2025年4月、オーストラリアのビクトリア州を中心に活躍しているM(マイケル).ディー騎手(以下ディー騎手)が短期騎手免許を取得し来日することが発表されました。
オーストラリア所属のジョッキーといえば、近年ではD(ダミアン).レーン騎手(以下レーン騎手)やレイチェル・キング騎手(以下キング騎手)の存在が日本でも有名ですよね。
しかし、ディー騎手は今回が初来日となり、馬券購入者の目線で考えれば、どのような騎手なのか分からない点が多いと思います。
ただ、先週29歳を迎えたばかりのディー騎手は、レーン騎手よりも少し年下という立ち位置でありながら、すでにG1勝利数は10勝を超えており、今年も2月下旬に行なわれた2歳G1を制している実力派ジョッキーといえます。
そこで今回は、ディー騎手について、もっと詳しく紹介していきたいと思います。
すでに2025年春のG1シーズンが開幕していますが、馬券的にも1つのキーマンとなる騎手になると思いますので、是非とも最後までご高覧いただき、馬券の参考にしてみてください。
M(マイケル).ディー騎手とは?

ディー騎手は、1996年4月13日にニュージーランド北島の東海岸ホークスベイで生まれました。JRAの発表では身長173cm、体重54kgで日本人騎手と比較すれば、かなりの高身長だということが分かります。
そんなディー騎手は、父のリチャード・ディー氏が調教師だったためか、物心がつく前から馬に親しむ環境下で育ち、ポニーに騎乗したり、乗馬ショーや障害飛越競技を経験。16歳の時に『まだ体重が軽いうちに騎手を目指してみよう』と思い、地元で見習い騎手としてキャリアをスタートさせました。
その後、オーストラリアへと渡り、有力調教師の1人であるミック・プライス調教師の元で研鑽を積みながら見習い騎手としての期間を終えると、2016年にオーストラリアで騎手免許を取得し、本格的な騎手人生がスタートします。
なお、見習い騎手としての3年間の成績は、991戦106勝で勝率10.7%とそれなりの成績を収めているようです。
騎手として本格的なキャリアをスタートさせたディー騎手。ハンデ戦が主流となるオーストラリア競馬では、競走馬はレーティングに応じて負担重量が変わります。そのため、軽い斤量をこなせる騎手はとても貴重な存在だといいます。
当時52kgまでの軽量騎乗が可能だったディー騎手は、どんな馬でも乗れるのが強みとそのアドバンテージを武器にオーストラリアの競馬界で活躍の場を大きく広げると、そこからチャンスを活かし、結果を残してきたことで現在の地位を確立することに成功しました。
また、ディー騎手は「特定のスタイルにこだわらない」と自分自身を先行でも後方待機でもレース毎の流れに応じた騎乗ができる『万能型騎手』としてアピールしています。
さらには、どんな状況にも適応し、直線での追い比べには自信があると自負しているようですので、これは、日本競馬での活躍に期待できそうですね。
なお2025年の短期免許取得期間は、4月26日から6月25日までの約2カ月間。身元引受調教師は美浦の国枝栄調教師で契約馬主はラヴズオンリーユーの馬主として有名になったDMMドリームクラブ株式会社となります。
滞在期間が6月25日となれば、冒頭にも触れましたが春のG1シーズンでの騎乗が可能となります。ディー騎手には、その万能的な実力でG1レースに騎乗し、勝利することを目指してほしいと思います。
これまでの実績や主な勝鞍は?

JRAの発表によると、直近のディー騎手のオーストラリアでの成績は以下の通りとなっています。
2022-23年シーズン成績は、284戦33勝でオーストラリアVIC(Metro)にて第6位
翌2023-24年シーズン成績では、402戦52勝と同ランキングにて第3位となりました。
そして現在の2024-25年シーズンでは、4月23日現在で237戦32勝と同ランキング第7位に位置しています。
また、冒頭でもお伝えしましたが、ディー騎手のG1勝利数は、これまで10勝以上と、ここ数年間においても輝かしい成績を残しています。
その直近3年間の成績を振り返りますと、まず2022年には、コーフィールドカップ(豪G1)をダーストンで制すると、ヴィクトリアダービー(豪G1)もマンゾイツェに騎乗し優勝。
翌2023年には、クールモアクラシック(豪G1)をエスピオナで制し、サー・ルパード・クラークステークス(豪G1)ではマジックタイム、さらにはザ・グッドウッド(豪G1)もロイヤルマーチャントで勝利するなど、この年はG1レースで3勝をマーク。
そして、2025年のニュージーランドダービー(新G1)をウィリードゥイットで制し、生まれ育った地元で見事ダービージョッキーの勲章を手にしました。他にもオーストラリアンギニー(豪G2)やブルーダイヤモンドステークス(豪G2)では、ここ数年間でそれぞれ2勝ずつを挙げるなど、大舞台での勝負強さも目立ちますね。
さらに近年では、香港競馬でも短期免許を取得し、勝利するなど、オーストラリアやニュージーランドだけはなく、他国での競馬に対応した実績も今回の初来日につながったのではないでしょうか。
日本での実績は?

2025年4月21日に来日し、それではディー騎手の日本での実績について紹介していきますが、先ほどもお伝えした通り、ディー騎手は今回が初来日となり、日本での初騎乗は現時点で2日間しかありません。
そこで騎乗した2025年4月26日と27日の騎乗結果をまとめました。
2025年4月26日(東京競馬場)
レース | レース名 | 騎乗馬 | 人気 | 着順 |
---|---|---|---|---|
1R | 3歳未勝利 (ダ1,600m) | リュクスビスケッツ | 9人 | 競走中止 |
2R | 3歳未勝利 (ダ1,400m) | フクノジョヴァンニ | 8人 | 12着 |
3R | 3歳未勝利 (ダ2,100m) | アルデツヨシ | 10人 | 2着 |
4R | 3歳未勝利 (芝1,800m) | オルグジェシダ | 3人 | 2着 |
5R | 3歳未勝利 (芝1,400m) | ガンビーチ | 7人 | 6着 |
6R | 3歳1勝クラス (ダ1,600m) | クラリネットソナタ | 4人 | 2着 |
8R | 4歳上1勝クラス (芝1,600m) | ドリームクルーズ | 7人 | 8着 |
9R | 石和特別 (芝1,800m) | レッドバレンティア | 7人 | 7着 |
10R | 鎌倉ステークス (ダ1,400m) | ジャスリー | 6人 | 13着 |
2025年4月27日(東京競馬場)
レース | レース名 | 騎乗馬 | 人気 | 着順 |
---|---|---|---|---|
1R | 3歳未勝利 (ダ1,400m) | アッサジャン | 6人 | 16着 |
2R | 3歳未勝利 (ダ1,600m) | テソリーノ | 5人 | 6着 |
3R | 3歳未勝利 (ダ1,300m) | ディライトベル | 5人 | 10着 |
4R | 3歳未勝利 (芝2,400m) | エオアリイ | 3人 | 7着 |
5R | 3歳未勝利 (芝1,800m) | ロードオブキング | 6人 | 5着 |
7R | 4歳上1勝クラス (ダ1,600m) | インテルメディオ | 3人 | 9着 |
8R | 4歳上2勝クラス (芝1,400m) | オルフェスト | 8人 | 9着 |
10R | オアシスステークス (ダ1,600m) | ユティタム | 9人 | 7着 |
12R | 4歳上2勝クラス (ダ1,400m) | ホウオウフロイト | 12人 | 16着 |
18戦2着3回と連対率・複勝率ともに16.7%という成績に終わりましたが、この2日間で来日初勝利を挙げることはできませんでした。
しかし、初日に行われたレースにて人気薄の馬を2着に持ってくるなど初勝利は時間の問題になりそうですね。
マイケル.ディー騎手のまとめ

今回は、マイケル・ディー騎手について紹介しました。
現時点においてディー騎手の実力は、まだまだ目立っていない状況ですが、これまでの実績や同郷のレーン騎手やキング騎手を見ると、日本での活躍は間違いないと感じますし、これから、日本の生活習慣にも慣れてくることでその実力が発揮されることと思います。
1日も早くディー騎手が初勝利の看板を掲げながら、笑顔を見せてくれることに期待したいですね。