一般的に世間で『夏男』と呼ばれる男性は暑さに強かったり、夏が好きな方を指すと思いますが、競馬の世界においても『夏男』と呼ばれ、夏競馬が得意な騎手は存在します。
しかし、夏競馬といえばローカル競馬場での開催となるため、その分、難解なレースが多いのも特徴の1つです。
ただし、難解なレースでもよく馬券圏内に入る騎手を知ることができれば、万馬券といった夢に一歩近づくと思いませんか?
そこで今回は、夏競馬に強い騎手をテーマに各ローカル競馬場別ランキング形式で紹介していきたいと思います。
夏競馬を得意とする騎手の勝率や回収率を知ることで、馬券攻略にもつながると思いますので、是非とも最後までお楽しみください。
※表内のデータに関する注意事項)
※算出期間は、直近3年間(2021年〜2023年)の夏競馬期間(7月第1週目〜9月第1週目開催)とします。
※2024年3月末時点の現役ジョッキーで2023年の全国ジョッキーリーディング60位以内の騎手を対象とします。また、短期騎手免許の外国人騎手は除きます。
夏競馬の舞台となる6会場で強い騎手

例年、夏競馬では4大馬場を除いた残りの6会場が主会場となります。具体的には下記の通りです。
- 福島競馬場
- 新潟競馬場
- 中京競馬場
- 小倉競馬場
- 札幌競馬場
- 函館競馬場
それぞれの競馬場の夏開催時における騎手成績をまとめました。
福島競馬場
順位 | 騎手 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 戸崎 圭太 | 38 | 18 | 19 | 98 | 22.0% | 32.4% | 43.4% | 80 | 75 |
2位 | 田辺 裕信 | 21 | 17 | 14 | 60 | 18.8% | 33.9% | 46.4% | 84 | 107 |
3位 | 菅原 明良 | 20 | 23 | 1 | 120 | 11.0% | 23.8% | 33.7% | 126 | 87 |
4位 | M.デムーロ | 16 | 18 | 15 | 71 | 13.3% | 28.3% | 40.8% | 50 | 80 |
5位 | 木幡 巧也 | 13 | 8 | 10 | 116 | 8.8% | 14.3% | 21.1% | 100 | 65 |
福島競馬場は、直線がとても短く先行馬が有利なコース形態です。そのため、1番人気が馬券圏外になることもチラホラ目にしますよね。
そんな福島競馬場でのリーディングをみますと、戸崎圭太騎手が唯一の勝率20%超えで堂々の第1位でした。
また、2位の田辺裕信騎手は複勝回収率が100を超えていますし、さらに注目なのは、2024年の宝塚記念(G1)を制し、G1ジョッキーの仲間入りをした3位の菅原明良騎手でしょうか。単勝回収率は、126となっていますので、福島の出馬表で菅原騎手の名前をみれば、人気に関係なく単勝を買うのもアリかも知れませんね。
新潟競馬場
順位 | 騎手 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 戸崎 圭太騎手 | 40 | 31 | 17 | 145 | 17.2% | 30.5% | 37.8% | 96 | 78 |
2位 | 川田 将雅騎手 | 33 | 11 | 9 | 36 | 37.1% | 49.4% | 59.6% | 120 | 85 |
3位 | 三浦 皇成騎手 | 26 | 25 | 16 | 159 | 11.5% | 22.6% | 29.6% | 135 | 72 |
4位 | 菅原 明良騎手 | 24 | 17 | 26 | 198 | 9.1% | 15.5% | 25.3% | 100 | 80 |
5位 | M.デムーロ騎手 | 20 | 18 | 21 | 103 | 12.3% | 23.5% | 36.4% | 146 | 102 |
新潟競馬場といえば、通称”千直”と呼ばれる直線レースが名物となっており、芝の外回りコースの直線が東京競馬場より長いのも特徴です。
そんな新潟競馬場でも戸崎騎手が第1位でした。ただ、それ以上に注目なのが、第2位の川田将雅騎手ではないでしょうか。複勝率は約60%、単勝回収率も120と『馬券に迷えば、川田騎手から買え』といわれるほど、昨今の活躍には安心感があります。
また、第3位の三浦皇成騎手や第5位のミルコ・デムーロ騎手の単勝回収率も135を超えていますので、かなり信頼度が高いといえますね。
中京競馬場
順位 | 騎手 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 松山 弘平騎手 | 37 | 23 | 27 | 151 | 15.5% | 25.2% | 36.6% | 86 | 73 |
2位 | 川田 将雅騎手 | 33 | 22 | 15 | 43 | 29.2% | 48.7% | 61.9% | 78 | 92 |
3位 | 岩田 望来騎手 | 24 | 21 | 16 | 114 | 13.7% | 25.7% | 34.9% | 92 | 80 |
4位 | 幸 英明騎手 | 18 | 13 | 14 | 150 | 9.2% | 15.9% | 23.1% | 75 | 62 |
5位 | 坂井 瑠星騎手 | 17 | 13 | 9 | 99 | 12.3% | 21.7% | 28.3% | 59 | 60 |
ローカル競馬場の中で唯一、G1競走(高松宮記念とチャンピオンズカップ)が行われる競馬場です。平坦な小回りコースが特徴的であり、東京競馬場や新潟競馬場と同じく左回りコースでもあります。
その中京競馬場では、松山弘平騎手が第1位でした。しかし、第2位の川田騎手の勝率、連対率、複勝率のすべてがズバ抜けています。さらに第3位以下を見ましても2023年の関西リーディングトップ10に入った騎手が名を連ねています。
ここは素直に関西リーディング上位の騎手を狙うのが良いのかも知れません。
小倉競馬場
順位 | 騎手 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 松山 弘平騎手 | 49 | 33 | 22 | 191 | 16.6% | 27.8% | 35.3% | 80 | 67 |
2位 | 川田 将雅騎手 | 38 | 21 | 11 | 36 | 35.8% | 55.7% | 66.0% | 118 | 96 |
3位 | 西村 淳也騎手 | 26 | 32 | 16 | 167 | 10.8% | 24.1% | 30.7% | 80 | 94 |
4位 | 幸 英明騎手 | 23 | 28 | 29 | 216 | 7.8% | 17.2% | 27.0% | 101 | 85 |
5位 | 松若 風馬騎手 | 17 | 20 | 19 | 184 | 7.1% | 15.4% | 23.3% | 66 | 84 |
小倉競馬場は、例年の開催期間が1月〜2月・7月〜9月となっており、これは真冬と真夏の両極端で行われるのが特徴的です。
また、平坦な小回りで直線も短く、他会場と比べると小規模なコース形態により、福島競馬場と同じく先行馬が有利とされています。
そんな小倉競馬場でも、松山騎手が第1位となり、その背後に日本競馬のジョッキー界を牽引する川田騎手が、とんでもない数字をぶら下げて君臨する形となりました。
また、注目すべき点は、この数年での活躍が目立つ第3位の西村淳也騎手でしょうか。
西村騎手は、人気薄の馬でも馬券圏内に持って来るシーンがよく見られますので、今年も注目したい若手騎手の1人ですね。
札幌競馬場
順位 | 騎手 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 横山 武史騎手 | 64 | 44 | 36 | 179 | 19.8% | 33.4% | 44.6% | 83 | 78 |
2位 | 武 豊騎手 | 36 | 28 | 18 | 121 | 17.7% | 31.5% | 40.4% | 109 | 84 |
3位 | 丹内 祐次騎手 | 32 | 41 | 40 | 267 | 8.4% | 19.2% | 29.7% | 133 | 103 |
4位 | C.ルメール騎手 | 32 | 23 | 17 | 91 | 19.6% | 33.7% | 44.2% | 66 | 67 |
5位 | 横山 和生騎手 | 31 | 25 | 24 | 132 | 14.6% | 26.4% | 37.7% | 101 | 78 |
比較的涼しい札幌競馬場には、例年多くのトップジョッキーが集結します。そのため、レースレベルがとても高くなる傾向がみられます。また、夏競馬の期間で唯一G2競走(札幌記念)が行われるのも、ここ札幌競馬場です。
そんな札幌競馬場では、横山武史騎手が、レジェンド・武豊騎手を抑えて第1位に輝きました。しかも複勝率約45%は立派な数字だと思います。
さらに注目したいのは”北のルメール”こと第3位の丹内祐次騎手ですね。北海道出身の丹内騎手は、よく穴をあける印象がありますので、是非とも注目してみてください。
函館競馬場
順位 | 騎手 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 横山 武史騎手 | 48 | 32 | 32 | 141 | 19.0% | 31.6% | 44.3% | 86 | 85 |
2位 | 吉田 隼人騎手 | 27 | 24 | 17 | 139 | 13.0% | 24.6% | 32.9% | 72 | 79 |
3位 | 武 豊騎手 | 26 | 29 | 25 | 115 | 13.3% | 28.2% | 41.0% | 72 | 86 |
4位 | 藤岡 祐介騎手 | 26 | 14 | 17 | 115 | 15.1% | 23.3% | 33.1% | 101 | 73 |
5位 | 鮫島 克駿騎手 | 22 | 21 | 13 | 129 | 11.9% | 23.2% | 30.3% | 141 | 90 |
毎年2歳新馬戦がスタートする競馬場としても知られている函館競馬場は、福島競馬場や小倉競馬場と同じく直線が短く、平坦で小回りコースです。
そして、函館競馬場でも横山武騎手が第1位となっています。ここでも複勝率約45%ですので、北海道シリーズでは横山武騎手が絶対的な強さを誇っているといえそうです。
また、レジェンド・武豊騎手も北海道開催では、上位にランクインしていますので『武・武コンビ』を狙うのも面白そうです。
なお、”北のルメール”こと丹内騎手は、函館ではランク外となっていますので、札幌では狙い目も函館においては、割引が必要かも知れません。
夏競馬の騎手のまとめ

今回は、夏競馬の騎手について紹介しました。
簡単に今回のランキングをまとめますと、夏競馬の福島・新潟では戸崎騎手の信頼度が高く、中京・小倉では松山騎手、そして、札幌・函館は横山武史騎手と3人が綺麗に3分割する形となりました。
また、新潟・中京・小倉では川田騎手を馬券圏内に入れておくことは賢明だと思います。
そして、北海道開催でのレジェンドは馬券圏内から外せませんね。また、”北のルメール”こと丹内騎手は札幌で狙い目です。
なお、上記のランキングデータは、直近3年間の成績ですので、これから始まる夏競馬の馬券購入で大いに役立つデータと思います。是非ともご活用ください。