【睦月・如月・弥生…】旧暦の名前がついた競馬レース12選

旧暦のイメージ

競馬のレース名には、聞いただけではピンとこないものも多くあります。

なかでも「睦月ステークス」「きさらぎ賞」「弥生賞」など、旧暦(和風月名)を冠したレースは、趣深くもどこか雅な雰囲気を漂わせています。

これらは単なる語呂合わせではなく、開催時期と旧暦の月名がリンクしており、競馬ファンなら知っておきたい“季節の風物詩”的なレースばかりです。

本記事では、1月~12月まで、旧暦の名前が付けられた12の競走を一挙に紹介!

それぞれのレースの開催時期や意味、注目ポイントをわかりやすく解説していきます。

目次

旧暦の名前が付いた12のレース

四季のイメージ

競馬には旧暦(和風月名)をレース名に冠した競走があり、それぞれの月にちなんだ季節感や意味を持ち、毎年定期的に開催されています。

ここでは、1月から12月までの旧暦レースを月順にご紹介します。

1月:睦月ステークス

 グレードOP
 開催競馬場中京
 コース芝1,600m
 出走条件4歳以上
 負担重量別定
 1着賞金2,300万円
レース名の由来正月に親族や親しい人々が集い、互いに睦まじく過ごす月
2023年の情報です。

睦月(むつき)ステークスは1月の下旬に開催される3勝クラスのレースです。

2020年までは京都競馬場の芝2,400mにおいて、「睦月賞」の名称で開催されていましたが、2年ほど開催がなく、その後、2023年には「睦月ステークス」の名称で復活しました。

なお、2023年度は京都競馬場で大規模改修工事に入っていたため、中京芝1,600mで開催されていますが、2024年~2025年にかけては開催がありません。

もしかしたら今後、復活するかもしれないレースです。

2月:きさらぎ賞

 グレードG3
 開催競馬場京都競馬場
 コース芝1,800m
 出走条件3歳
 負担重量馬齢
 1着賞金4,100万円
レース名の由来厳しい寒さに備えて、衣を重ねて身を守る時期。衣更着(きさらぎ)から
2025年の情報です。

きさらぎ賞は、毎年2月上旬に京都競馬場の芝1,800mで行われる3歳馬限定のG3競走です。

クラシック戦線への登竜門として位置づけられ、皐月賞や日本ダービーを目指す有力馬が始動戦として出走します。

過去にはスペシャルウィークやトーセンラー、サトノダイヤモンドなど、後にG1馬となる名馬たちがここから飛躍しましたが、ここ数年はぶっつけG1がトレンドになりつつあることから、メンバーレベルは下降気味です。

それでも、ここで収得賞金を獲得できれば皐月賞への出走はほぼ確定となるため、ここを目標に仕上げる陣営も少なくありません。

なお、きさらぎ賞は例年、少頭数でスローペースになりやすく、瞬発力が鍵を握ります。

3月:弥生賞ディープインパクト記念

 グレードG2
 開催競馬場中山競馬場
 コース芝2,000m
 出走条件3歳
 負担重量馬齢
 1着賞金5,400万円
レース名の由来草木が芽吹き始め、生き物の気配が戻る時期。弥生茂る月
2025年の情報です。

弥生賞ディープインパクト記念は、毎年3月初旬に中山競馬場の芝2,000mで行われる3歳馬限定のG2競走です。

クラシック第一冠・皐月賞と同じコース・距離で行われるため、トライアルレースの中でも皐月賞の結びつきが強いレースで、過去にはミスターシービーやシンボリルドルフ、ディープインパクトといった後の三冠馬たちがここを制しています。

なお、近年はぶっつけG1がトレンドになっていることや、ホープフルステークスや共同通信杯などの非トライアル組の成績が目立っており、2015年~2024年の皐月賞において、弥生賞から挑んだ勝ち馬はいません。

もっとも、2~3着に入線する馬は多数いるので、依然としてトライアルレースとしての役割は保っています。

なお、もともとは「弥生賞」の名称で開催されていましたが、2019年に名馬ディープインパクトが死去した際、その功績を称えて2020年から本競走の名前にディープインパクトの名前が付け加えられました。

4月:卯月ステークス

 グレードOP
 開催競馬場中山競馬場
 コースダート1,800m
 出走条件4歳以上
 負担重量別定
 1着賞金2,200万円
レース名の由来卯の花(ウツギ)が咲き、春の景色が一層華やぐ季節
2022年の情報です。

卯月ステークスは中山競馬場で開催されるダートのオープン戦です。

長らく芝1,600mの3勝クラス(旧1,600万下)のレースとして開催されましたが、2009年を最後、10年以上開催がありませんでした。

しかしながら、2022年に約13年ぶりにコースや条件を変えて復活しています。

しかし、2022年を最後に開催が終了し、2024年時点でもレースは行われていません。

もしかしたらいきなり開催されるかもしれませんので気長に待ちましょう。

5月:皐月賞

 グレードG1
 開催競馬場中山競馬場
 コース芝2,000m
 出走条件3歳牡・牝
 負担重量馬齢
 1着賞金2億円
レース名の由来早苗(さなえ)を植える時期。田植えの始まりを告げる、農耕の準備が本格化する月
2025年の情報です。

皐月賞は中山競馬場で開催されるクラシックレースです。

おそらく旧暦のレースでもっとも有名な本競走は3歳馬のみ出走できるクラシック競走の第一戦に指定されており、ほとんどの牡馬は皐月賞を目標に、日々鍛錬を重ねます。

古くから開催されている競技で、もっとも速い馬が勝つといわれている本競走は、その名の通りスピードに長けた馬が優勢に感じますが、舞台である中山芝2,000mはレース中盤で下り傾斜を駆け下りる点や、最後の直線上にある急な上り傾斜を2度駆け上がらなければいけないため、スピードだけではなく、スタミナやパワーも重要です。

加えて中山適性も問われるため、スピード一辺倒ではなく、総合力に長けていないと勝ち負けは厳しい舞台です。

6月:水無月ステークス

 グレード3勝クラス
 開催競馬場阪神競馬場
 コース芝1,200m
 出走条件3歳以上
 負担重量定量
 1着賞金1,840万円
レース名の由来田に水を引いたり、梅雨の時期など、水に関する神事が行われる月
2023年の情報です。

水無月ステークスは6月に開催される短距離レースです。

毎年梅雨の時期に開催されますが、意外と良馬場にも恵まれており、レース名らしからぬ時計勝負になることも珍しくありません。

3勝クラスのレースということで、このレースを勝利すれば晴れてオープン入りできます。

ここで結果を残せばそのまま夏のサマースプリントにも駒を進めることができるため、陣営からしても力が入るレースです。

ちなみに、2017年のファインニードルや2015年のビッグアーサーはこのレースを勝利してオープン入りを果たし、のちに短距離G1を勝利しています。

7月:文月特別

 グレード1,000万下(2勝クラス)
 開催競馬場阪神競馬場
 コース芝1,400m
 出走条件3歳以上
 負担重量定量
 1着賞金1,480万円
レース名の由来稲の穂が実る時期。七夕をはじめ、書や学問に親しむ行事が行われる月
2007年の情報です。

文月特別は7月に開催されるレースです。

当初は文月ステークスという名称で1998年に開催されていますが、2002年に文月特別に名称変更しました。

当初から短距離レースとして夏の時期に開催されていましたが、2007年以降はレースが行われていません。

近年は夏の阪神開催も無くなってしまったので、今後復活はあるのか、仮にあったとしても全く別の競馬場での開催となりそうです。

8月:葉月ステークス

 グレードOP
 開催競馬場中山競馬場
 コース芝1,600m
 出走条件3歳以上
 負担重量別定
 1着賞金
レース名の由来葉が落ち始め、季節の変わり目を迎える月
1996年の情報です。

葉月ステークスは3歳馬限定のオープン競走ですが、1996年に一回だけ行われ、現在に至るまで開催はありません。

旧暦のレースの中でもっとも開催頻度の少ないレースです。

なお。過去には葉月賞、もしくははづき賞の名称で開催されていました。

1991年のはづき賞を勝利したナイスネイチャは現役時代に有馬記念で3年連続3着入線し、ウマ娘としても人気を集め、晩年は35歳まで馬生を全うした名馬です。

9月:ながつきステークス

 グレードOP
 開催競馬場中山競馬場
 コースダート1,200m
 出走条件3歳以上
 負担重量別定
 1着賞金2,200万円
レース名の由来夜が長くなり、秋の深まりを感じる月
2024年の情報です。

ながつきステークスは中山競馬場で開催される短距離ダート競走です。

短距離ダート馬が集うレースとして知られていますが、一流馬の多くは交流重賞や秋のJBCスプリントを選択するため、ながつきステークスは重賞でなかなか芽が出ない馬が多数参戦します。

そのため、骨のあるメンバーが集結しやすく、一筋縄にはいかないのがレースの特徴といえるでしょう。

10月:神無月ステークス

 グレード3勝クラス
 開催競馬場東京競馬場
 コースダート2,100m
 出走条件3歳以上
 負担重量ハンデ
 1着賞金1,840万円
レース名の由来全国の神々が出雲(出雲大社)に集まり、神が不在となる月
2024年の情報です。

神無月ステークスは東京競馬場で開催されるダートレースです。

創設当初から一貫してダート競走として行われていますが、数年おきに距離が変化し、ある年は短距離、ある年はマイルで開催されたため、データ派泣かせのレースです。

2023年以降はダート2,100mに距離を延長したため、スタミナ自慢が集結するようになりました。

今後は距離の変更があるか分かりませんが、2025年時点では過去データは鵜呑みにしづらいレースとなっています。

11月:霜月ステークス

 グレードOP
 開催競馬場東京競馬場
 コースダート1,400m
 出走条件3歳以上
 負担重量別定
 1着賞金2,200万円
レース名の由来朝晩にしもが降り始め、冬の気配が濃くなる月
2023年の情報です。

霜月ステークスは戸叶競馬場で開催されるダートの短距離レースです。

先ほど取り上げた神無月ステークスとは違い、長らく東京ダート1,400mで開催されているレースなので、過去データを活かしやすいです。

JRAで開催される数少ない短距離ダート重賞のカペラステークスとの間隔も良いことから、カペラステークスの前哨戦としても使い勝手が良いレースです。

実際に前走霜月ステークス組がカペラステークスで好走するケースも多々見られるため、相性の良いレースと言えるでしょう。

12月:師走ステークス

 グレードL
 開催競馬場中山競馬場
 コースダート1,800m
 出走条件3歳以上
 負担重量ハンデ
 1着賞金2,400万円
レース名の由来年末に向けて人々が忙しく走り回る月
2024年の情報です。

師走ステークスは12月に開催される中距離ダートのリステッド競走です。

1995年までは芝1,600mで開催されていましたが、それ以降は現在のダート1,800mで行われており、中距離実績のあるダート馬が多数集結します。

ただ、この時期はG1のチャンピオンズカップや東京大賞典の間に開催されるため、一流馬は元より重賞馬もほとんどいません。

ハンデ戦ということもあって伏兵の台頭も多々見られることから、穴党向けのレースとしての地位を保っています。

旧暦のレース一覧:まとめ

旧暦のレース

和風月名を冠した競走は、レース名から季節感が感じられるだけでなく、開催時期と旧暦との結びつきも知ることができる趣深い存在です。

この記事を通じて、いつものレース観戦が少しだけ豊かになるきっかけになれば幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次