなく、スタミナと勝負根性の高さも証明しています。
5歳牝馬のため負担重量は58キログラムです。3歳馬ほど軽くはありませんが、メイショウタバルとアドマイヤテラより1.5キログラム軽い条件になります。
強み:キングジョージ優勝、2400m実績、勝負根性、牝馬の斤量
日本馬2頭が凱旋門賞を勝つための条件
メイショウタバルとアドマイヤテラが勝つためには、能力だけでなく枠順、馬場、展開がうまくかみ合う必要があります。
- 極端な外枠を避ける
- 序盤で余計な力を使わない
- 馬群の中で落ち着いて走る
- フォルスストレートで仕掛けを我慢する
- 直線までスタミナを残す
- 欧州の有力3歳馬との斤量差を克服する
メイショウタバルは自分のリズムで先行できるか、アドマイヤテラは馬群の中で距離の損なく運べるかが重要です。
両馬とも後方から直線だけで全馬を差し切るタイプではありません。日本馬2頭の勝利には、前半から良い位置を確保しながらスタミナを温存する競馬が必要です。

まとめ
2026年の凱旋門賞に出走予定のメイショウタバルとアドマイヤテラは、どちらも人気上位の外国馬より評価が低くなる可能性があります。
しかし、メイショウタバルには重い馬場を苦にしないパワーと先行力、アドマイヤテラには2400メートル以上で結果を残してきたスタミナと自在性があります。
特にメイショウタバルは、宝塚記念連覇によって道悪と持久力勝負への強さを証明しました。アドマイヤテラも、札幌記念の着順だけでは判断できない長距離実績を持っています。
一方、前年王者ダリズ、3歳馬マルティーズクロス、キングジョージ優勝馬カルパナなど、海外勢は非常に強力です。日本の2頭は59.5キログラムを背負うため、斤量面でも楽ではありません。
簡単に「勝てる」とはいえませんが、2頭とも凱旋門賞の特殊な舞台で生かせる武器を持っており、枠順・馬場・展開がかみ合えば日本馬初優勝の可能性はあります。
最終的な評価は、枠順と当日の馬場状態を確認してから判断しましょう。

