競馬ファンにとって、1年を締めくくる「有馬記念」と、前半の大一番「宝塚記念」は特別な存在です。
これらはファン投票によって出走馬が選ばれる唯一のG1レースであり、「グランプリレース」と呼ばれています。
実力だけでなく、人気や話題性も反映される舞台は、まさに競馬の祭典といえるでしょう。
さらに、有馬と宝塚を連覇した馬や、3連覇を達成した馬の競馬史に名前が刻まれています。
本記事では、そんなグランプリレースの魅力を詳しく解説します。
競馬のグランプリレースとは何か?

競馬におけるグランプリレースとは、JRAのG1レースの中でも特に人気と注目度の高い有馬記念と宝塚記念の2つを指します。
どちらもファン投票で出走馬が決まるという特別なレースで、いわばファンが選ぶ夢の競走です。
有馬記念は年末の総決算として、宝塚記念は春シーズンを締めくくる一戦として、それぞれ大きな役割を担っています。
単に賞金や格が高いだけでなく、人気馬同士の激突や、名馬の引退レースとなることも多く、競馬ファンの間では絶対に見逃せない一戦として定着しています。
この2レースは長年にわたり、多くの名勝負・名場面を生み出してきました。
競馬界におけるグランプリレースは、実力・ロマン・ドラマが凝縮された存在なのです。
ファン投票制度の特徴
グランプリレース最大の特徴は、出走馬がファン投票によって選ばれる点にあります。
通常のG1レースは出走条件や賞金順によって決まりますが、有馬記念と宝塚記念では、ファンが応援したい馬に直接投票し、上位人気馬が優先的に出走権を得る仕組みです。
これにより、現役トップクラスの実力馬だけでなく、話題性のある馬や引退レースを迎える名馬も顔を揃えることが多く、
まさに夢の対決が実現します。ファンの思いがレースを動かす、特別な制度といえるでしょう。
競馬のグランプリホースとは?

グランプリホースとは、有馬記念や宝塚記念といったファン投票型のG1レースで勝利を重ねた名馬たちの称号です。
たとえば、ブラストワンピースは現役時代に有馬記念を勝利したのでグランプリホースと呼ばれます。
また、グランプリを複数勝利した馬はグランプリ三冠や春秋グランプリホースと呼ぶこともあります。
たとえば、テイエムオペラオーは2000年に宝塚記念と有馬記念を制覇し、まさに春秋グランプリを総なめにしました。
グラスワンダーは1998年・1999年に連続して有馬記念を制し、1999年には宝塚記念とのグランプリ三連覇を達成しています。
近年ではクロノジェネシスが2020年と2021年の宝塚記念を連覇、有馬記念も制して歴代屈指のグランプリホースとして記憶に残ります。
こうした馬たちは、成績はもちろん、ファンの心を強く掴んだことでグランプリレースの歴史を彩ってきた存在です。
クラシック三冠との比較

グランプリレースとよく比較されるのが、3歳馬限定のクラシック三冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)です。
クラシック三冠は育成や血統背景を重視した若駒の王道路線であり、生涯で一度しか挑戦できない名誉ある舞台です。
一方、グランプリレースは年齢・性別を問わず出走可能なオープンな舞台で、成熟した古馬の頂上決戦として位置づけられています。
クラシック三冠が未来のスターの発掘であるのに対し、グランプリはすでにトップに立った馬たちの真の実力比べともいえるでしょう。
また、クラシックは出走条件が明確であるのに対し、グランプリレースはファン投票が大きく関与するため、人気と実力が交差する点も特徴的です。
それぞれの役割が異なるからこそ、競馬の世界はより奥深く魅力的なのです。

競馬のグランプリレース:まとめ

グランプリレースは、単なるG1の枠を超えたファンのための競馬といえる存在です。
有馬記念と宝塚記念は、ファンの声によって出走馬が決まり、真の人気と実力を兼ね備えた馬たちが集結します。
春と冬、それぞれの節目に行われるこの2レースは、数々のドラマと名勝負を生み出し、多くのグランプリホースたちが伝説を刻んできました。
クラシックとは異なる魅力を持ち、競馬の楽しさを凝縮した特別な舞台──それがグランプリレースなのです。
競馬をより深く楽しむために、ぜひその歴史や背景にも注目してみてください。