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アイリッシュチャンピオンステークスとは?歴史・特徴・過去の勝ち馬を解説

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毎年9月にアイルランドのレパーズタウン競馬場で行われる「アイリッシュチャンピオンステークス」。

距離は芝2,000メートルで争われるG1競走で、ヨーロッパ競馬の秋シーズンを彩る大一番として知られています。

このレースは、春のクラシックを戦った3歳馬と実績十分な古馬が初めて激突する舞台であり、秋の大一番「凱旋門賞」や「ブリーダーズカップ」へとつながる重要な前哨戦でもあります。

今回は、アイリッシュチャンピオンステークスの概要と、過去10年の勝ち馬の実績やその後の歩みについて詳しく解説していきます。

目次

レースの位置づけと魅力

アイリッシュチャンピオンステークスは、1976年に創設された比較的新しい国際G1ですが、その重要性は年々高まっています。

とりわけ秋のヨーロッパ競馬シーズンでは、「凱旋門賞に挑むべきかどうか」を占う試金石として多くの名馬が出走してきました。

3歳クラシック戦線を戦い抜いた馬と、古馬路線で活躍してきたチャンピオンが顔を合わせるため、世代を超えた“真の王者決定戦”と位置づけられています。

そのため、世界中の競馬ファンが注目するレースとなっており、欧州競馬カレンダーの中でも最重要の一戦です。

開催時期と舞台

アイリッシュチャンピオンステークスは毎年9月上旬に開催されます。

舞台となるレパーズタウン競馬場はアイルランドの首都ダブリン近郊に位置し、左回りの芝コースが特徴的です。

コースは適度な起伏があり、特にゴール前の上り坂が勝敗を分ける大きなポイント。スピードだけでなく、スタミナや底力が問われます。

さらにこのレースは「アイリッシュチャンピオンズウィークエンド」の目玉として行われ、ヨーロッパや日本を含む各国からトップホースが集う国際的な舞台となっています。

出走条件

出走資格は3歳以上で、定量に近い条件ですが3歳馬には一定の斤量のアローワンスが与えられます。

これにより、春に英ダービーや愛ダービーで活躍した若駒が古馬との初対決に臨みやすくなっています。

また、古馬にとっても凱旋門賞やブリーダーズカップを見据えた実戦調教の場となるため、各陣営が勝負度を高めて挑むレースです。

世代の頂点を極めた3歳馬が本当に古馬と互角以上に戦えるかどうか、注目が集まる理由はここにあります。

賞金と格付け

アイリッシュチャンピオンステークスは創設当初からG1競走に指定され、現在もヨーロッパ屈指の格式を誇ります。

総賞金は2025年の時点で約125万ユーロにのぼり、優勝馬にはその半分近い賞金が与えられます。

勝ち馬の多くがその後、凱旋門賞やブリーダーズカップ、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスといったビッグレースへと歩を進め、種牡馬や繁殖牝馬としても大きな価値を持つことから、世界中のトップホースがこの舞台を目指して調整します。

過去10年の勝ち馬一覧(2014~2024年

年度勝ち馬騎手調教師
2024エコノミクス (Economics)T.マーカンドW.ハガス
2023オーギュストロダン (Auguste Rodin)R.ムーアA.オブライエン
2022ルクセンブルク (Luxembourg)R.ムーアA.オブライエン
2021セントマークスバシリカ (St Mark’s Basilica)R.ムーアA.オブライエン
2020マジカル (Magical)S.ヘファーナンA.オブライエン
2019マジカル (Magical)R.ムーアA.オブライエン
2018ロアリングライオン (Roaring Lion)O.マーフィーJ.ゴスデン
2017デコレーテッドナイト (Decorated Knight)A.アッゼニR.チャールトン
2016アルマンゾル (Almanzor)C.スミヨンJ.C.ルジェ
2015ゴールデンホーン (Golden Horn)L.デットーリJ.ゴスデン

勝利馬のその後の活躍

  • エコノミクス(2024年)
    名門ハガス厩舎の期待馬で、アイリッシュチャンピオンステークスをG1初勝利とした逸材。今後は凱旋門賞や国際G1挑戦が見込まれます。
  • オーギュストロダン(2023年)
    A.オブライエン厩舎のエースで、英愛ダービーに続く勝利。翌年は日本のジャパンカップにも出走しました。
  • ルクセンブルク(2022年)
    3歳で古馬を撃破し、大舞台での存在感を示した馬。後の種牡馬価値を高める重要な一勝に。
  • セントマークスバシリカ(2021年)
    仏ダービーとエクリプスステークスを制し、続けて本レースも勝利。ヨーロッパ中距離王者として名を残しました。
  • マジカル(2019年・2020年)
    牝馬ながら2年連続制覇という偉業を達成。現役最強牝馬の呼び声も高く、その後もG1戦線で安定した強さを見せました。
  • ロアリングライオン(2018年)
    英ダービーでも好走した才気あふれる馬。チャンピオンステークスの勝利後は世界的な種牡馬として期待を集めました。
  • ゴールデンホーン(2015年)
    英ダービーを制した後、本レースでも勝利し、さらに凱旋門賞制覇へとつなげた歴史的名馬です。

アイリッシュチャンピオンステークスのまとめ

アイリッシュチャンピオンステークスは、アイルランド競馬の象徴的なG1であると同時に、世界の競馬シーンを見据える上で欠かせない一戦です。

近年はAidan O’Brien厩舎が圧倒的な強さを見せており、Auguste Rodinやルクセンブルク、マジカルといった名馬が次々とここを勝ち、国際G1へと羽ばたいていきました。

過去10年を振り返っても、このレースを制した馬の多くが凱旋門賞やブリーダーズカップで存在感を示しており、「世界最強馬決定戦」への登竜門としての地位を不動のものにしています。

今年もまた、世界の精鋭が集うレパーズタウンの舞台で、新たな王者が誕生する瞬間に注目が集まります。

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