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JRA・地方競馬のひらがな重賞競走一覧|名前の由来と地域のつながりを解説

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日本の競馬には「きさらぎ賞」や「かしわ記念」など、ひらがなで表記された重賞レースがいくつも存在します。

一見すると柔らかく可愛らしい印象を与えますが、その多くには地域の歴史や文化を伝える意味が込められています。

たとえば、京都を表す「みやこ」や、柏市の名にちなんだ「かしわ」など。

この記事では、そんな“ひらがなの重賞”をJRAと地方交流に分けて紹介し、それぞれの名前に込められた想いを探っていきます。

目次

ひらがなのJRA重賞レース一覧

JRA(中央競馬)には、漢字やカタカナではなく、ひらがなで表記された重賞レースがいくつかあります。

どのレース名にも独自の由来があり、親しみやすさや日本的な響きを大切にして名付けられています。

ここでは、JRAで開催されているひらがなの名前の重賞競走を紹介します。

きさらぎ賞

グレードG3
創設1961年
開催競馬場京都競馬場
コース芝1,800m
出走条件3歳
負担重量馬齢
1着賞金4,100万円
2025年の情報です。

きさらぎ賞は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で行う3歳限定の重賞競走です。

「きさらぎ(如月)」とは旧暦2月を意味し、早春のクラシックシーズン開幕を告げる伝統レースとして親しまれています。1961年に中京競馬場で創設され、のちに京都競馬場へ移設。

長く「NHK賞きさらぎ賞」として行われてきましたが、2024年に副称が外れました。

近年はきさらぎ賞をステップにクラシックを制する馬は2016年のサトノダイヤモンド以来出ていませんが、2025年の勝ち馬サトノシャイニングや2着リンクスティップは、その後クラシックで好走し、再び出世レースとして注目を集めています。

しらさぎステークス

グレードG3
創設2025年
開催競馬場阪神競馬場
コース芝1,600m
出走条件3歳以上
負担重量別定
1着賞金4,100万円
2025年の情報です。

しらさぎステークスは、日本中央競馬会(JRA)が阪神競馬場で施行する芝1,600mの重賞競走です。

競走名の「しらさぎ」は兵庫県姫路市にある姫路城の別名「白鷺城」に由来しており、地域の文化と景観美を象徴しています。

2025年に新設された重賞で、夏の古馬マイル路線を盛り上げるサマーマイルシリーズ第1戦として創設。

前身は長年親しまれた「米子ステークス」で、同レースの格付け実績をもとに初年度からG3としてスタートしました。


初代優勝馬はキープカルム。

地方馬や外国馬の出走も認められており、国際色と地域性を併せ持つ注目の新設重賞です。

みやこステークス

グレードG3
創設2010年
開催競馬場京都競馬場
コースダート1,800m
出走条件3歳以上
負担重量別定
1着賞金4,000万円
2025年の情報です。

みやこステークスは、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場のダート1,800mで施行する重賞競走です。

レース名の「みやこ」は“都”を意味し、長く日本の中心として栄えた京都を象徴しています。

2010年に新設され、前年までオープン特別だったトパーズステークスを格上げして誕生。

ジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)の前哨戦として位置づけられ、優勝馬には同レースへの優先出走権が与えられます。

地方所属馬や外国馬にも門戸が開かれており、歴代にはトランセンドやインカンテーションなどのダート重賞常連馬が名を連ねます。

京都の名を冠する“みやこ”の名にふさわしく、格式と伝統を感じさせる秋のダート決戦です。

ひらがなの地方交流重賞レース一覧

地方競馬でも、ひらがなで表記された重賞レースが数多く存在します。

それぞれの競走名には、開催地や地域の象徴が込められており、地元ファンに長く親しまれています。

ここでは、地方競馬とJRAの交流重賞として実施されている「かきつばた記念」「かしわ記念」「さきたま杯」の3つを紹介します。

かきつばた記念

グレードJpn3
創設1999年
開催競馬場名古屋競馬場
コースダート1,500m
出走条件4歳以上
負担重量別定
1着賞金3,000万円
2025年の情報です。

かきつばた記念は、愛知県競馬組合が名古屋競馬場のダート1,500mで施行する地方交流重賞です。

競走名の「かきつばた」は愛知県の県花で、地元の自然と文化を象徴しています。

1999年に中央・地方全国指定交流競走として創設され、当初は旧名古屋競馬場のダート1,400mで実施されていました。

2022年に名古屋競馬場が弥富市へ移転したことに伴い、距離が1,500mに延長。

2024年からは中日新聞社が賞を提供し、正式名称を「中日新聞杯 かきつばた記念」としています。

春の古馬短距離ダート路線の一戦として位置づけられ、スマートファルコンやイグナイターなど、後の大レースで活躍する実力馬も多く勝ち馬に名を連ねています。

かしわ記念

グレードJpn1
創設1989年
開催競馬場船橋競馬場
コースダート1,600m
出走条件4歳以上
負担重量定量
1着賞金8,000万円
2025年の情報です。

かしわ記念は、千葉県競馬組合が船橋競馬場のダート1,600mで施行する地方競馬の交流重賞です。

競走名の「かしわ」は、かつて千葉県柏市に存在した柏競馬場に由来しており、同競馬場で行われた第1回千葉県営競馬を記念して1989年に創設されました。

当初は南関東の重賞としてスタートしましたが、1996年に中央・地方全国指定交流競走となり、全国のトップホースが集う春のダートマイル決戦として定着。

格付けは2005年にJpn1へと昇格し、現在では帝王賞やマイルチャンピオンシップ南部杯へとつながる重要なステップレースとなっています。

エスポワールシチーやコパノリッキー、ゴールドドリームなど歴代の名ダート馬が制しており、船橋競馬を代表する大一番として親しまれています。

さきたま杯

グレードJpn1
創設1997年
開催競馬場浦和競馬場
コースダート1,400m
出走条件3歳以上
負担重量定量
1着賞金8,000万円
2025年の情報です。

さきたま杯\は、埼玉県浦和競馬組合が浦和競馬場のダート1,400mで施行する地方競馬の交流重賞\です。

競走名の「さきたま」は、行田市にある前玉神社(さきたまじんじゃ)に由来し、県名「埼玉(さいたま)」の語源ともされる神社です。地元の歴史と文化を象徴する名前として親しまれています。

1997年に統一G3として創設され、2011年にはJpn2へ、さらに2024年からはJpn1に昇格しました。

開催時期も6月中旬に移行し、現在では上半期のダート短距離戦線を締めくくる大一番となっています。

レモンポップ、イグナイター、シャマルなど、近年のダート界を代表する実力馬が歴代覇者に名を連ねており、地方と中央のトップスプリンターが激突する“夏前の帝王決戦”として注目を集めています。

なぜ“ひらがな”のレース名が多いのか?|親しみと地域性に込められた想い

ひらがなのレース名には、やわらかく親しみやすい響きがあり、ファンや地域の人々に愛されやすいという特徴があります。

特に地方競馬では、地元の文化や風景、象徴を表す言葉を“ひらがな”で表記することで、地域の温かみや個性を伝える役割を果たしています。

たとえば「みやこステークス」は古都・京都を意味する“都”をひらがなで表し、上品さと伝統を感じさせます。

また「しらさぎステークス」は姫路城の別名“白鷺城”に由来し、地元の誇りを込めた名称です。

「かしわ記念」や「さきたま杯」も同様に、地域の地名や歴史に根差した由来を持ち、それをやわらかく伝えるためにひらがなが選ばれています。

このように、ひらがなのレース名には“地域愛”と“親しみ”という二つの意味が込められており、競馬文化の多様性を象徴しているのです。

ひらがなの重賞競走:まとめ

ひらがなのレース名は、単なる表記の工夫ではなく、地域に根ざした文化や想いを映すものです。

きさらぎ賞やみやこステークスのように古都や季節を表現するものから、かしわ記念やさきたま杯のように地名や伝承を受け継ぐものまで、その背景は実に多彩です。

やわらかな響きを持つひらがなの名前は、競馬をより身近に感じさせるとともに、地元ファンの誇りや絆を感じさせてくれます。

今後も、こうした“ひらがな重賞”が各地の物語とともに、長く愛され続けていくことでしょう。

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