競走馬のフレグモーネとは?原因や症状、治療方法や治療期間などについて詳しく解説

競馬を長く楽しんでいる人であれば、一度は聞いたことがあるであろうフレグモーネ。

しかし、単純にその文字だけではどんな病気なのか、イメージしにくいのではないでしょうか。

今回はそんなフレグモーネについて、その原因や症状、治療方法や治療期間を解説します。

目次

そもそもフレグモーネとは?発症の影響について

フレグモーネとは、わかりやすく言うと皮下における細菌感染による炎症です。

厩舎用語では「キズ腫れ」と言われるように、傷口から細菌が入り込み皮下組織内で炎症・化膿する病気です。人間でも、擦りむき傷や切り傷から細菌が入り込んで炎症・化膿することがありますが、それと原理は同じです。

競走馬でフレグモーネを発症するのは、走行時のチップや砂による摩擦などで、外見では見えないほどの小さく細かいキズが生じ、そこから細菌が侵入するパターンがほとんどです。

そのため主に四肢に発生しやすく、パフォーマンスに深刻な影響を及ぼす可能性があることから、早期発見と適切な治療が必要になります。

放置した場合は、敗血症や慢性跛行を引き起こし、引退を余儀なくされる場合もあるため、軽い腫れや、跛行の症状が見られた時点で獣医師等に相談することが推奨されます。

フレグモーネの原因と症状について

この章では、フレグモーネがどのような原因によって発症するのかについて、細菌感染をはじめとする主なリスク要因や背景を詳しく解説します。

さらに、実際に現れる代表的な症状や、進行した場合に考えられる体への影響・合併症についてもわかりやすくご紹介します。

フレグモーネの原因は?

先ほども解説したように、フレグモーネは、皮膚にできた細かい傷口や、注射部位からの細菌が侵入してしまうことが主で、他にも以下のような原因があるとされています。

  • 外傷
  • 不衛生な環境
  • 免疫力の低下
  • 不適切な治療方法

外傷

蹄や脚部にできた傷口から細菌が侵入し、炎症・化膿を引き起こすパターンです。最も多いフレグモーネの原因と言えるでしょう。

不衛生な環境

厩舎や馬場の清掃が行き届かないことで、細菌が繁殖してしまい、その汚れが傷口に付着することで発症するパターンです。

免疫力の低下

傷口から細菌が侵入したからと言って、すぐにフレグモーネが発症する訳ではなく、人間同様に白血球などが働き、その細菌を排除しようとします。

しかし、過労やストレスにより免疫力が低下してしまうと、フレグモーネに感染しやすくなる場合があります。

不適切な治療方法

傷口の消毒が適切に行われなかった場合や、消毒が不足していた場合も、フレグモーネが発症する可能性があります。

フレグモーネの症状は?

フレグモーネの症状には、以下のように様々な特徴があります。

  • 患部の腫れ
  • 痛み
  • 発熱
  • リンパ節の腫れ
  • 膿瘍の形成

患部の腫れ

患部が炎症を起こすことで熱感を持ち、腫れ上がります。稀に患部だけでなく、脚部全体が腫れる場合も見られます。

痛み

炎症・化膿を引き起こしていることから、患部に触れると痛みが生じます。その痛みは、歩様の乱れであるハ行(跛行)としてあらわれます。

発熱

細菌の侵入・感染が患部だけでなく全身に感染が広がることで、体温が上昇する場合もあります。

リンパ節の腫れ

発熱と同様に、細菌感染が患部だけでなく、周辺のリンパ節にまで感染が広がってしまった場合、リンパ節が腫れ、熱感と痛みが症状としてあらわれます。

膿瘍の形成

細菌感染を引き起こし、適切な治療が行われず症状が重症化した場合、膿瘍が形成され、皮膚が破れ膿が排出される場合もあります。

フレグモーネの治療方法と治療期間について

この章では、フレグモーネに対して行われる代表的な治療方法について詳しく解説するとともに、症状の重症度や個人差によって異なる治療期間の目安についてもわかりやすくご紹介します。

フレグモーネの治療方法

治療方法は下記のとおりです。

  • 抗生物質の投与
  • 患部の適切な管理
  • 消炎剤の使用
  • 安静
  • 予防的ケア

抗生物質の投与

フレグモーネは細菌感染症の1つなので、ペニシリン系やセファロスポリン系などの抗生物質が投与されます。

症状が重度である場合は、それらを静脈注射し、集中的に投与する場合もあります。

患部の適切な管理

初期症状である腫れや痛みが生じた場合は、冷湿布や温湿布などで腫れと痛みを軽減します。

さらに簡単な方法だと、患部を患部を冷水で冷やすことも有効とされており、1日3〜4回ほど15分間冷水で冷やしてあげることで患部の熱感をとり、血流が安定し、患部の回復を促進させる効果が期待されます。

症状が進行し、膿瘍が形成された場合は、外科的に切開し膿を排出することが望ましいとされています。

消炎剤の使用

抗生物質の他に、非ステロイド性抗炎症薬の投与で、炎症と痛みを抑えるのも治療方法の1つです。

安静

直接的な治療ではないものの、馬に運動をさせず安静を保ち自然回復させる方法です。症状が徐々に落ち着いてきた頃には、ひき運動などの軽い運動をさせることで、患部の腫れを抑えられる場合もあるため、状況に応じて安静と運動のバランスが求められます。

予防的ケア

先ほどの安静と同様、直接的な治療方法ではないものの、傷口の丁寧な消毒や、厩舎や馬房などの馬の生活環境を清潔に保つなどの予防的ケアを行うことで、発症や再発を防ぐことができます。

フレグモーネの治療期間について。完治するまでの期間

フレグモーネの治療期間について、下記の3つのステップで解説します。

  1. 初期治療期間
  2. 回復期間
  3. 競争への復帰期間

初期治療期間

フレグモーネが発症してすぐの初期治療期間では、抗生物質の投与をしながら、患部を清潔に保つ処置が施されます。

この段階で適切な治療が行われ、症状が軽度の場合は1週間から10日程度で改善される場合が多いです。

回復期間

初期治療期間が終了し、患部の炎症が収まったのち、炎症で受けたダメージの回復や、腫れや痛みが完全にひくまでは、さらに時間が必要になります。

この回復期間は、軽傷であれば2〜3週間、重症であれば1ヶ月以上の時間を要する場合があります。

競走への復帰期間

初期治療期間と回復期間を終え、症状が回復したとしても、それはあくまで症状そのものが回復しただけでレースに出走できるまでの状態まで回復したとは言えません。

再びレースに出走するためには、治療・回復期間中に衰えた筋肉や関節を元の能力まで戻すためのリハビリ期間が必要であり、1〜2ヶ月ほどかかるとされています。

フレグモーネのまとめ

今回は、フレグモーネの発症の原因と症状を治療方法や治療期間とあわせて解説しました。

フレグモーネは軽度であれば治療開始から完治まで2〜4週間と、骨折や屈腱炎などの他の病気やケガに比べると比較的早くに復帰できる病気ではありますが、傷口から簡単に感染することや、重症化すると競走馬生命にも関わる非常に危険な病気でもあります。

そのため、常日頃からの細心の注意を払い、フレグモーネを予防することが大切です。

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