競馬のレースには【大賞典】という名称が付いたレースが存在します。
漢字から受ける印象は壮大ですが、必ずしもG1レースにに指定されているわけではありません。
それでも、その名称のインパクトは大きく、印象に残りやすいのは事実です。
今回は、この「大賞典」の意味をはじめ、大賞典という名称が付いたレースを紹介します。
競馬の大賞典の意味
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最初に、競馬における「大賞典」の意味を紹介します。
賞典とは、「褒美(ほうび)に賜わる物。褒賞。賞与」という意味を持つため、大賞典は大きな賞と捉えて良いでしょう。
ちなみにフランスには「パリ大賞典」というレースがあります。
創設は1863年で、フランス競馬の中でも特に歴史と伝統があるレースですが、本場では「Grand Prix de Paris」と表記されています。
「grand prix」を訳すと「大きな賞」という意味になるため、日本の大賞典同様、世界でも大きな(特別)な賞という扱いがされています。
中央競馬の大賞典レース一覧
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中欧競馬で「大賞典」という名称が付いたレースは4つ存在しています。
ここからは、中央競馬の大賞典という名称が付いた4つのレースについて解説します。
阪神大賞典
グレード | G2 |
創設 | 1953年 |
開催競馬場 | 阪神競馬場 |
コース | 芝3,000m |
出走条件 | 4歳以上 |
負担重量 | 別定 |
1着賞金 | 6,700万円 |
阪神大賞典は3月下旬ごろに阪神競馬場で開催される芝3,000mのステイヤーレースです。
創設してからしばらくは芝2,000mで開催されていましたが、1974年以降は現在の芝3,000mに距離を大幅延長し、あわせて天皇賞(春)へのステップレースとして位置付けられました。
2014年からは阪神大賞典の勝ち馬に天皇賞(春)の優先出走権が与えられるようになり、より一層天皇賞(春)と結びつきが強くなっています。
長距離レースということで道中に数多くのドラマがあり、ナリタブライアンとマヤノトップガンがデッドヒートを繰り広げた1996年の第44回阪神大賞典はオールドファンを中心に【伝説のG2】として高く評価されているほどです。
そのほかにも、三冠馬のオルフェーヴルが2周目の向こう正面で失速したにもかかわらず、再加速して巻き返そうとした2012年の第60回阪神大賞典は、【阪神大笑典】という別名で今なお語り草となっています。
伝統のあるステイヤーレースですが、2017年に産経大阪杯が大阪杯へG1昇格したことで、そこから天皇賞(春)へ向かう馬も増えてきました。
そのため、近年は出走メンバーのレベルが低下しつつありますが、それでも2024年の天皇賞(春)で馬券に絡んだ3頭はすべて前走が阪神大賞典であることから、現在も天皇賞(春)と結びつきが強いレースとして機能しています。
京都大賞典
グレード | G2 |
創設 | 1966年 |
開催競馬場 | 京都競馬場 |
コース | 芝2,400m |
出走条件 | 3歳以上 |
負担重量 | 別定 |
1着賞金 | 6,700万円 |
京都競馬場は秋の京都で開催される芝の中距離重賞です。
開催時期は10月の上旬で、基本的には開幕週の京都で開催されます。
同年春までに活躍した中距離馬が始動戦として選択するケースが多く、年によってはG1馬が複数出走するケースも珍しくありません。
なお京都大賞典の勝ち馬には天皇賞(秋)の優先出走権が与えられることから、名目上は天皇賞(秋)の前哨戦として位置づけられています。
ところが、京都大賞典は2,400mが舞台であるのに対し、天皇賞(秋)は芝2,000mなので、距離が2ハロン短くなります。
それよりも、天皇賞(秋)の後に開催される芝2,200mのエリザベス女王杯や、同距離のジャパンカップ、距離が100mしか変わらない有馬記念といった秋のG1レースのほうが結びつきが強いです。
そのため、京都大賞典に出走した馬は天皇賞(秋)を挟まずに、エリザベス女王杯やジャパンカップ、有馬記念に進む傾向が目立っています。
なお、近年の京都大賞典は【かつて活躍した馬の復活レース】としても注目されています。
例えば、2016年の菊花賞馬であるサトノダイヤモンドは古馬になってからスランプに陥っていましたが、2018年の京都大賞典を優勝し、久々に勝利の美酒を手にしました。
サトノダイヤモンドと同期のマカヒキもダービー馬でありながら、しばらく勝ち星から遠ざかっていましたが、2021年の京都大賞典では各馬の間から差し脚伸ばして先着し、実に5年ぶりとなる勝利を手にしています。
マカヒキの生涯のキャリアの中で、ダービーと同じくらい印象に残るレースとなりました。
新潟大賞典
グレード | G3 |
創設 | 1979年 |
開催競馬場 | 新潟競馬場 |
コース | 新潟芝2,000m(外回り) |
出走条件 | 4歳以上 |
負担重量 | ハンデ |
1着賞金 | 4,300万円 |
新潟大賞典は新潟競馬場で開催される4歳以上の中距離重賞です。
新潟競馬は毎年春・夏・秋の3開催行われていますが、新潟大賞典は春開催で唯一施行される重賞競走です。
2024年まではNHKマイルカップの裏開催という位置づけがされていましたが、2025年は重賞レースの大幅改正に伴い、1週後ろ倒しでヴィクトリアマイルの裏で開催されます。
ローカル競馬場のハンデ重賞ということで毎年骨のあるメンバーが揃うのが特徴で、順当で決まることは基本的にありません。
ただ、その分配当妙味に期待できるので、穴党からしたら東京で開催されるG1競走よりも力を入れている人も少なくないですよ。
なお、2024年時点でこのレースを制したあとにG1レースを勝利したのは1992年のメジロパーマーが最後となっています。
出世レースとは程遠いポジションにあるので、新潟大賞典の勝ち馬がG1レースに出走する際は評価を下げてみてもよいかもしれません。
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小倉大賞典
グレード | G3 |
創設 | 1967年 |
開催競馬場 | 小倉競馬場 |
コース | 芝1,800m |
出走条件 | 4歳以上 |
負担重量 | ハンデ |
1着賞金 | 4,300万円 |
小倉大賞典は小倉競馬場で開催される芝1,800mの中距離重賞です。
小倉競馬場は毎年冬と夏に開催されますが、もともとは冬に開催される唯一の重賞競走でした。
ところが、2025年の中央競馬の重賞改正に伴い、夏に開催されていた小倉サマージャンプが小倉ジャンプステークスとなって冬に移行、そして、新たに小倉牝馬ステークスが1月に創設されたことで、現在は唯一の冬開催ではなくなりました。
冬の小倉で唯一開催される重賞というアイデンティティは失われましたが、開催時期に大きな変化はなく、現在もそれなりの実力があるマイラーや中距離馬が始動戦として選択しています。
なお、小倉大賞典は先に紹介した新潟大賞典と同じくローカルのハンデ戦ということで荒れるイメージがあります。
しかしながら、2015年から2024年の勝ち馬9頭が1~4番人気の馬だったので、勝ち馬だけ見たら順当に決着付いていました。
ただし、2~3着馬は穴馬がコンスタントに入線しているので、本命から穴馬に流す買い方が向いているかもしれません。
地方競馬の大賞典レース一覧
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大賞典という名称が付いたレースは中央競馬だけではなく地方競馬にも数多くあります。
ここからは、地方競馬で開催される大賞典という名のついたレースを紹介します。
東京大賞典
グレード | G1 |
創設 | 1955年 |
開催競馬場 | 大井競馬場 |
コース | ダート2,000m |
出走条件 | 3歳以上選定馬 |
負担重量 | 定量 |
1着賞金 | 1億円 |
東京大賞典は12月29日に大井競馬場で開催されるダート馬の最高峰レースです。
地方の交流重賞でありながら、唯一国際グレードが付けられているレースで、その格式は全交流重賞の中でも一番高いです。
中央・地方馬を問わず、ダートの強豪が集結するため、ダート競馬のチャンピオン決定戦といえるでしょう。
開催時期が12月29日に固定されているのも特徴です。なぜなら、中央競馬で開催される最後のG1はホープフルステークス(カレンダーによっては有馬記念)ですが、どんなに日程が遅くても12月28日に開催されるからです。
東京大賞典はホープフルステークスよりも後に開催される上、中央所属の精鋭が多数参戦することから、普段地方競馬に興味がない中央競馬ファンでも、東京大賞典だけは購入する人も多いですよ。
また、有馬記念やホープフルステークスで敗れた人の受け皿としても機能しており、さまざまな思惑あれど、毎年盛り上がりを見せています。
なお、2015年から2024年の東京大賞典の三連単配当を見てみると、万馬券が飛び出たのは3回しかありませんでした。
三連単最高配当も2019年の3万8,690円なので、穴党向けではありません。
順当に決まるケースが目立つため、多くの払戻を得たい方は1点あたりの金額を吊り上げることをおすすめします。
白山大賞典
グレード | Jpn3 |
創設 | 1981年 |
開催競馬場 | 金沢競馬場 |
コース | ダート2,100m |
出走条件 | 3歳以上 |
負担重量 | 別定 |
1着賞金 | 3,000万円 |
白山大賞典は金沢競馬場で開催される中距離ダートの交流重賞です。
レース名の【白山】とは、石川、岐阜、富山、福井の4県にまたがる白山から来ており、加賀山地の最高峰としても知られています。
そんな白山大賞典は金沢競馬場で開催される唯一の交流重賞に指定されていることから、金沢競馬の全重賞の中ではもっとも格式が高いレースです。
唯一の交流重賞ということで、年に一度だけ中央の馬と騎手が金沢に参戦します。石川県民だけではなく、隣県の競馬ファンからしても北陸の地に一流馬と一流騎手がやってくるので、一種お祭りのような盛り上がりを見せていますよ。
なお、歴代の勝ち馬を見てみると、2008年のスマートファルコンは最終的にG1(Jpn1)競走を5勝しましたが、初めて手にした交流重賞タイトルは白山大賞典でした。
2025年現在も活躍しているウィルソンテソーロも2023年の白山大賞典を勝利しており、同年チャンピオンズカップと東京大賞典で2着入りしたことで現在はダートの最前線で活躍しています。
地方競馬のローカル交流重賞ですが、出世傾向が強いレースとして役割を果たしていますよ。
名古屋大賞典
グレード | Jpn3 |
創設 | 1977年 |
開催競馬場 | 名古屋競馬場 |
コース | ダート2,000m |
出走条件 | 3歳以上 |
負担重量 | ハンデ |
1着賞金 | 3,000万円 |
名古屋大賞典は名古屋競馬場で開催されるハンデの中距離重賞です。
創設は1977年で、設立当初は12月下旬に開催されていましが、1989年に開催時期を3月下旬に移行、そこから30年以上3月で定着していましたが、2024年に地方ダートがアップデートされ、再び12月下旬開催となっています。
名古屋競馬場で開催される交流重賞は3つありますが、その中で唯一下半期に開催されています。
中央競馬で開催されるチャンピオンズカップや東京大賞典の間に開催されるため、一流馬の参戦はほとんどありません。
代わりに、G1の舞台では物足りない馬が来年以降を見据えて参戦するため、毎年骨っぽいメンバーが揃いがちです。
ハンデ戦ということもあって荒れるイメージがつきものですが、交流重賞らしく中央勢が好走傾向にあるため、買い目は意外と絞りやすいです。
フルゲートも12頭なので、骨っぽいメンバーが集結するハンデ戦にしては予想しやすいのが特徴といえるでしょう。
はがくれ大賞典
グレード | 重賞 |
創設 | 2004年 |
開催競馬場 | 佐賀競馬場 |
コース | ダート2,000m |
出走条件 | 3歳以上 地方馬 |
負担重量 | 別定 |
1着賞金 | 1,000万円 |
はがくれ大賞典は佐賀競馬場で開催される地方馬の交流重賞です。
レース名の【はがくれ】とは、肥前佐賀藩で呼ばれた武士道を説く書物から来ています。「武士道とは死ぬことと見つけたり」の一文は葉隠の中でも特に有名な一節でしょう。
2004年に創設されたレースで、もともとは佐賀所属馬限定でしたが2014年以降は地方馬限定重賞として開かれています。
地方馬限定競走として門出を開いた2014年以降は、西日本でもっとも実力馬が集まっている兵庫勢が勝つケースが目立ちましたが、2017年のコウザンゴールドや2020年にキングプライドのように、佐賀所属馬も負けておらず、佐賀勢のレベルも上がってきているように感じられます。
兵庫大賞典
グレード | 重賞Ⅰ |
創設 | 1964年 |
開催競馬場 | 園田競馬場 |
コース | ダート1,400m |
出走条件 | 4歳以上 |
負担重量 | 定量 |
1着賞金 | 2,000万円 |
兵庫大賞典は園田競馬場で開催される短距離レースです。
創設当初は2,300mで開催されていましたが、のちに1,870mに距離短縮し、2024年からは1,400mになりました。
2024年以降は距離が大幅に短縮したため、過去のコースデータが当てになりません。
しかしながら、ダート1,400mは園田でもっとも開催頻度の多いコースなので、過去のコースデータを駆使すれば攻略データが見えてくるかもしれませんよ。
定量戦に指定されていることから、実力が物をいうレースですし、強い馬を決める意味でもふさわしいレースではないでしょうか。
一條記念みちのく大賞典
グレード | M1 |
創設 | 1973年 |
開催競馬場 | 水沢競馬場 |
コース | ダート2,000m |
出走条件 | 3歳以上 岩手所属馬 |
負担重量 | 定量 |
1着賞金 | 1,000万円 |
一條記念みちのくステークスは水沢競馬場で開催される中距離重賞です。
レース名の【一條】とは旧盛岡競馬場を設計した一條友吉氏から来ており、史の貢献を評して2001年からレース名に付けられました。
同県内にある盛岡競馬と持ち回りで開催されていましたが、2012年以降は基本的に水沢で開催されることが定着し、上半期の岩手所属馬最強を決める一戦として役割を果たしています。
なお、1999年のフェブラリーステークスを制したメイセイオペラは2025年2月時点でも地方から中央を制した馬として有名ですが、現役時代にみちのく大賞典を3連覇しているので、岩手競馬好きのオールドファンからしたらそちらのイメージのほうが強いかもしれません。
ばんえい大賞典
グレード | BG3 |
創設 | 1975年 |
開催競馬場 | 帯広競馬場 |
コース | ばんえい200m |
出走条件 | 3歳 |
負担重量 | 別定 |
1着賞金 | 180万円 |
ばんえい大賞典は帯広競馬場で開催されるばん馬限定の競走です。
創設当初から3歳限定(旧・4歳)競走に指定されており、現在は3歳三冠競走の初戦のレースとして機能しています。
ばんえいのディープインパクトと呼ばれたカネサブラックもばんえい大賞典を勝利し、ばんえい競馬を代表する名馬として一世を風靡しました。
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サラブレッド大賞典
グレード | 重賞 |
創設 | 1966年 |
開催競馬場 | 金沢競馬場 |
コース | ダート2,000m |
出走条件 | 3歳 金沢所属馬 |
負担重量 | 馬齢 |
1着賞金 | 300万円 |
サラブレッド大賞典は金沢競馬場で開催される3歳限定の重賞競走です。
創設当初から金沢所属馬のみ出走できるレースとして機能しており、金沢三冠競走にも指定されています。
過去の勝ち馬を見てもそこまで馴染みがある馬は多くありませんが、2011年の勝ち馬であるナムラダイキチは3歳の夏に中央から金沢に移籍すると、瞬く間に頭角を現し、最終的には地方の重賞を13勝しています。
北上川大賞典
グレード | M2 |
創設 | 1978年 |
開催競馬場 | 水沢競馬場 |
コース | ダート2,500m |
出走条件 | 3歳以上 岩手所属 |
負担重量 | 定量 |
1着賞金 | 350万円 |
北上川大賞典は水沢競馬場で開催されるダートの長距離重賞です。
レース名の【北上川】は東北でもっとも長い河川で、岩阿野中央から宮城県東部までつながっており、盛岡競馬場のある盛岡市や水沢競馬場がある奥州市とも縁のある川です。
創設当初から長距離ダートとして機能しているだけではなく、舞台となる水沢ダート2,500mも年に一度しか開催されません。
そのため、岩手競馬最強のステイヤーを決める一戦として位置づけられていました。
一條記念みちのく大賞典を3連覇したメイセイオペラは、北上川大賞典も連覇しており、岩手競馬ではほぼ無双していたといえるでしょう。
なお、2021~2023年は盛岡で開催されていましたが、2024年からは再び水沢で開催されています。
九州大賞典
グレード | 重賞 |
創設 | 1999年 |
開催競馬場 | 佐賀競馬場 |
コース | ダート2,500m |
出走条件 | 3歳以上 佐賀所属 |
負担重量 | 定量 |
1着賞金 | 600万円 |
九州大賞典は佐賀競馬場で開催されるダートの長距離重賞です。
佐賀のダート2,500mは年に一度しか開催されないため、実質的に九州大賞典専用コースです。
出走できるのは3歳以上の佐賀所属馬なので、佐賀最強のステイヤーを決める一戦として定着しています。
一つ上の見出しで紹介した北上川大賞典の佐賀バージョンと思ってもらってよいでしょう。
なお、中央で重賞レースを2勝したグレイトパールはのちに佐賀競馬に移籍しましたが、2019年から2022年の九州大賞典を4連覇しており、元中央馬としての威厳を証明していました。
大賞典レースで印象深い名馬5頭
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これまで大賞典という名称のレースを紹介しましたが、過去の名馬の中には大賞典とゆかりのある馬も何頭かいました。
ここからは、大賞典のイメージが強い名馬を5頭紹介します。
ナリタブライアン
生年月日 | 1991年5月3日 |
---|---|
性別 | 牡 |
父 | ブライアンズタイム |
母 | パシフィカス |
母父 | Northern Dancer |
生産牧場 | 早田牧場新冠支場 |
戦績 | 21戦12勝 |
主な勝ち鞍 | クラシック三冠(G1) 1994年 朝日杯3歳ステークス(G1) 1993年 有馬記念(G1) 1994年 スプリングステークス(G2) 1994年 阪神大賞典(G2) 1995・1996年 共同通信杯4歳ステークス(G3) 1994年 |
獲得賞金 | 10億2,691万6,000円 |
死去 | 1998年9月27日 |
【シャドーロールの怪物】という異名で活躍したナリタブライアンは1994年のクラシック三冠馬です。
同年有馬記念でグランプリホースになり、その後の活躍にも期待されましたが、古馬になってから発症した関節炎のため、しばらくは勝ち星から遠ざかっていました。
それでも、1996年の阪神大賞典では一つ年下のグランプリホースであるマヤノトップガンとのデッドヒートを制したことで復活の兆しを見せています。
仔の阪神大賞典は2頭のマッチレースとなり、最後の最後まで手に汗握る戦いとなりました。今なお史上最高のG2レースとして語られています。
ゴールドシップ
生年月日 | 2009年3月6日 |
---|---|
性別 | 牡 |
父 | ステイゴールド |
母 | ポイントフラッグ |
母父 | メジロマックイーン |
生産牧場 | 出口牧場 |
戦績 | 28戦13勝 |
主な勝ち鞍 | 皐月賞(G1) 2012年 菊花賞(G1) 2012年 有馬記念(G1) 2012年 宝塚記念(G1) 2013・2014年 天皇賞(春) 2015年 神戸新聞杯(G2) 2012年 阪神大賞典(G2) 2013~2015年 共同通信杯(G3) 2012年 |
獲得賞金 | 13億9,776万7,000円 |
ゴールドシップは2012年の皐月賞と菊花賞を制した二冠馬です。
一つ年上のオルフェーヴルと並んで競馬界屈指の暴れん坊として有名で、とにかく気性は悪いものの、無尽蔵のスタミナを活かしたロングスパートやステイゴールド譲りのパワフルな走りで多くの競馬ファンに愛されていました。
特に2015年の宝塚記念における出遅れは伝説です。
ゴールドシップはG1レースや気性難のイメージが強いですが、何気に阪神大賞典を3連覇しており、大賞典での活躍も目立ちます。
ただ、2013年の京都大賞典は単勝オッズ1.2倍を裏切る5着に沈んでいるように、同じ大賞典でも適性がかみ合わなければ人気を裏切るケースも珍しくありません。
しかし、ゴールドシップならそれでも許してしまうのがこの馬の愛される要素なのかもしれませんね。
オメガパフューム
生年月日 | 2015年4月6日 |
---|---|
性別 | 牡 |
父 | スウェプトオーヴァーボード |
母 | オメガフレグランス |
母父 | ゴールドアリュール |
生産牧場 | 社台ファーム |
戦績 | 26戦11勝 |
主な勝ち鞍 | 東京大賞典(G1) 2018~2021年 帝王賞(Jpn1) 2019年 シリウスステークス(G3) 2018年 平安ステークス(G3) 2020年 アンタレスステークス(G3) 2022年 |
獲得賞金 | 7億5,207万円 |
オメガパフュームはダート路線で活躍した馬です。
なんといっても全馬未踏の東京大賞典4連覇を果たした馬で、東京大賞典に出走するたび単勝オッズを吸っていました。
東京大賞典以外のレースでも堅実な走りを見せており、2010年代後半のハイレベルなダート路線の一角にいた馬です。
2022年も東京大賞典に向けて調整されていましたが、東京大賞典の1カ月前に開催されたみやこステークス出走後、思った以上に疲労が抜けきらなくなったことから引退しました。
もしも万全な状態だったならば、史上初となる東京大賞典5連覇を成し遂げられたかもしれません。
マカヒキ
生年月日 | 2013年1月28日 |
---|---|
性別 | 牡 |
父 | ディープインパクト |
母 | ウィキウィキ |
母父 | フレンチデピュティ |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 28戦6勝 |
主な勝ち鞍 | 日本ダービー(G1) 2016年 弥生賞(G2) 2016年 ニエル賞(G2) 2016年 京都大賞典(G2) 2021年 |
獲得賞金 | 6億3,007万5,000円 |
マカヒキは2016年のダービー馬です。
古馬になってからはなかなか勝利をつかめませんでしたが、2021年、8歳で挑んだ京都大賞典では道中馬群の中にいながら、空いた箇所を突いて差し切り勝利を収め、実に5年ぶりとなる勝利をつかんでいます。
ディープインパクト産駒は年齢を重ねるにつれてパフォーマンスを落とす傾向がみられましたが、マカヒキは8歳で重賞を手にし、多くのファンに感動を与えたのです。
ヒットザターゲット
生年月日 | 2008年3月6日 |
---|---|
性別 | 牡 |
父 | キングカメハメハ |
母 | ラティール |
母父 | タマモクロス |
生産牧場 | ノースヒルズマネジメント |
戦績 | 57戦9勝 |
主な勝ち鞍 | 目黒記念(G2) 2015年 京都大賞典(G2) 2013年 新潟大賞典(G3) 2012年 小倉大賞典(G3) 2013年 |
獲得賞金 | 4億466万3,000円 |
最後に紹介するのはヒットザターゲットです。
主な勝ち鞍を見てもらえたら分かるように、ヒットザターゲットは中央競馬で開催されている4つの大賞典の内の3つを勝利しています。
歴代の名馬の中でも大賞典レースを3種類勝利している馬はおらず、現役時代は【大賞典キラー】という異名も付けられました。
特に、ゴールドシップが敗れた2013年の京都大賞典では、祖父タマモクロス譲りの追込競馬でしょうりし、 単勝オッズ1万6,620円の高配当を叩き出しています。
最終的には10歳まで走り続け、古馬になってからは40戦連続で芝の重賞に出走し続けました。この記録は2025年2月の時点で最多記録です。
余談ですが、2014年には阪神大賞典にも出走し、5着に入線していました。
もしも阪神大賞典を制していたら、歴代でも唯一頭、中央競馬の大賞典を完全制覇した馬として歴史に名を刻んでいたことでしょう。
競馬の大賞典 まとめ
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今回は競馬の大賞典についてまとめました。
地方競馬も合わせると、意外と大賞典と名のついたレースはたくさんありました。
東京大賞典以外はG2以下に指定されているため、G1レースほど注目度は高くありませんが、それでも大賞典レースで結果を残して名馬に上り詰めた馬はたくさんいます。
大賞典レースを通じて、競馬を楽しんでください!