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八大競走とは?制覇した騎手3人の共通点と日本競馬の伝統を解説

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競馬ファンの間でよく耳にする「八大競走」。

これは、JRAが誇る伝統ある8つのG1レースのことを指します。

桜花賞・皐月賞・オークス・日本ダービー・菊花賞・天皇賞(春・秋)、そして有馬記念――。

どれも日本競馬を語るうえで欠かせない名レースばかりです。

グレード制が導入される前は、この8つが“競馬の頂点”とされ、多くの名馬や名騎手が夢を懸けて挑みました。

この記事では、そんな八大競走の意味や歴史、さらにすべてを制覇したレジェンド騎手たちをわかりやすく紹介していきます。

目次

八大競走とは?

八大競走とは、日本中央競馬(JRA)における伝統と格式を誇る8つの主要G1レースのことを指します。

クラシック五大競走(桜花賞・皐月賞・オークス・日本ダービー・菊花賞)に、天皇賞(春・秋)と有馬記念を加えた合計8レースで構成されています。

1984年にグレード制が導入されるまでは、この八大競走こそが“日本競馬の最高峰”として位置づけられていました。

八大競走の一覧

八大競走は、世代や距離を超えて日本競馬の頂点を争う8つのG1レースです。

クラシック世代の3歳馬による伝統レースから、古馬による王者決定戦まで、すべてが競馬ファンの憧れの舞台となっています。

それぞれのレースには独自の歴史や特徴があり、勝利した馬や騎手は“日本競馬の頂点”として名を刻みます。

区分レース名開催場特徴
クラシック桜花賞阪神・芝1,600m3歳牝馬のスピード女王決定戦
クラシック皐月賞中山・芝2,000m3歳牡馬クラシック初戦
クラシック優駿牝馬(オークス)東京・芝2,400m牝馬三冠の二冠目、スタミナ勝負
クラシック東京優駿(日本ダービー)東京・芝2,400m競馬の祭典、三歳馬の頂点
クラシック菊花賞京都・芝3,000m三冠の最終戦、長距離の王者決定戦
古馬天皇賞(春)京都・芝3,200m長距離の伝統ある一戦
古馬天皇賞(秋)東京・芝2,000m中距離の最高峰
古馬有馬記念中山・芝2,500mファン投票で選ばれる年末のグランプリ

八大競走の歴史と由来

八大競走の歴史は古く、戦前に創設されたクラシック五大競走を中心に築かれました。

1956年に有馬記念が新設されたことで、現在の8競走が揃い“八大競走”と呼ばれるようになります。

当時はこれらのレースこそが日本競馬の頂点とされ、勝利は名誉の象徴でした。

次に、時代とともにどのように位置づけが変化していったのかを見ていきましょう。

現在の立ち位置

現在では、八大競走という言葉は主に“歴史的な呼称”として使われています。

1984年にグレード制が導入され、G1・G2・G3といった明確な格付けが定められたことで、八大競走だけが特別視される時代は終わりました。

それでも、桜花賞やダービー、天皇賞、有馬記念などは今なお多くのファンにとって特別な存在です。

また、現代の競馬は路線の多様化が進み、短距離・マイル・牝馬限定など、それぞれに専門性を持つG1が増えました。

ジャパンカップや宝塚記念、秋華賞など新たな大レースが生まれたことで、八大競走の位置づけは“伝統の象徴”へと変化しています。

とはいえ、競馬ファンの間では依然として「旧八大競走」という言葉が使われ、勝利した馬や騎手は今でも特別な評価を受けています。

つまり、八大競走は単なる過去の区分ではなく、日本競馬の歴史を語る上で欠かせない存在です。

その名は今も、競馬文化の礎として語り継がれています。

八大競走を完全制覇した騎手たち

日本競馬の長い歴史の中で、八大競走すべてを勝利した騎手はわずか数人しかいません。

それぞれが異なる時代で活躍し、名馬とともに数々のドラマを生み出してきました。

ここからは、八大競走を完全制覇した3人のレジェンド騎手たちを紹介します。

彼らの偉業は、今なお競馬ファンの間で語り継がれています。

保田隆芳騎手(昭和の名手)

保田隆芳騎手は、戦後の日本競馬を代表する名ジョッキーであり、史上初めて八大競走をすべて制した人物として知られています。

彼の騎乗技術は非常に安定しており、冷静な判断力と馬の個性を引き出す手綱さばきに定評がありました。

特に天皇賞を10勝したことから、盾男と呼ばれていました。まさに昭和競馬の黄金期を象徴する存在です。

当時は現在のように騎手が自由に全国を移動できる時代ではなく、レース数も限られていました。

その中で八大競走を完全制覇するのは至難の業であり、保田騎手の記録はまさに偉業と呼ぶにふさわしいものでした。

後に調教師へ転身してからもメジロアサマやトウショウボーイなど、多くの名馬を育て、日本競馬界に大きな足跡を残しています。

武豊騎手(平成の大記録保持者)

武豊騎手は、平成から令和にかけて日本競馬を牽引してきた国民的ジョッキーです。

1987年のデビュー以来、数々の名馬とともに栄光を掴み、史上2人目となる八大競走完全制覇を達成しました。

さらに驚くべきことに、八大競走のすべてで3勝以上を挙げるという前人未到の記録も持っています。

まさに“八大競走を象徴する騎手”といっても過言ではありません。

その勝ち鞍には、ディープインパクトやスペシャルウィーク、キタサンブラックといった名馬の名前が並びます。

特にダービーや天皇賞、有馬記念など、ファンの注目が最も高い舞台で数多くの勝利を飾ってきました。

勝利インタビューでは常に謙虚な姿勢を崩さず、その人柄と実績で長年トップジョッキーの地位を維持。

まさに平成競馬の象徴と呼ぶにふさわしい存在です。

クリストフ・ルメール騎手(令和の記録保持者)

クリストフ・ルメール騎手は、フランス出身のトップジョッキーであり、日本移籍後に八大競走完全制覇を果たした初の外国人騎手です。

2015年にJRAの通年免許を取得して以降、抜群の安定感と緻密なペース判断で数々のビッグレースを制覇。

2019年には天皇賞・春をフィエールマンで制し、ついに八大競走制覇という偉業を達成しました。

海外出身ながら日本競馬に深く順応し、その騎乗スタイルは「芸術的」とも称されています。

ルメール騎手の魅力は、正確な判断力と勝負どころでの冷静さにあります。

彼のレース運びは無駄がなく、勝てるレースを確実に取りにいく精密さが特徴です。

イクイノックスやアーモンドアイといった名馬とのコンビでも数々の名勝負を演じ、日本のファンからも絶大な支持を集めています。

令和競馬を象徴する存在として、今後も記録を塗り替えていくことが期待されています。

まとめ:八大競走は“日本競馬の伝統の象徴”

八大競走は、ただのG1レースではなく、日本競馬の歴史と伝統を象徴する存在です。

クラシック世代の夢が詰まったレースから、ファン投票で選ばれる有馬記念まで、どの一戦にも深い物語があります。

そして、そのすべてを制覇したわずか3人の騎手は、まさに競馬界のレジェンド。

時代が移り変わっても、八大競走という言葉が持つ重みは色あせることなく、これからも競馬ファンの心に刻まれ続けていくでしょう。

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