現在、フランス競馬で活躍するアレクシス・プーシャン騎手(以下プーシャンに略)が、11月2日に開催される天皇賞・秋(G1)の週から12月28日の有馬記念(G1)の週までの約2か月間、短期騎手免許を取得し、日本での騎乗予定であることが明らかになりました。
プーシャン騎手は、地元フランスで既にG1レースを9勝、今年もフランスリーディングで現在4位につけるなど、若干25歳にして、トップジョッキーの仲間入りを果たしている実力派騎手で、フランス競馬界の次世代を担うスター候補として地元では広く知られています。
日本の騎手に例えると、坂井瑠星騎手のようなイメージといえば、分かりやすいかも知れません。
しかし、日本での騎乗は今回が初来日とあって、知名度はほとんどないかと思います。
そこで今回は、プーシャン騎手について紹介していきたいと思います。
今年のG1シーズンにおいて、間違いなく注目の的になる騎手ですので、この機会にプーシャン騎手のことを知って、馬券購入などのお役立ていただければと思います。ぜひ最後までご高覧ください。
アレクシ・プーシャン騎手とは?
プーシャン騎手は、2000年9月11日にフランスで生まれ、2025年時点で25歳です。
なお、身長、体重に関してはJRAなど、未だ情報の公開はありません。ただ、海外メディアによると、最低騎乗体重は118ポンド(約53.5キロ)とのことですが、今のところ正式な詳細は不明です。
そんなプーシャン騎手は、父親が凱旋門賞を8勝している世界的名門のアンドレ・ファーブル調教師の元で巡業調教師として働いている関係からか、7歳までシャンティイ競馬場内の厩舎で育ちました。
その後、ヨアン・グロー調教師に師事し、騎手としての活動をスタートさせたプーシャン騎手。初勝利は、2016年11月1日にメゾン・ラフィットでパコキードに騎乗して達成しました。
その後、アンドレ・ファーブル厩舎に移籍すると、アンドレ・ファーブル調教師のもとでしっかりと腕を磨き、2019年には、30勝を挙げるなど、フランス競馬においてニュースター誕生の予感を漂わせました。
また、プーシャン騎手は、これまで通算500勝以上を挙げており、冒頭でもお伝えしましたが、G1レースを9勝、現在フランスリーディングでも91勝で4位につけるなど大活躍をみせています。
なお、今回の短期騎手免許での身元引受調教師は、美浦の田中博康調教師となっていますが、今回のプーシャン騎手初来日に対し、田中博康調教師は「2023年から2024年の2年間でG1レースを9勝もしているくらいですから、勝負強さがあるのではないでしょうか。昨年フランスで会って、うまい騎手だなと思って見ていました。今年は行きたいと言ってくれたので…」とコメントしています。
これは、あくまでも憶測ですが、田中博康調教師の「今年は行きたいと言ってくれたので…」とのコメントから、昨年もオファーをかけていたのではないかと思われます。
先日の凱旋門賞(仏G1)では、アロヒアリイで挑戦するなど、今や世界の競馬で活躍を見せる田中博康調教師が認めた実力派ジョッキー・プーシャン騎手の来日がとても待ち遠しくなりますね。

これまでの実績や主な勝ち鞍は?
ここまでプーシャン騎手を簡単にお伝えしましたが、ここからはプーシャン騎手の実績や主な勝ち鞍などを紹介していきます。
まず、フランス競馬においての実績を直近3年間でみますと、2022年が523回騎乗し46勝を挙げ、翌2023年には1,084回の騎乗に対しプーシャン騎手自身初となる年間100勝を超える119勝をマーク。
さらに2024年には、前年比とほぼ同じ1,117回の騎乗に対し、150勝と一気に勝ち星を量産、勝率も13%を記録し、年間リーディングにおいても3位といった活躍を見せました。
ちなみに勝率13%がどれくらいの数字かといいますと、日本人騎手では横山武史騎手や松山弘平騎手、岩田望来騎手らが年間勝率13%前後ですので、日本人騎手に置き換えてイメージすると、今回の短期騎手免許でかなりの活躍が見込めそうですよね。
そして、2025年でも現時点で705回の騎乗に対し91勝と1位のクリスチャン・デムーロ騎手らに次いで4位と好成績をおさめていますので、益々初来日が楽しみになります。
次にこれまで多くの重賞勝利も記録しているプーシャン騎手のG1レースのみを表にまとめました。
開催日 | 競馬場 | レース名 | 競馬場 |
---|---|---|---|
2024/10/06 | パリロンシャン(仏) | マルセルブーサック賞 | ヴァーティカルブルー |
2024/08/18 | ドーヴィル(仏) | ジャンロマネ賞 | マルキーズドゥセヴィニエ |
2024/07/28 | ドーヴィル(仏) | ロトシルト賞 | マルキーズドゥセヴィニエ |
2024/05/26 | パリロンシャン(仏) | イスパーン賞 | マルキーズドゥセヴィニエ |
2024/05/12 | パリロンシャン(仏) | フランス2000ギニー | メトロポリタン |
2024/04/28 | パリロンシャン(仏) | ガネー賞 | アヤザーク |
2023/08/20 | ドーヴィル(仏) | ジャンロマネ賞 | マルキーズドゥセヴィニエ |
2023/08/13 | ホッペガルテン(独) | ベルリン大賞 | シムカミル |
2023/07/30 | ドーヴィル(仏) | ロトシルト賞 | マルキーズドゥセヴィニエ |
このようにプーシャン騎手は、2024年のフランス・2000ギニーをメトロポリタンで制するなど、ここまで9勝をマーク。フランス競馬において注目の若き名手として注目されるのも納得です。
日本での実績は?
今回、初来日となるため、もちろんプーシャン騎手の日本での実績はありませんが、ここでは、日本馬とのつながりについて紹介したいと思います。
これは、2025年の凱旋門賞に出走予定だったシンエンペラーの帯同馬として、フランスに遠征していたジャックオダモが、9月24日にコンピエーニュ競馬場で未勝利戦のベタンクールアンヴァロワ賞(芝1,600m)に出走しました。
そして、そのジャックオダモが未勝利戦に出走した際に騎乗したのが、プーシャン騎手だったのです。
レースでは、道中中団の外側を追走する形で最後の直線では内ラチと外ラチで2つに分かれた馬群の外ラチを選択したプーシャン騎手とジャックオダモ。ゴール前では凄い末脚をみせるも結果は惜しくも2着に敗れました。
また、現地では、初の欧州での競馬で初勝利はならなかったものの4番人気で2着といった好成績を称えるとともに改めて、若き名手・プーシャン騎手の実力も褒め称えられました。
今後、ジャックオダモが、プーシャン騎手の来日期間中に日本で出走するとなれば、プーシャン騎手とのコンビが日本の競馬場で見られるかも知れません。そういった点も1つの楽しみではないでしょうか。
A.プーシャン騎手のまとめ
今回は、フランスの若き名手・プーシャン騎手について紹介しました。
プロの騎手としてデビューして、まだ10年も経っていない中でこれだけの活躍を見せるプーシャン騎手ですから、おそらく日本の競馬に順応できれば、間違いなく活躍をみせてくれると思います。
また、馬券的にもプーシャン騎手が活躍を見せる前に買っておけば、一儲けできるかも知れません。
また、プーシャン騎手意外にも日本ではお馴染みとなるダミアン・レーン騎手とクリスチャン・デムーロ騎手が同時期に短期騎手免許で来日することも発表されていますので、秋のG1シリーズでは、再びの外国人騎手旋風が巻き起こるかも知れません。
ただ、そうならないためにも日本人騎手にもしっかりと頑張ってほしいですね。
