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競馬の5大特別競走を徹底解説!クラシック登録やセン馬が出られない理由も紹介

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競馬には「5大特別競走」と呼ばれる、3歳馬だけが挑戦できる伝統ある5つのレースがあります。

桜花賞・皐月賞・日本ダービー・オークス・菊花賞の5競走で、これらは日本競馬のクラシック体系を形づくる特別な存在です。

それぞれが若駒たちの大目標であり、後のG1戦線や種牡馬・繁殖牝馬としての評価にも大きく関わる重要な舞台です。

この記事では、5大特別競走の由来や位置づけ、出走条件、登録制度、そして”なぜセン馬が出られないのか”まで、初心者にもわかりやすく解説します。

目次

5大特別競走とは?

「5大特別競走」とは、3歳馬だけが出走できる日本競馬の伝統的な五大レースを指します。

桜花賞・皐月賞・日本ダービー(東京優駿)・オークス(優駿牝馬)・菊花賞の5つで構成され、これらは総称して「クラシックレース」とも呼ばれます。

もともとはイギリスのクラシック五大競走(1000ギニー・2000ギニー・オークス・ダービー・セントレジャー)をモデルに創設されたもので、日本でもその体系を受け継いでいます。

この5大特別競走は若駒にとっての”頂点決定戦”であり、勝利した馬はその世代を代表する存在として歴史に名を刻みます。

日本の5大特別競走一覧

日本の5大特別競走は、桜花賞・皐月賞・日本ダービー(東京優駿)・オークス(優駿牝馬)・菊花賞の5レースです。

いずれも3歳馬の頂点を争う舞台であり、歴史・格式・注目度のすべてにおいて他のレースとは一線を画しています。

それぞれのレースには明確な位置づけがあります。

桜花賞とオークスは牝馬限定戦で”牝馬クラシック”を構成し、皐月賞・日本ダービー・菊花賞は牡牝混合戦として”クラシック三冠“を形成しています。

レース名施行場所距離性別条件備考
桜花賞阪神競馬場芝1,600m牝馬限定英国の1000ギニーに相当。牝馬クラシック初戦。
皐月賞中山競馬場芝2,000m混合戦英国の2000ギニーに相当。クラシック初戦。
日本ダービー(東京優駿)東京競馬場芝2,400m混合戦英国のダービーに相当。競馬の祭典と呼ばれる。
オークス(優駿牝馬)東京競馬場芝2,400m牝馬限定英国のオークスに相当。牝馬クラシック二冠目。
菊花賞京都競馬場芝3,000m混合戦英国のセントレジャーに相当。クラシック最終戦。

これら5レースこそが日本競馬における「クラシック体系」の中心であり、その年の3歳世代の実力を測る最重要ステージとされています。

出走条件と登録制度

5大特別競走は、ただ強いだけでは出走できません。

出走には年齢や性別の制限があり、さらにクラシック登録制度と呼ばれる特別な申請が必要です。

また、登録を逃した場合でも高額な追加登録料を支払えば出走できる仕組みもあります。

ここからは、出走資格や登録制度、そして”なぜセン馬が出られないのか”といった細かなルールを解説していきます。

年齢・性別の制限

5大特別競走に出走できるのは3歳馬のみです。

一生に一度しか挑戦できないため、どの陣営もこの舞台を最大の目標として育成を進めます。

また、桜花賞とオークスは牝馬限定戦ですが、皐月賞・日本ダービー・菊花賞は牡牝混合戦として実施されます。

そのため、牡馬はクラシック三冠(皐月賞・ダービー・菊花賞)の最大3レースしか出走できませんが、牝馬は桜花賞・オークスに加えて皐月賞・ダービー・菊花賞にも出走でき、理論上は5レースすべてに挑戦可能です。

実際に、牝馬が牡馬クラシックへ挑んだ例も数多くあります。

2007年にはウオッカが64年ぶりに日本ダービーを制覇し、2017年にはファンディーナが皐月賞に挑戦。

2019年にはメロディーレーンが追加登録料を払って菊花賞へ出走しました。

さらに2024年にはレガレイラが皐月賞と日本ダービーの両方に出走し、時代を象徴する牝馬挑戦として注目を集めました。

クラシック登録と追加登録

5大特別競走に出走するためには、クラシック登録(正式名称:3歳馬五大競走特別登録)が必要です。

これは、出走希望馬を段階的に登録していく仕組みで、原則として第1回・第2回・第3回の3回に分けて行われます。

第1回登録は2歳秋に実施され、将来クラシックを目指す素質馬が名を連ねます。

第2回登録は翌年春、第3回登録は本番の約2週間前に行われ、ここで最終的な出走馬が確定します。

もしこの登録を逃してしまっても、追加登録制度を利用すれば出走が可能です。

ただし、その際には200万円の高額な追加登録料が必要になります。

たとえば2015年の菊花賞を制したキタサンブラックは、この追加登録制度を活用して菊花賞へ出走しました。

こうした登録制度は、クラシックが「本気で頂点を狙う馬だけの舞台」であることを象徴しています。

せん馬が出走できない理由

5大特別競走では、せん馬(騸馬)の出走が認められていません。

これはルール上、クラシック登録の時点で騸馬は登録できないと明記されているためです。

その理由は、クラシック競走が単なる勝ち負けの舞台ではなく、将来の繁殖を見据えた”血統選抜の場”として位置づけられていることにあります。

クラシックを勝った馬は、のちに種牡馬や繁殖牝馬として血を残す存在となるため、繁殖能力を持たないせん馬には出走資格が与えられません。

この考え方は、日本独自のものではなく、もともとモデルとなったイギリスのクラシック五大競走でも同様です。

そのため、クラシック体系を継承する日本でも伝統的にこのルールが受け継がれています。

つまり、せん馬が挑戦できないのは不公平ではなく、血統を未来へつなぐための制度的な必然なのです。

まとめ: 5大特別競走の先にあるもの

5大特別競走は、3歳馬が一生に一度だけ挑戦できる栄誉の舞台です。

この五大決戦を走り抜けた馬たちは、その後の競走生活でも注目を集め、天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念といった王道路線へ進みます。

クラシックでの実績は、そのまま”世代最強馬”としての証であり、海外挑戦の切符を手にすることもあります。

さらに、クラシックで輝いた馬たちは、血統を未来へつなぐ存在として新たなステージへ。

牡馬は種牡馬として、牝馬は繁殖牝馬として次の世代を生み出し、競馬というスポーツと文化を支え続けます。

5大特別競走とは、勝敗だけでなく夢と血統、そして歴史が交差する場所。

世代の頂点を懸けたこの舞台こそが、日本競馬の原点であり、永遠の憧れなのです。

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