競馬中継やパドック解説を聞いていると「この馬は内にささる癖がある」といった言葉が飛び出すことがあります。
しかし競馬初心者にとって「ささる」という表現は日常生活ではあまり聞き慣れないため、意味が分かりづらい専門用語でしょう。
一方で、ささる動作はレースの勝敗や馬券の行方に大きく関わる要素のひとつです。
本記事では「競馬 ささるとは？」という基本から、なぜ馬がささるのか、もたれるとの違い、過去の実例、そして予想に活かせるポイントまで詳しく解説していきます。
競馬のささるとは？【用語の基本解説】
競馬で使われる「ささる」とは、競走馬が直線やコーナーで本来の進路を取れず、内側や外側に寄ってしまうことを指します。
馬は本来ゴールに向かって真っすぐ走るべきですが、精神面や肉体的なバランスの問題から進路を変えてしまう場合があるのです。
そのため実況や解説では「内にささる」「外にささる」と具体的に説明されることが多くなります。
また「刺さる」と漢字表記されるケースもあり、「刺さる」「ササる」はすべて同じ意味で使われています。
競馬新聞やネットの解説では「競馬用語 刺さる」と紹介されることが多く、ファンの間でも共通認識として浸透している用語です。
要するに「競馬 ささる 意味」＝まっすぐ走れず矯正が必要になる動作、と覚えておけば問題ありません。
競馬でささるが起きる原因
馬がささる原因はいくつか存在します。
代表的なのは精神的な未熟さや気性面の問題で、まだ経験の浅い2歳馬やデビュー間もない馬に多く見られる現象です。
緊張や過度な力みでバランスを崩し、進路が曲がってしまうのです。
さらに、脚部や体の左右差による影響も無視できません。
疲労や怪我の影響でフォームが乱れれば、自然と片側に寄る動作が出やすくなります。
このとき「内に刺さる競馬」「外に刺さる競馬」といった状況が発生するのです。
ここで似た表現に「もたれる」という言葉があります。
もたれるとは、馬の重心が一方に傾いてしまい、その影響で自然に進路が寄っていく状態を指します。
一方で、ささるは馬自身が意図的に内や外へと進路を切り込んでしまう動作を表す言葉です。
実際のレースでは両者が混同されることも少なくなく、解説を聞くときにはその場の文脈から判断する必要があります。
競馬でささる馬が抱える課題
ささる癖を持つ馬は、能力を発揮できないリスクが高くなります。
直線でまっすぐ走れなければ、末脚を伸ばす前に他馬の進路を妨害したり、自らスピードを失ってしまうことがあるからです。
実際に、ゴール前で内にささり、ラチに接触しそうになったことで急減速し、惜敗した例もあります。
また、外に大きくささってしまったために馬群から大きく外れ、伸び切れなかったケースも少なくありません。
さらに厄介なのは、他馬の走行妨害につながる可能性です。
進路を横切るように寄れると、接触や不利を与えてしまい、降着や失格といった裁定が下されることもあります。
騎手からすればコントロールが難しく、全力で追いたい直線で矯正に手間を取られるため、大きなマイナス要素になるのです。
レース映像で見るささるシーン
実際のレース映像を見ると「刺さる競馬」が一目で理解できます。
直線で内ラチ沿いに寄り過ぎ、走りにくそうにする馬や、外へ膨れてしまい大きなロスをする馬は典型的な「ささる」例です。
過去には実力上位と目されながらも、直線で大きく内にささって伸びを欠き、勝ちを逃した馬もいました。
また、外にささったことで馬群から孤立し、騎手が必死に立て直したものの届かなかったケースもあります。
解説者が「直線でささってしまいましたね」と語るシーンを見れば、その動作がどれほどレースに影響を与えるか実感できるでしょう。
「ささる」という言葉は単なる比喩ではなく、結果を左右する実際の現象なのです。
ささる癖を持つ馬の特徴と対策
ささる癖を持つ馬にはいくつかの特徴があります。
まず多いのは気性の激しいタイプで、集中力を欠いてまっすぐ走れないケースです。
また若駒は心身が成長途上であるため、直線でフラフラと進路を取られがちです。
さらに故障明けや長期休養明けの馬も、体のバランスが戻り切らず、左右どちらかに寄りやすい傾向を示します。
こうした癖に対して陣営は様々な工夫を行います。
例えばハミ(馬具)の種類を調整して進路を矯正する、調教で直線を意識的に走らせる、といった取り組みです。
騎手も直線では外に馬を誘導して、内にささるのを防ぐような乗り方をする場合があります。
完全に癖を消すことは難しいですが、対策を施すことで走りが安定し、本来の能力を発揮できるようになることも多いのです。
まとめ｜競馬のささるを知ると予想が変わる
競馬における「ささる」とは、馬が直線やコーナーで進路を内外に寄せてしまう動作を意味します。
「刺さる」「ササる」と表記されることもあり、初心者には少し分かりにくい専門用語ですが、レースの勝敗や馬券の結果に直結する重要な要素です。
また「もたれる」との違いを理解すれば、解説者や新聞のコメントがより分かりやすくなります。
ささる癖のある馬は実力を出し切れずに敗れることも多いため、予想においては「直線でまっすぐ走れるかどうか」に注目することが大切です。
次に競馬中継で「この馬は内にささっていますね」という解説を聞いたときは、その意味を理解し、予想に活かせるようになるでしょう。